経済 2018/03/14

IS掃討では米露が協力-前編-




アメリカとロシアという2つの大国はISを壊滅させたいという点で国益が一致しています。トランプは大統領選の時からIS掃討のための地上軍派遣を主張しており、ロシアもチェチェン紛争の時からイスラム勢力と戦っています。


しかし、ロシアはイランおよびシリアのアサド政権とは良好な関係にあります。オバマはアサド政権の存在に批判的でしたが、トランプはアサド政権の存続はシリア国民が決めるべきだという姿勢を示しています。つまり、トランプ政権になってから、米露両国はシリア問題をめぐって協力できるようになったわけです。


現在、シリア領内ではアメリカ軍とロシア軍の間で連絡体制が構築されており、アメリカ軍が空爆の際にもロシア軍を攻撃しないようになっています。米露協力関係の下でIS掃討は進んでおり、私はシリア内戦がもうすぐ終わるはずだと思っています。地上におけるアメリカ軍のもっとも信頼できる同盟国がクルド兵です。


米露両国はお互いの協力がなければ、シリア情勢の安定はあり得ないと分かっているわけです。結果として、シリアではアサド政権は残存し、北シリアにはクルド人自治区が誕生することになります。そして、リーダー不在のスンニ派の地域という3つの地域に分かれることになるでしょう。




2017年9月1日発行
藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧
第4章 世界の大変貌 中国、EU、ロシア、そして極東ーP136




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