不動産投資レッスン:フィクサーアッパーを売買する
環境の悪い地域でフィクサーアッパー(要修理物件)を購入し、売却することは可能だ。けれど、そのような物件にはなるべく手を出さないほうが無難である。十分な投資費用を確保していれば環境の良い地域に物件を買うことができるし、その経済力がある人はそうした方がいい。
そう悪くない地域に物件を購入する
フィクサーアッパー物件はグレードアップすればするほど、あなたが得られる利益は増えるだろう。しかし、不動産の価格設定は絶対値ではなく、地域ごとの相場価格で決まる。
つまり、平均価格からプラス15%が最高価格、マイナス15%が最低価格ということになる。例えば、平均住宅価格が900万円の地域では、おおよそ750~1050万円という価格帯になる。また、600万円の地域では500~700万円、4000万円の地域では3400~4600万円となるだろう。
経験則:フィクサーアッパーのリフォームにお金をかけた分だけ、利益が増える。よって、まずは必要な箇所から修繕を始めて、できる限り高額な物件に変えることだ。
これが事実だと証明するために、私の義兄の経験談を話そう。住宅を修繕して転売するビジネスを立ち上げて以来、彼は環境の「悪い」地域の不動産に投資をし、その利益でかなりいい暮らしをしてきた。平均して1年間に3~4軒の物件を売買し、1軒につき200万円の利益を得ている。あるときには1700万円の住宅を修繕し、そこに引っ越して住んでいた。それから1年後に2750万円で買うというオファーを受け、彼は喜んでその家を売却したのだ。
非常に環境の良い地域で物件を購入する
私は、この種のビジネスをしている住宅建築業者を数多く知っている。彼らの大多数は椅子取りゲームのごとく、「家取りゲーム」をしているのだ。まず彼らは、高級住宅地で比較的安価な住宅を買い上げる(例えば、平均相場7000万円の地域にある5500万円の家屋など)。そして一定期間そこに移り住み、自分たちのネットワークを使ってリフォームする。居住期間は通常半年~1年くらいだ。そのような高級住宅に住む金銭的余裕が彼らにあるわけではないが、売却すれば費用はすべて相殺されるし、彼らにはそのための明確な計画があるのだ。
すべての修繕が終わると、すぐに買い手が現れる。すると物件の所有者たちは、「仕方なく」自分たちの家を売る。そして、1500万円分の利益を得るのだ。そして、その利益で次は平均価格が9500万円の高級住宅地で7500万円の物件を新しく購入する。
20年近く前の話だが、この「家取りゲーム」をしている男性が私の近所に引っ越してきた。私が想像するに、その人物は2億7千万円でも簡単に売れそうな家を1億7千万円で購入していた。そして、彼がすぐに家を売りに出したことを、周囲の人は知らなかった。なぜそのことを知っているかというと、その物件情報を非公開に販売していた2人の不動産ブローカーと私は知り合いだからだ。ちなみにこの男性だが、その10年前には650万円の低層集合住宅に住んでいたそうだ……
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ