富とお金 2019/04/05

不動産投資レッスン:地元のリミテッドパートナーシップに投資する




ファイナンシャルプランナーに「副業で不動産投資を始めたい」と相談すると、不動産投資信託(REIT、リート)か、リミテッドパートナーシップ(有限責任組合)のどちらかを勧められるだろう。

不動産投資信託は株に投資するのと同じだ。それらをコントロールするのは不可能だし、投資先のビジネスに関与する機会もほとんどない。企業の公開情報だけを基にそのビジネスや将来性を判断しなければならないことが多いので、「不動産投資信託に投資すること=非常に限られた情報への賭け」になる。株式ポートフォリオの一部としては適しているかもしれないが(バランスを保つ目的のため)、私はその類の投資は信用していない。

リミテッドパートナーシップは、定義上はパッシブ運用(ベンチマークと等しい収益率を目指す運用)である。一般の個人投資家は、通常リミテッドパートナー(有限責任組合員)となるため、以下のようなことがある。

(a)リスクは、出資した金額の範囲内に限定される(それ以上の責任を負うことは決してない)。
(b)利益配分率は、ゼネラルパートナー(無限責任組合員)に比べて、リミテッドパートナーの方が低くなる可能性がある。

リミテッドパートナーシップは非常に複雑で、さまざまなリスクを伴う。さらに、投資家から金をゆすり取るような非良心的な人々が関わっていることも多い。そんなわけで、私はリミテッドパートナーシップをあまり好まない。例えば、あなたがデベロッパーに支払いをする際、彼らがお金を騙し取る方法は山ほどあるのだ。例を挙げてみよう。

*ゼネラルパートナーはあなたと出資している不動産を担当する電気工事士に、自分の自宅や別のプロジェクトの工事も依頼することができる。つまり、あなたはその工事代金をすべて支払っていながら、共同出資する不動産からの利益しか得ていないのだ。このようなことは暗黙のうちにおこなわれ、あなたはそれを知るすべもない。もし知ることができたとしても、それを証明する方法はないだろう。

*実現しない事業に投資させられてしまう。ゼネラルパートナーがあなたの初期投資を受け取った後に、そのお金をやたらと高額な下請業者への支払いに使い込んだり、破産宣告を受けたり、仕事を残したまま姿を消してしまうことがある。

*弁護士、銀行家や不動産ブローカーに騙され被害に遭うこともある。

リミテッドパートナーシップはこのように複雑で厄介なビジネス形態なのだ。そして、ほとんどのゼネラルパートナーは、何らかの策略をめぐらせているといっていい。それでも、良いマーケットで誠実なパートナーと仕事をすれば、非常にいい副業になり得るだろう。

私が投資したコロラド州スノーマスの高級住宅は、18ヶ月後にはその価値が2倍になった。他にも、私が相当な額を投資したフロリダ州にある物件の4年間の収益率は15%(当初の期待収益率は25%)で、ゼネラルパートナーはその結果に対して謝罪したが、私にとっては満足できる数字だった。

リミテッドパートナーシップに投資する際の最も重要なルールは、自分のパートナーをよく知り、信頼することである。公平な待遇を確信できない場合はまったく関わらないか、損害が出ても差し支えのない金額のみ投資することだ。

次に重要なルールは、積極的にビジネスに関わる時間を取ることだ。あなたがするべきことは、契約内容を入念に見直す、他の物件と比較する、外部の専門家に相談する、他のリミテッドパートナーと知り合いになる、ゼネラルパートナーと定期的に面談をする、建築計画を確認する、実際にその不動産を見に行くなどがある。あなたがとても積極的なリミテッドパートナーであることを最初から明確にしておくのだ。もし彼らが善良な人々なら、あなたがビジネスに関わることを認めてくれるだろう。ただし、あなたが干渉しすぎることのないように、適度な制限は定めるだろうが。

上記を実行することに加えて、その契約が公平であることを確認する必要がある。「公平な契約」とは、以下のようなことである。

(1)その組織のリミテッドパートナーは、ゼネラルパートナーより先に分配金を獲得する
(2)投資家が支払った多額の運用報酬を、ゼネラルパートナーが二重取りしない
(3)予想収益率が適切であり、その数値が契約書に記載されている
(4)必要に応じてゼネラルパートナーを訴訟提起できる権利を有している
(5)ゼネラルパートナーとリミテッドパートナーから集められた資金は、すべて銀行に預け入れ、その契約が終了するまでそこに保管する

だが最も考慮すべきはやはり信頼である。損失を抱える余裕が精神的にも経済的にもないのであれば、あなたがよく知らない相手とのリミテッドパートナーシップ(あるいはその類の組織)には決して投資してはいけない。

最後に、教訓的な話を紹介しておこう。「財力がある男と知識がある男が、2人でビジネスを始めた。その事業が終わったとき、財力があった男は資産を失うという経験を手に入れた。一方、知識があった男は資産も手に入れたのだ」

マーク・M・フォード

                Presented by インベストメントカレッジ

関連記事