友人のBMが金持ちで有名になった理由

あなたに私の友人BMのことを紹介しよう。きっと刺激になると思う。
実際、私も彼からとても刺激を受けている。

きっとあなたも、彼を好きになるはずだ。彼はとてもいいやつだし、控えめである。レストランやバーで出会っても、彼が成功者だとは気づかないだろう。そして、彼は億万長者になっただけではなく、人生そのものにも成功している。どこへ行っても、誰かれも愛されているのだ。

地元のバーでは誰もが１杯奢ると言うので、彼は支払いができないくらいだ。恋愛でも成功している。彼の婚約者はシンディー・クロフォードより綺麗で、シャーリー・テンプル並みに優しい。

これもすべて、彼が人生の計画をしっかり立ててきたからだ。
今日はそのことについて話そう。

BMは自分自身やビジネス、家、車、そして知り合う人すべてを愛していて、初めて出会う人や物事にもポジティブな反応を見せる。

そういう性格だと思うかもしれないが、私はBMのことをよく知っている。彼は私たちと同じくらい用心深いし、多くの苦難もくぐり抜けてきた。彼はイギリス、マンチェスターの治安の悪い地区にある、非常に小さな家で大家族のなか育った。10代前半のときに弟が市街電車の事故で亡くなるのを目の当たりにし、その後も悪いことが続いた。

しかし、1つ学んだことがあった。父親から、自分のことを不憫に思ってはいけないと教わり、その言いつけを心に刻んだのだ。だから、BMは決して自分の不遇に不満を言わないし、明るい話題を好む。

BMにはもう1つ素質がある。仕事を心から楽しめることだ。いつも働いているし、楽しんで働いていることがまわりにも伝わる。この素質がビジネスに大きな影響を与えている。

この2つのビジネスの才能に加え、彼は人々が欲しがるものを売るのがうまい。しかも競合より安い値段で売るのだ。

==

BMと出会ったのは15年前になる。彼はアメリカに来たばかりで、フロリダ州ボカラトンで小さな家具屋を営んでいた。当時、私はアンティーク風のパイン材チェストを探していたが、手頃な価格のものが見つけられないでいた。そして、BMはほかの店の半額くらいの値段でチェストを販売していたのだ。

「なぜ、こんなに安くできるの？」と私が尋ねると、彼は笑いながら「トリックがあるんですよ」と答えた。

私はチェストを購入し家に持ち帰ったが、残念なことにサイズが合わなかった。面倒なことにならないかと心配しながら彼に電話すると、彼は快く返品を受け付けてくれた。それだけではなく、翌日に人を寄こすと言ってくれたので、店までチェストを運ぶ手間も省けたのだ。

それ以来、私が彼の店で家具を買っていることは言うまでもないだろう。

次第に、彼が安く家具を販売できる理由が分かってきた。彼には古い材木を仕入れ、アンティーク風の家具を製造している親戚や友人がイギリスにいるのだ。

BMはフロリダで一番初めに、カントリー風のパイン材家具が流行ることに気がついた家具セールスマンだ。彼は需要増加を予見し、競合より安値で販売する方法を誰よりも早く見いだしていた。

=

10年後、同様の模倣家具を売る業者が何百社にも増えたなかで、彼は業界リーダーになっていた。成長トレンドのなか、彼は競争力のある価格で販売したので、ビジネスを急拡大させることができたのだ。

最近では本物のアンティーク家具など、ハイエンド向けの家具も扱っている。しかし、主力商品はいまだに一般大衆向けの安価なアンティーク風家具である。彼は誠実に、楽しみながら販売しており、顧客もそれに満足している。最高級家具を扱う小売業者のように金持ち受けはしなくても、何百人もの忠実な顧客と新興の富裕層を味方につけているのだ。

これは成功への最強の組み合わせだ。ポジティブに一生懸命働き、良質なカスタマーサービスを提供し、需要の高い商品やサービスを安価に販売する。

=

ちょうど先日、BMはノースカロライナ州のハイポイント（アメリカ最大の業者向け家具展示会が開かれる場所）で新しい事業を始めると話していた。彼は何年も買い手として展示会に参加していたが、市場が拡大するなかで、自分もこの土地に店を出したいという思いを抑えられなくなったのだ。

問題があるかって？競争が激しいことだ。彼と同じものを、何年も売っている業者が何十社もいる。

「どうやって差別化するんだ？何か特別なことをするのか？」と聞いてみると、
「人気商品を売るだけですよ」と彼は答えた。

「それだけ？」
「もちろん、かなり安く売りますよ」

彼は利幅を60％に設定するつもりだ。多くの競合相手の利幅は250〜300％なので、この業界ではかなり低い水準といえる。

「ライバルたちはどう思うだろうね？」と私は聞いてみた。
「嬉しくはないでしょう。でも私のことを気に入ってくれてるみたいだから、我慢してくれると思いますよ」と、彼はポジティブに答えた。

マーク・M・フォード

                                                Presented by インベストメントカレッジ