富とお金 2018/08/22

卓越性の追求をする理由とその方法




『In Pursuit of Excellence』(邦題『ザ・エクセレンス』)がベストセラーになるずっと以前から、優れたビジネスマンは究極の企業方針として「卓越性」を求めてきた。確かに、それはフォーチュン500に選ばれる大企業なら当てはまるかもしれない。しかし、私が知るスモールビジネスの経営者は、別のことを追求して会社を成長させている。

私が知っている何億円ものビジネスをゼロから築き上げた十数人は、「もっとうまくできるはず」という思考(これも一つの卓越性だ)から事業を始めた。つまり、理論上で卓越性の追求を目標にした人はいなかったのだ。ほとんどの場合、評価を得ることや正当性の証明、キャッシュフローの確保といった野望が、彼らを支配していた。

では、卓越性は美德だと皆が口を揃えて言うのはなぜだろう?それは、大企業が生き残るために、それが必要だからだ。

どんな起業家のキャリアでも、当初の成功をもたらしてくれたやる気だけでは、不十分になるときがやってくる。中規模、または大企業に成長した会社を存続させるためには、どのように事業を効率化し、多くの従業員のモチベーショを上げていくのかを理解していなければならない。言い換えれば、卓越性を求めなければならないのだ。

そして、あなたがまだ起業して間もないのなら、ビジネスの財政状態も重要になってくる。

*基本的な取引がうまくいっているか。
*販売計画が利益をもたらしているか。
*必要なキャッシュフローがあるか。

基本を正しく理解してから、その後にほかのことを心配しよう。すなわち、「構え、打て、狙え」の精神だ。

なぜ、私があなたに卓越性を追求するよう勧めるのか説明しよう。


あなたがいつか成功したビジネスを持ち、それを誇りに思える日が来ることを期待しているのなら、今からあなたのマスタープランに卓越性を加えても早すぎることはない。

以下が、あなたの重要な財務目標を危険にさらすことなく、新しいビジネスが可能な限り良くなる方法だ。

*すばらしい人材を採用する。
*採用者には専門家による訓練を受けさせる。
*あなたが持っている一番良いビジネス人脈の連絡先を教える。そして、彼ら自身でも良い人脈を築くよう促す。
*高いパフォーマンス基準を設定する。

私は以前、3つのポジションのためにさまざまな人を面接した。そのうちの何人かは、関連性のある職務経験がたくさんあった。しかし、私たちはそれらの経験者を誰一人採用しなかった。高い評価を受けた人たちは、興味深いことに大学を卒業してからわずか1年〜3年目の人たちだったのだ。

若い採用者たちに欠けていた経験は、ほかの資質で補えた。彼らは賢く勤勉で、目標達成のためによく働いてくれた。

これは、採用時における秘訣かもしれない。経験のある候補者は、おそらく今以上に成長することはない。よって、あなたがパフォーマンスの改善を期待しているのなら、経験者ではない方がいいのだ。

当時、私たちは求める人材を引きつけるために、いつもとは異なる採用アプローチをした。お決まりの方法で求人広告を出すのではなく、それ専門のセールスライターを雇ったのだ。そして、広告には給与や利益に焦点を当てるのではなく、プロジェクトへの挑戦を強調してもらった。難しい仕事への挑戦はやる気につながるからだ。私ならそうだと思う。

ベンチャー企業に卓越性を求めるときに、あなたがまずすべきことは、少しでも時間を割いて優秀な人材を雇えるように努力することだ。しかし、それだけではない。例えば、すばらしい商品のアイディア、マーケティングスキル、商品開発システム、経営管理が必要になる。

これらのことをあなたのビジネスに活用するには、専門家を雇って人材を育成しなくてはならない。すでにあなたが知っている人や信頼できる人を探し、日当を払って従業員に1対1で集中してトレーニングをしてもらおう。

そして、経験は浅いが優秀な従業員が、専門家の秘訣や技術を含め最良の方法を身につけたか確認しよう。

次に、業界の重要なベンダーとコンサルタントを彼らに紹介し、問題が発生したときに電話をかけられるようにする。そして、人脈を持つことの重要性について説明する。彼らが尻込みしているようなら、個人的に紹介してあげよう。

いい人材を採用することができたら、一生懸命働くようにプレッシャーをかける必要はない。優秀な従業員は、自分で自分にプレッシャーをかけるからだ。指導さえしっかりすれば、彼らが間違った道を進むことはない。

若い従業員が困っていることなど、何でも質問できる週1回の会議を開くのもいいかもしれない。経験の浅い彼らが質問をしても恥ずかしい思いをしないような良い雰囲気が作れていれば、アドバイスが足りていないのではないかと心配する必要もない。

最後に、ビジネスの主なアイディアに卓越性を持たせることを考えよう。そうすれば、あなたの仕事振りは同僚やベンダー、顧客の期待を超えることになるだろう。

マーク・M・フォード

                                                Presented by インベストメントカレッジ

関連記事