経済
2018/02/13
アメリカはどう動くのか?-後編-
今、私が関心を持っているのはアメリカの動きです。
トランプが朝鮮半島問題で課題としているのは核拡散の防止です。北朝鮮に対してアメリカ本土まで射程に納めるミサイルの開発中止と放棄を求め、かつ、テロリストの手に核爆弾と核技術が渡ることのないよう、厳重な管理下に置こうとするはずです。
その際、北朝鮮が自国の生存のため、現在保有している核弾頭についてはアメリカが容認する可能性があります。そして、北朝鮮がアメリカの要求に応じる見返りとして、在韓米軍の撤退に踏み切る可能性もあります。このシナリオは北朝鮮に加え、中国にとっても望ましいものです。
この場合、米中両国が承認する下で北朝鮮の主導で朝鮮半島統一(一国二制度)が進むのではないでしょうか。
現在、中国は北朝鮮の行動を抑制できずにいますが、在韓米軍撤退になれば、中国は朝鮮半島の南北双方に新しい形で影響力を行使することができます。冷戦時代と異なり、アメリカにとって米韓軍事同盟は絶対的なものではありません。
トランプは経営者としての感覚で政策を決定する大統領であり、韓国という不良資産には遅かれ早かれ見切りをつけるはずです。在韓米軍が撤退となった場合、アメリカはそれほどの時間を要しないはずです。
むしろ日本が警戒すべきことは韓国からの経済難民であり、欧州が直面する中東・アフリカ難民の問題を対岸の火事として見てはいけません。
2017年9月1日発行
藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』
第3章 朝鮮半島の統一はあり得るだろうか?ーP107