習慣 2018/08/12

広告における画像と写真の効果


From:ダン・ケネディ

スマートフォンで写真を撮って白黒やセピアなどのレトロな雰囲気に編集し、他人とシェアする一風変わったウェブサイトInstagram(インスタグラム)が、5年前にFacebookによって10億ドル(1000億円)で買収されました。

このサイトは収入モデルすら確立していなかったので、当時の投資家はFacebookにこれ以上投資することを戸惑ったでしょうね。しかし、おそらくFacebookには私が持ち合わせていない先見の明があるのでしょう。

かつてアート・リンクレターは、ウォルトからディズニーランドでの写真ビジネス独占権をオファーされていました。当時のウォルトは資金調達に奔走していたのですが、アートはその提案を一蹴してしまいましたね。そして、Kodak(コダック)はその後10億ドル(1000億円)を稼ぐようになりました。もちろん、今日ではPolaroid(ポラロイド)やKodakは衰退し過去の企業となってしまいましたけどね。

スーパー・カンファレンスでは私も参加者と何百枚も写真を撮りましたよ。しかし、その写真が恥ずべき写真になる可能性があるのですよ。

ファーストレディーのロザリン・カーターがジョン・ウェイン・ゲイシーと握手している写真があります。ジョンは後に悪名高い殺人鬼であることが明らかになりましたね。グーグルで検索すれば出てきますよ。彼はこの写真を撮る以前にも同性愛に関わる重い有罪判決を受けているので、ホワイトハウスの安全検査をパスできるはずはなかったのですがね。

サダム・フセインが1980年にミシガン州デトロイトのセレモニーで「市の名誉賞」を受け取っている写真もありますよ。

一緒に写真を撮る相手が殺人鬼や大量殺人者、もしくはそれより悪い人だと後から判明するなんて、あなたには知りようがありませんよね。

ここで当たり前の警告をしておきましょう。1.さもエンドースメント契約をしているかのような写真は利用してはいけません。2.恥ずべき重罪を犯している人との写真は絶対に使用禁止です。しかし、軽犯罪は良しとしましょうかね。

写真の管理に関して法的拘束力はありませんからね。一度Facebookにアップされたら、ずっとそこに残るのですよ。スーパー・カンファレンスで私と撮った写真を人々が自慢げにソーシャルメディアで披露していると聞きましたよ。おそらくInstagramにもアップされていることでしょう。それは嬉しいことで感謝していますが、一方で危険をはらんでいるとも感じますね。

でもこれは、私が築き上げてきたビジネスの一端なのですよ。

間抜けな顔の写真が後世に引き継がれ広く流布される危険もあります。私の飼い犬ミリオンダラーはイースターの時にひどい姿の写真を撮られてしまいましたよ。私が側にいなかったので守ってあげることができなかったのです。

私はもう40年近く写真を撮られていますが、不機嫌な顔をして一緒にポーズを取っている相手から今すぐ離れたがっているような写真が何枚もあるはずですよ。女性の胸の谷間に目がいっていたり、目をつぶっていたり、唇に唾がついていたり、襟足がバラバラだったり、変な帽子をかぶっていたり、派手な服を着ているものもありますね。

でもマイケル・フェルプスのような物議を醸す写真はありませんよ。私は大麻を吸わないし、そういう類のものには手をつけていませんからね。

残念ながら性的動画の流出もありません。

ビデオに録画したホームムービーもあまりなくて、子供の頃の写真も少ない上に気に入らないものは封印してあります。最初の結婚式の写真が数枚、あとは講演の仕事を始めた頃の写真がいくらかあるだけです。その頃は巨大な頭(昔はパーマをかけていました)で口髭を生やし、太っていましたね。

有名人と撮った写真もありますよ。一緒に写真を撮っても問題ない人たちばかりですが、何人かについてはそうであると願うばかりです。

ロナルド・レーガンと一緒に写った写真もありますよ。融通の利かないカメラマンが対談中のスナップ写真を拒み私たちにポーズを取らせたのですが、レーガンは蝋人形みたいになってしまいましたね。蝋人形のマドンナと撮った写真の方がよっぽどリアルに見えたくらいです。

ジーン・シモンズとステージで一緒に撮った写真もありますが、KISS(キッス)の衣装とメイクをしていればもっと良かったですね。私が彼らの前座を務めたように見えたかもしれませんよ。

私のオフィスの壁はカーレースで勝利した時の写真で埋め尽くされています。昔は律儀に毎週写真を更新していましたからね。今では忙しくて20枚以上の写真が溜まり、額縁が空いたままになっています。おそらく何かのやり方が間違っていて、私はこんなに忙しいのでしょうね。

ちなみに、レースの勝利写真は仕事のモチベーションを保つために重要でした。その頃は私が所有する競走馬たちの維持費のためだけに働いていましたからね。

ほとんどの人は自分の人生に関する膨大な写真コレクションを持っていますよね。両親や子供、孫、ペット、家、車などの写真をスクラップブックに納めて家族や友達と見たり、ほかの人に見せたりします。いや、今では写真をソーシャルメディアに投稿するのが主流なのでしょう。

しかし、私はそうではありませんでした。私がほかの人と違うだけですけどね。

人々は写真を見て感傷に浸ることもよくありますね。写真が自分のものではなくてもですよ。アメリカ史の象徴的な写真などが代表的です。

第2次世界大戦後に撮られた有名な「勝利のキス」や、ジョン・F・ケネディとジャクリーンのツーショット写真などがそうです。写真のイメージが広告で効果的なのはこのためですよ。セールスライターのコピーと同じように人々の記憶に残るのです。写真には、人々の感情を即座に呼び起こす力があることを覚えておかなくてはいけませんよ。これはコピーにはできないことです。

私は気に入った写真をなかなか見つけられず、当初は自分の写真をマーケティングに使うことを拒んでいました。だから、本やカセットのアルバムカバーなどには写真を使っていなかったのです。

今でもこういったことは苦手ですが、だいぶ前に克服しました(写真嫌いは変わりませんけどね)。私は価値あるものはしっかり利用する、とても効率的な人間ですからね。そして、些細なことであっても、私にとって重要な自主性や独立性を確保するためならなおさらです。

しかし、写真が大きな利益を生むことが出来ると分かっていない人が多いですね。アリゾナの砂漠で白い雄牛に乗っているビジネススーツ姿の私の写真は、私やほかの人にとって100万ドル(1億円)の価値があるんですけどね。これは良い写真でしたし、少なくとも一番マシとも言えます。

この写真を撮るのに2500ドル(25万円)もかかりましたよ。その頃の私にとって2500ドルは小さな額ではなかったですけどね。そして、No B.S.ニュースレターに初めて掲載した写真は、草むらにあるホカホカの巨大な牛糞が写っているものでした。私はとても気に入っていましたが、妻のカーラが嫌がったので掲載期間は短かったですね。

私とカーラが写っている写真も何枚かありますが、父がオフィスで写っているものが特に気に入っています。両親のほかの写真ももっと欲しかったのですが、随分昔に兄が賃料を払わずに物置小屋を放棄してしまったので写真は無くなってしまいましたね。あと、娘のジェニファーが作ったディズニーへの家族旅行アルバムも私のお気に入りですよ。

そういえば私には探している写真があって、見つけてくれた人には懸賞金として現金5000ドル(50万円)か、半日のコンサルティングサービスを提供するつもりですよ。しかし、オリジナルの写真に限りますけどね。現代の社会悪とも呼べるフォトショップ(画像編集・加工)のリスクを無くしたいのです。その写真とは、私が所有するロールス・ロイスのオープンカーにディーン・マーティンが乗っているか、そばに写っているものです。

車の登録証明書や彼に発行された元々のオーナーズカード、書類は残っているのですが、写真だけが見つからないのです。あちこちで探してもらっていますが、あなたがもし見つけたら教えてくださいね。

カメラマンという職業はコミックのスーパーヒーローにも登場しますよね。私はファンで真剣に読んでいるんですよ。

スーパーマンのクラーク・ケントの友人で、同僚でもある若いジミー・オルセンはデイリー・プラネット社のニュースカメラマンで、しばしばリポーターのロイス・レーンと行動を共にしていますよ。

スパイダーマンのピーター・パーカーもニュースカメラマンですし、とにかく、写真は生活や文化、歴史、そして広告において大きな役割を果たしているわけです。

ほとんどのカタログも写真に頼っていますよ。ジョン・ピーターマンは別ですけどね。製品パッケージも写真が重要になります。ダイエット商品を売る際に、減量中でも食べて良い食材の写真を掲載しておかないと売るのに苦労するはずですよ。

政治家のコンサルタントや側近は必死に「シャッターチャンス」を狙っていますよ。レーガンのスタッフだったマイケル・ディーバーはその点では天才的でしたね。そして、問題写真が明るみになると候補者にとっては致命傷になります。戦車に乗ったデュカキス、ウィンドサーフィンをするケリー、狩猟をするふりをするケリー、ドナ・ライスが「モンキービジネス」という名のヨットでゲイリー・ハートの膝に座っている写真などがいい例ですね。北ベトナムで戦車に乗って反戦を訴えたジェーン・フォンダの写真の影響力は大きく、彼女は「ハノイ・ジェーン」と呼ばれるようになりました。この写真は多くの国民にとって忘れがたく、許しがたいものになりましたよね。

私は情報を含め多くのことを映像で記憶しています。そのせいか人の名前や年齢、日付を覚えるのは苦手ですけどね。人の外見の変化にもなかなか気づかないですよ。

会話やジョーク、話題など耳から入る情報も映像のように記憶できるのでとても便利ですよ。長い会話やストーリーも覚えていて一言一句思い出して書き留めることができます。ほかの人になりきって書くこともできるんですよ。フラン・ターケントン、ジョーン・リバーズ、ジェニファー・ラブ・ヒューイット、フローレンス・アンダーソンといったセレブリティーへのセールスライティングやゴーストライティングにも活用できましたね。

私の飼い犬はイースターの写真で、ピンクのバニーの耳をつけムスっとした顔で写っています。プレイボーイ誌のその月のプレイメイトに選ばれたと思って困惑しているのでしょうかね。もしくは、カメラを向けられた私みたいに愛想笑いをしながら耐えているのかもしれませんね。


-ダン・ケネディ


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