地元不動産への投資方法
By スティーブ・シャガラッド博士
過去9年間において、ジーンは不動産投資家として活躍していた。不動産投資のおかげで、彼は定職につく必要がなかったのだ。
名門ブラウン大学を卒業後、ジーンは修士号獲得のためにフロリダ大学へ進学する。しかし、そこで彼は面白いことに気付いた。自分が専攻している分野よりも、不動産投資の方がより多くのお金を稼げる可能性があったのだ。そして、彼は実際に修士課程を獲得した後も、その分野で仕事をすることはなかった。
ジーンは在学中からゲインズビル(フロリダ大学がある都市)にある、小規模な優良物件のいくつかに目を付けて投資を始めた。そして、自分自身で物件を修繕し、売却したり賃貸に出したりすることで、非常に大きな利益を獲得したのだ。
不動産投資はとても簡単に見え、ただ自分が幸運なだけではないかと当初は思っていた。そこで、どのような不動産取引が利益を出すのかを見極めるために、競売物件やオークション、高額物件、格安物件など、あらゆる方法で投資を試みた。しかし、そのいずれも彼が最初に得た投資の利益には遠く及ばなかった。
この9年間で彼は多くのことを学び、今でも学び続けている。それでも彼の中核となるアイディアは変わっていない。立地環境が良い、中の下クラスの物件を購入する。これが彼の不動産投資の肝となっているアイディアだ。
そして、相場価値よりも20%以下の価格で、年利が8%以上になる物件のみを購入することが重要だという。たったこれだけである。さまざまなことを試した結果、彼にはこの方法が一番しっくりきたのだ。
「なぜ中の下クラスの物件を購入するのですか?」と私が尋ねると、「低クラス物件の賃料は、中クラスの賃料とほぼ同じだからです(厳密には覚えていないが、たしか彼は低クラスの賃料が約6万円だとしたら、中クラスは約7万円だと言っていた)。でも一般的に、中クラスの物件は低クラスよりも2倍の価格で売られています。ですから、立地条件の良い中の下クラスの物件を安く購入し、賃貸に出すことで大きな利益を得ることができます」と教えてくれた。
彼の言葉は理にかなっている
ジーンは地価の上昇が期待される立地の良い物件を的確に購入することで、莫大な利益を上げることができると言う。しかし、彼はその可能性にだけ頼っているわけではなく、賃料で着実に利益を出しているのだ。
不動産において、投機と投資は異なる。投機とは、地価が上がりそうな土地を購入することである(賃貸収入は期待しない)。一方、投資とは、しっかりとしたリターンを見込んでいる。ジーンは不動産に「投資」をして、賃料で高いリターンを得られる物件のみを購入しているのだ。
彼の言うことの多くは的を射ている。例えば、私が景気の停滞について尋ねたときには、「景気が悪いときは、中間所得層は賃料を抑えるために私が所有する中の下クラスの物件に引っ越してきます。そして、好景気のときは逆に低所得層がその物件に引っ越してくるのです。だから私の物件はいつでも需要がありますよ」と答えた。
低所得者層が多く住む地域で問題になりやすい家賃未払いや器物破損については、多額の保証金を求めることで対応している。そして、何かあれば借主が払った保証金は返ってこないと賃貸契約に明記してあるのだ。さらにジーンは賃料の40%が諸経費や借主の家賃未払い等にあてがわれたとしても利益が出る賃貸契約のみを結んでいる。
過去には高額物件への投資も試みたことがあるが、リターンは良くなかったとジーンは教えてくれた。彼曰く、多くの「不動産投資家」たちは高級物件を所持していると言いたいがために、それらを購入しているだけだと言う。
しかし、実際に利益を上げられるのは、誰も投資したがらない物件なのだ。彼はウォーレン・バフェットの安全余裕度の考えを引用し、次のように述べている。
「潜在価値のある物件を安く購入し、しっかりとリターンを得られるのであれば、何があっても安心できる安全余裕度を確保することができる」
ジーンの話を聞いた後、私自身も賃貸物件を探したくなった。
投資の前に自問すべき2つの質問:
潜在的な投資に対するリスクと報酬を考慮する上で、以下の基本的な質問を自分に問いかけてほしい。
1.もし失敗しても(最悪のケースだが)、生活していけるか。もし答えが「ノー」であれば、その投資はしないようにする。
2.「このチャンスを無駄にしたら、今後の人生で後悔するか?」
または、投資しないで損をするリスクが、投資するリスクよりも高いか?
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ