富とお金 2019/05/10

お金に敬意を払う企業文化を育む




ご存知のとおり、私は考え得る限りのネガティブで、散漫で、嘆かわしい習慣のすべてを身につけたような人間だ。後々害になると分かってはいても、(一時的でも)気分が良くなるのならすぐに飛びつく。数ある悪習慣の中でも、金遣いの荒さは一番の問題だ。高級車を買うのはずいぶん前にやめたが、20個目になるゴールドメッキのオイルライターに4万円くらいならやすやすと払うだろう。

私のポケットに5000円の新札が20枚入っていたら、ビル・クリントンが大好物のビッグマックを食べ終えるよりも早く使い果たせる。

私生活で金遣いが荒いのは認めよう。しかし、ビジネスに関しては節約を心がけてきた。

節約は私の性分ではない。それはつまらないことだし、卑怯でいやらしい感じがするからだ。利益が減ったらもっと働いて稼げばいいと考え、支出を抑えようという発想はあまりなかった。支出を抑えるのは退屈で、けちくさく面白くないことだと思っていた。だが、それは2つの理由から間違いなのだ。

まず1つに、いつでも収入を増やせるわけではない。ビジネスを成長させるのが難しい時期がある。世界的な経済危機のときなどは特にそうだ。収入を増やせないなら支出を減らすしかない。そうしなければお金を使った分だけ、利益は消えていく。

そしてもう1つは、節約はけちとは違う。私も驚いたことに、お金を慎重に扱ったときは、自分が賢くて立派なことをしていると思えた。そのお金を生み出すために費やした時間と努力に対して敬意を払っていると感じたのだ。

楽して稼いだお金はすぐに消えていくが、あなたのほとんどの収入は必死に働いて勝ち得たもののはずだ。それを不要なものに、無計画に使うなんて単純に愚かだと思う。

成功しているビジネスマンに教えてもらったことがある。一緒に働いているメンバー全員が、お金に敬意を払い、節約を心がけ、支出にシビアになれば、メンバーの間には驚くべき仲間意識が生まれるという。共にコスト削減に取り組み、倹約を誇りに思うようになるのだ。

節約するといっても給料や福利厚生を減らすという意味ではない。私が言いたいのは以下のようなことだ。

*新しいコピー機を買うより古いものを直して使う。

*現在契約しているベンダーが他社より優位性がなければ乗り換える。

*裏紙を活用する。

こういう些細なことだ。

利益は並外れた努力によって捻出されるものだ。売上を増やし、支出を抑えることをつねに考えていないと、利益は必然的に縮小してしまう。売上の増加と支出の減少両方への意識を保つことで、すべての努力に見合う成果を得られるのだ。

ビジネスで稼いだお金には敬意を払い、使うときは慎重になろう。そして賢く再投資する。お金の価値を理解し、その価値観を一緒に働いているメンバー全員と共有する。なぜなら、彼らも利益を生み出す過程に何らかの形で関わっているからだ。

マーク・M・フォード

                Presented by インベストメントカレッジ

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