人生はあっという間だということを忘れず、一瞬を大切に生きる
私がするアドバイスに、「毎日少しの時間、腰を落ち着けてさまざまなことに思いを巡らせる」ということがある。これは、ぜひやってみてほしい。
あるクリスマスが終わった頃に、RSから次のような手紙をもらった。彼はかつての私のセールスライティングの生徒で、私の長年の読者でもある。
「この1年半、あなたは私にたくさんの考えるきっかけを与えてくださいました。あなたの話の中でも特に印象に残っているのは、人生の優先順位を決めて、それに毎年順番に取り掛かっていくという話でした」
「その話について、私が考えたことをあなたに伝えたく筆を執りました」
「覚えていらっしゃるかは分かりませんが、私はあなたに教わったセールスライティングのテクニックを生かして、一番年上の兄がやっている株式投資に関するニュースレターの手伝いをしてきました。少し前に、兄のパートナーが大学学長に就任し退職したため、兄はそのニュースレターを完全に1人で引き継ぐことになったのです」
「12月17日に私は兄と話し合い、新年のマーケティング戦略を立てました。私は新しいウェブサイトに載せるコピーを書き、2人で売上を折半する取り決めもしましたし、兄は信じられないほど順調に優良銘柄を15種選びました。もちろん、彼は株式市場の専門家でしたし、20年間その仕事に携わってきました」
「兄と会ったその日、彼は体調があまり良くなく、医者から抗生剤を処方されていると話していました。そして、その3日間後には入院し、翌日には脳に腫瘍が見つかり切除するための緊急手術を受けたのです」
「術後、兄は目を覚まさず、クリスマスイブには脳に大きな出血があったと医者から告げられ、彼の回復はもはや絶望的となりました」
「クリスマスの日に家族が集まり、兄のそう遠くはない旅立ちを思い、泣きながらみんなでワインを酌み交わしました」
「兄の経歴は非常に輝かしいものです。政治に深く携わり、アメリカ大統領や上院議員のために働いたこともありました。また、10年以上にわたりロサンゼルス市の審議官を務め、政府が合衆国建国の父たちの精神に立ち返るように呼びかける組織の代表も務めていました。ベトナム戦争では小隊軍曹として激しい戦いを経験し、本も執筆しています。特に株式市場について研究し、それについて書くことが好きでした」
「でも、何よりも強調したいのは、兄は2人の息子を持つ愛情深い父親であり、献身的な夫だったということです。私は彼ほど正直で、謙虚で親切な人を他に知りません」
「どうかまた、人生の優先順位を決めて毎年順番に取り組んでいくという話を、読者の皆さんにしてあげてください」
「兄は昨日旅立ちました。享年54歳でした」
RSのお兄さんのように、私の母も若くして亡くなった。彼女は亡くなる少し前に、間もなく母親を失う8人の子どもたちを慰めるために手紙を書いた。彼女の病気(ALS)による避けられない死についての説明と、人生へのアドバイスだ。
私たち1人ずつに、シンプルだけれども一生寄り添ってくれる、完璧で貴重な1文を綴ってくれた。母が私にくれた言葉は、「一瞬一瞬を大切に過ごすようにして、人生を満喫しなさい」という、シンプルでまさに私にぴったりのものだった。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ