テレビなしの生活を勧める理由
私の家にはテレビがない。そして、あなたもテレビを家に置くべきではない。
今回は、なぜテレビがあなたにとって害となるのかを説明しよう。私が言うことは大げさに聞こえるかもしれないが、とりあえず耳を傾けて欲しい。良いことは時に聞き入れにくいものだ。
テレビは昔よりずっと良くなった。実際、最近のテレビ番組にはとても素晴らしいものがあってびっくりする。ナショナルジオグラフィックチャンネルのようなタイプの番組だけではなくて、シリーズもののホームコメディやドラマなどもよくできている。どうやったら、毎週毎週こんなにたくさんの良質な番組を創り出すことができるのだろうと感心してしまう。
高品質でエンターテイメント性が高く、とてもリラックスできるテレビ番組は、何時間でも簡単に見続けられてしまう。よく働いた長い一日の終わりに、数時間ゆっくりするご褒美時間があってもいいだろうと、自分を甘やかすこともできる。まあ、いいじゃないか。誰にだって生活の中にそのくらいのご褒美は必要だろう?
もちろん、ダイエットを頑張ったご褒美にチョコレートを食べたり、長い間アルコールを断っていたのだからと少しだけ手を出したりと、同じような理屈をこねることもできる。
しかし、テレビなしの生活を勧める理由は、テレビがあなたにとって有害だからだ。番組の内容が素晴らしかったとしても、それを見ることが有害なのだ。つまり、貴重な時間を無駄にし、エネルギーを消耗してしまう、受け身で非生産的な活動なのである。
確かに私の意見は少数派である。誰でもテレビが好きだし、リラックスできると思っている。疲れた一日の終わりに、テレビの前に座り込んでだらだらとするのは心地よいものだ。でも、それはあなたにとって本当に良いことなのだろうか?
リラックスしながら、力やエネルギーや創造力を蓄える方法がある。例えば、ヨガだ。瞑想もいいだろう。私はただ海の中へ入って水平線を眺めているだけで、心のバッテリーをチャージすることができる。緊張感と心地よい疲れを感じながら歩くと、エネルギッシュで生き生きとした気持ちが生まれてくるのだ。
しかし、テレビではそうはならない。数時間も電波の光を放つ番組を見つめていれば、さらに疲れてエネルギーを失い、抑うつ状態になって元気もなくなるだろう。
私の意見に賛成できないという人は、きっと大笑いするようなホームコメディやとても興味深いドキュメンタリーを見た経験があるからだろう。
テレビを見て笑ったり泣いたりすることは確かにあるだろうし、ためになるような番組もある。でも、テレビの問題は、あなたが笑ったり泣いたり、何かを学んだりしているときさえも、エネルギーを消耗し、頭の回転を鈍くし、あなたが本来持っている能力を駄目にしてしまうことだ。どんな番組でもテレビを見た後は鈍くなり、エネルギーもなくなり、鋭敏さを失ってしまう。つまり、気力を失い、気分も沈み、身体さえも弱ってしまうのだ。身体が凝り固まって、もっと疲れてしまう。
確かに、誰でもリラックスする時間は必要だ。でも、テレビを見るよりも、ヨガや瞑想、または散歩をする方が、はるかに効果があるだろう。
テレビ以外の活動が楽しめるかどうかという点については、あなたの好みもあるだろう。しかし、私はテレビで得られる感情や思考は、そのほかの活動で得られるものよりも、はるかに質が悪いと思っている(例えば、美術館めぐりやスポーツイベント、観劇などの方がよっぽど良い)。
テレビとは中華料理みたいなものだ。こってりして美味しいものはペロリと食べてしまい、すぐになくなってしまう。つまり、どのくらいの影響を受けたのかが測定できないという点で有害なのだ。あなたはあくまでも受動的であり、いつも受け身になることを教え込まれてしまう。わずかな精神的抑うつ、エネルギーの喪失、創造への欲求の低下にもきっと気付かないだろう。でも確実にあなたはその害を被っているのだ。
それが悪の根源なのだ。テレビは常習的にあらゆる感覚を鈍らせて何をするにも中途半端になってしまう。それでは物事を存分に楽しむことはできないだろう。受け身であることは進歩の敵であり、成功を阻むものだ。あなたは行きたい場所へ、そして叶えたい夢に向かって、身も心も前に進めなければならない。
多くのアメリカ人はテレビの前にいる時間が長すぎる。大人がテレビを見て過ごす1日の平均時間は4時間ほどじゃないかと思う(もっと長いかもしれない)。考えてみてほしい。年間1日4時間を合計すると、なんと60日にもなるのだ!丸々2カ月である。
いったいあなたはどのくらいの時間をテレビに費やしているだろうか?
テレビを見る時間は最大でも1日1時間にしておこう。やってみるととても気分が良くなるはずだ。そして、テレビを見ないで節約した時間の半分を生産的な活動をすることに費やしてみてほしい。
知人のKFFが実践している方法はこれだ。彼女は友達に好きなテレビ番組を録画してもらい、トレーニングマシーンに乗りながらそれを見る。トレーニングマシーンは1時間以上は続けられないので、おのずとテレビを見る時間も限られるというわけだ。
さあ、あなたもやってみよう。今日からケーブルやアンテナを取り外してしまおう。テレビセットはビデオ鑑賞用として使い、ビデオを観るときは少なくとも映画に行くときと同じくらい注意を払って鑑賞する。
これを1カ月試して、感情の変化を体感してほしい。もし試してみて良かったとしたら、あなたのテレビに対する意見がどう変わったをぜひ教えてもらいたい。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ