富とお金 2019/08/28

しっかり準備を整え安心してリタイア生活に入る方法+それに向けて今から行動しなければいけない理由




私たちは初めて仕事に就くとき、お金はないが熱意を持っている。朝早く出勤したり、長時間働いたり、裕福になるために大きな犠牲を払うものだ。そして、「銀行に1000万円あれば安泰なのに。住宅ローンを完済し、自宅の抵当権を抹消できればプレッシャーもなくなるだろう」と、自分に言い聞かせる。

私たちはそのような目標を立てながら幸せな未来を夢見て、毎日身を粉にして働くのだ。

そしてある日、私たちは住宅ローンを完済し、銀行の貯金残高も1000万円になっていることに気が付く。とはいえ、働くのをやめるわけではないし、やめようとも思わない。なぜなら、今の自分たちのライフスタイルを楽しもうと思ったら、1000万円では1年しか持たないことを知っているからだ。

私たちは働き続け、貯金をどんどん増やしていく。そして、残高は1億円以上になった。しかし、それでもなお働き続ける。その頃には年間の「バーンレート(現金燃焼率)」が2500万円以上になっているため、1億円では足りないからだ。

たとえ利回りが10%でも「必要な」生活費の半分にも満たないので、私たちは働き続ける。そしてある日、自分のポートフォリオ(株式や債券、投資信託、預貯金などの金融商品の組み合わせ)を見てみると、純資産は10億円以上になっている。

「これだけあればリタイア生活に入れるだろう」と考えるものの、通帳を見ると今のバーンレートが年間3500万円であることに気が付く。それに、稼いだ金額の半分は税金で持っていかれる。となると、良い生活を長く続けていくためには10億円でも足りない。

そして、また働き続ける。リタイアする夢は先延ばしにして、自分自身にこう言い聞かせる。「あと数年の辛抱だ。そうすればのんびりできる」と。

ただ、もしその日を迎えられなかったら?あなたが仕事中毒になってしまったら?若くして死んでしまったら、一体どうしたらいいのか?

しかし、そんな最悪の事態を避ける簡単な方法がある。


仕事中毒にならない秘訣は、バランスの取れた生活を送ることだ。
それは、「人生の4つの側面」に興味を持ち、自分の人生を楽しむための目標を設定することを意味する。

その「4つの側面」とは、次のとおりだ。

1.富(あなたのビジネスと投資)
2.健康(精神、身体面共に)
3.知恵(教養を深める)
4.社会的交流(人付き合い、友人や家族)

リタイアできない人、もしくは幸せなリタイアができない人たちは、仕事に没頭し過ぎるあまり、バランスの悪い生活を送っていることが多い。社会生活を完全におろそかにして、最終的に友人や家族への愛情や親交を失う人もいる。また、教養を深めることを軽視し、金もうけだけが生きがいになったり、不摂生で病気になり(または亡くなってしまい)夢を諦める人もいる。

今日は、富を構築する際に陥りがちな問題に焦点を当てることにしよう。金もうけだけに没頭してしまうのを避けるにはどうしたらいいかという話だ。

私は以前とても裕福なメンターに、なぜそんなに一生懸命働き続けるのかと尋ねたことがある。その当時、彼は莫大な財産を所有していた。彼はしばらくの間考えて、「何と答えていいか分からない」と言った後、「仕事をしていないと退屈だし、より多くの金を稼ぐことが好きなのだ。それが成功をし続ける方法だから」と言った。そんな金もうけに没頭していた彼だが、幸いその後はバランスの取れた生活を送るようになっている。

さて、まずは「金もうけは病みつきになる」という命題を受け入れることから始めよう。


これには長時間働くのが苦にならないという長所がある一方で、やめたいと思ったときにやめられないという難点がある。

多くの人は収入が増えると、それに合わせてライフスタイルにかける支出も増やしてしまう。そのため、その後も収入額を増やし続けざるを得なくなる。これが問題を複雑にしているのだ。たとえ彼らが「リタイアしたい。やっと仕事中毒の状態から抜け出せる」と感じても、生活費が膨れ上がり、身動きが取れない状態になってしまう。

5000万円以内で生活することができない、成功したビジネスマンを私は何十人も知っている。あなたには共感できない問題だろうが、彼らにとっては問題だ。そして、あなたが私のアドバイスに従っていつか大成功を収めれば、あなたも同じ問題を抱えるだろう。

そうならないために、以下のことを実行するといい。


あなたがどのくらい富を築きたいか、できるだけ具体的に決めるのだ。
例えば、目標は純資産額が5億円、そのうちの4億円を投資に回し、そこから利益を得ることだとしよう。平均5%の税引き後利益で、投資分の4億円は年間2000万円のキャッシュフローを生むので、「生活費は2000万円以内に抑える」というルールを作らなければならない。

生活費がかさまないようにするには、快適な生活に必要な支出レベルをあらかじめ決めておく必要がある。そして、決してそれを超えないことだ。これ以上の額を今後数年間稼ぎ続けるとしても、である。

同じ例を使って考えてみよう。あなたの年収が2億円で手取りはその約半分だったとしよう。その場合も、ライフスタイルがどんどんぜいたくになっていかないように支出は2000万円にとどめ、残りは投資に回すのだ。

5億円の家に引っ越したり、1500万円のポルシェを買ったり、休暇旅行に800万円を使ってはいけない。2000万円以内で生活を楽しむ、それだけのことだ。

もしこのようなルールを作らず、消費がエスカレートしていくレールに一度乗ってしまったら、資産が目標額をはるかに上回っていたとしてもリタイアは難しくなるだろう。

では、繰り返しになるが幸せにリタイアするために、仕事中毒になったり、金もうけだけに熱中しない方法を再確認しよう。

ステップ1.目標の純資産額を設定する。そのために必要な収入額とビジネスの目標を立てる。

ステップ2.あなたが目標とする資産を築き上げたら、どう人生を楽しむかを明確にする。具体的には、年間予算はいくらか、幸せで価値のある人生を送るために何をしたいのかを明らかにする。

ステップ3.富を築こうとする人は、必要以上にぜいたくな生活を送らないように気を付ける。例えば、大きすぎる家を買ったり、それを着たからといってどうということはないデザイナーズ・ブランドの服は購入しない。安いツアーでも同じように楽しめるのにわざわざぜいたくな旅行をしたり、おいしくない高級ワインを買ったりもしないことだ。

以上のことにできるだけ今から気を付けておけば、後々苦労せずにすむだろう。

マーク・M・フォード

                                                Presented by インベストメントカレッジ

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