お金持ちがさらにお金持ちになる仕組み
今日はとてもすばらしい経歴を持つ私の知人、ラス・ホイットニーを紹介しよう。彼は高校を中退し、20歳でニューヨーク州北部にある食肉処理場で働き始めた。時給500円の豚の解体作業だ。
彼はいろいろな副業を試したが、どれもうまくいかなかった。ちょうどその頃不動産に関する1冊の本に出合い、その本に書いてあるテクニックを試してみたところ、最初の数週間で110万円を稼いだ。それは当時の彼の年収に相当する金額だった。
それから2年後、彼は経済的に独立し食肉処理場の仕事を辞められるようになった。そして、27歳になる頃には「一代で成功した国内最年少の億万長者」の1人として、全米で発行されている雑誌や新聞で取り上げられるまでになったのだ。
30年以上前に出会って以来、ラスと私はビジネス面でお互いに助け合っている。
ではここから、良い借金と悪い借金について書かれた彼のエッセー「お金持ちがさらにお金持ちになる仕組み」を読んでいただこう。
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「借金=悪いこと」と思われがちだが、それは誤った考えだ。私のセミナーに、「自分の借金は住宅ローンだけで、その他はすべて現金で支払っている」と自慢げに話す生徒たちがいる。
消費者金融やクレジットカード会社に負債がないのはいいことだが、前出の生徒たちのような考え方をしている人は、借金に対する考え方を変えない限り裕福にはなれない。借金を正しく活用することは、富を構築する上でとても有効な戦略となり得るのだ。
ご存知だろうが、お金持ちは常に他人のお金を使ってさらに金もうけをしている。私は不動産投資とビジネス経営で数億円の資産を築いてから40年以上たつが、ビジネスの取引で、必要以上に自分のお金を使ったことは一度もないし、あなたもそうするべきではない。
私は借金に関して、ある見方を持っている。不動産以外の減価償却資産(時の経過によってその価値が減っていくもの)を購入する際には、自分の手元にある現金で支払う。借金をして洋服や家具は買わないし、休暇旅行のためにクレジットカードも使わない。もし現金で支払いができないなら、現金で払えるようになるまで買わないのだ。あなたが富を構築する初期段階にいるのであれば、なおさらそうするべきである。
「借りたお金を資金にしてもうけられる場合のみ、お金を借りる」というのが私の本質的なルールだ。
借りたお金は、収益を生む資産に投資するといい。できれば、収入が支出を上回る「ポジティブキャッシュフロー」の状態になるもの、つまり毎月のローン返済と諸経費を差し引いてもお金が余る案件に投資するべきだ。例えば、賃貸不動産を購入するために住宅ローンを利用する場合、その物件の賃貸料は住宅ローンの返済と経費の合計額よりも高く設定しなければならない。
たとえ銀行やクレジットカード会社があなたにお金を貸そうとしても、その必要がなければ借りてはいけない。その代わり、融資枠を設定してもらえるかどうかを尋ねるといい。必要な場合に、即座に資金調達ができるようにするためだ。ただしすぐに活用できる機会がないのなら、決してお金は借りないことだ。
大手のクレジットカード会社がコマーシャルで、「クレジットカードでお金を借りて優良な不動産物件に投資しよう」と勧めないのには理由がある。答えは簡単だ。あなたが良い不動産に投資をして富を築き始めたら、欲しい物を買うのに十分な現金が手に入り、クレジットカードを使う必要がなくなってしまうからだ。
クレジットカードの問題点は、利息が高いことではない(クレジットカード会社は無担保でお金を貸している。ということは、他種のローンよりも貸し付けのリスクが高くなるため、利息はもっと高くてもいいくらいだ)。問題はそのプラスチック製のカードで買うモノだ。
利息の話で思い出したのだが、私にはビジネスを始めた頃に学んだ別の貴重な教訓がある。それは「利息は大した問題ではない」ということだ。
どういうことか説明しよう。私が若かった頃、経済的に独立して仕事を辞めてから間もなく、銀行でビジネスローンを申し込んだ。私が20歳のときからずっと取引をしていた銀行だったので断られたときには驚いたし、その理由にショックを受けた。彼らは、「私のビジネスが急成長しすぎているから、ペースを落とした方がいい」と言ったのだ。
そこで私は、私の不動産ビジネスは素晴らしい状態だと強調した。賃貸物件はすべて借り手がついていたし、有益な建物ばかりで支払いもすべて期日通りまでに済ませていた。それどころか私は、私と銀行の双方に、より多くの収益をもたらすためにビジネスを促進するべきだと考えていたほどだ。
私があまりにもねばったので最終的にローンは承認されたが、利息は非常に高かった。当時の金利は7~8%台で推移していたが、私のローン金利は16%だったのだ。その頃の私はあまりにも世間知らずだったので、交渉の余地があったことを知らなかった。しかしながら、金利の高さは重要ではなかったのだ。
ここがポイントだ。住宅ローン返済と経費を差し引いてもお金が余るなら、不動産に関しては利息の心配をすることはない。銀行が16%の金利を提示してきたときに計算をしてみたら、通常の利息の2倍を払ったとしても、初年度から100%のリターンが得られると分かった。
言い換えると、低金利に固執してしまうと金もうけのチャンスを逃すことにもなる。もちろん私もできるだけ低金利のローンを組もうとはするが、もし高いリターンが得られるのならば、高い利息であっても支払うことを惜しまない。
これが、裕福な人々が日常的にしていることであり、お金持ちになれない人の大多数が知らない仕組みなのだ。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ