ビジネスの原石を見つけましょう
From:ダン・ケネディ
今日は、あなたに覚えておいてほしい、とても大切な考え方についてお話します。
マーケッター思考になっていますか?
これから、3つのアイディアを紹介しましょう。
(1)脚色・アレンジ
昔は、トレーディング・カードといえば野球のものしかありませんでした。そこで、ある人は思いました。なぜフットボールのカードはないのだろう?バスケットボールは? サッカーは?ワールドレスリングのカードがあってもいいんじゃないだろうか?
また別の人はこう思いました。女性のヌードのカードがあってもいいな。有名な犯罪者の顔なんかがあってもいいかもしれない、と。 かつて、車から降りずに対応できるドライブスルーの窓口を設けていたのは、銀行だけでした。
その後、レストランやドライクリーニング店が、これに続きました。国営のスポーツ賭博の窓口や、酒屋、さらにはウェディング・チャペルで取り入れるところも出てきました。だったら、税金の払い戻しができるドライブスルーができてもよさそうです。懺悔できるドライブスルーはどうでしょうか?
その昔、月額制で販売しているものといえば書籍だけでした。今では、果物、チーズ、ワイン、ステーキ、低炭水化物食品のサンプル、レコード、CD、化粧品、下着などでも月額制販売があります。であれば、地元レストランによる、その月ごとのテーマを設定した夕食のプロモーションなどがあってもよさそうです。
(2)リサイクル
一般参加者が審査員の前で芸を披露し、勝ち抜いていく、視聴者参加型のテレビ番組の先駆けといえば「ザ・ゴング・ショー」ですが、今はアイドルオーディション番組「アメリカン・アイドル」が人気です。
「ダイナミックテンション」というフィットネスプログラムを考案したことで有名なチャールズ・アトラスの後、フィットネスの父といわれるジャック・ラレーンが登場しました。90年代になると、フィットネスといえば、ボディ・バイ・ジェイクになります。
ステーションワゴンに変わり、今ではミニ・バンが登場しています。
(3)異なる目的を持つ市場
キリストの受難を描いた映画『パッション』が1位を、地獄から来た少年という名のアメコミヒーロー映画『ヘルボーイ』が2位を記録したイースターの週末がありました。フェニックスのキャメルバック通りには、歩いていける距離に超高級ホテルのリッツカールトンと、中流クラスのコートヤード・マリオットホテルがあります。プロボクサーのジョージ・フォアマンは、低カロリーに焼けるヘルシーなグリルマシーンと一緒に、太った人がはく伸びるパンツを売っていました。
マーケティング思考を身につけましょう
あなたはこの3つのアイディアから、どんな結論を導き出しますか?世界はマーケティング思考が身に付いた人々によって回っています。あなたが訓練を重ね、マーケッターや起業家のマーケティング思考を身につければ身につけるほど、物事は好転します。
3つのアイディアで紹介した事柄はすべて、私と同じ思考から端を発して生まれたものです。
「どうやったらこれを、お金を生むチャンスに変えられるのか?」
私は今では、すばらしい選択眼を持った磨きあげられた直感により、たとえ厭々であったとしても、新しいものを取り入れます。この直感は突発的なものや遺伝によるものではなく、熟考した結果なのです。
原石を探し出す発想力
あなたのビジネスがどんな分野であれ、これから発掘されるのを待っている産業が、きっとあります。あなたの足元には、まだ掘り起こされていないダイヤモンドが、数多く眠っているのです。
昔、近所で大きな牧羊犬を飼っていた家に、少年がいました。その犬は、首から携帯用の酒の瓶のようなものを下げ、人々が雪崩に巻き込まれたら助けるのです。その少年は、夏はワゴン、冬はソリをその犬に引っ張らせて、一人10セント、もしくは漫画一冊と引き換えに、他の子供たちを乗せていました。その犬は、その子の命令でのしのしと動き、丘だろうが、わだち(車輪の跡)だろうが、岩場だろうが、車や乗客を引っ張るのです。少年は、だいたい5分で10セント稼いでいました。少年は、前例がないところから自分でビジネスを作りだしていたのです。もしこの子が、犬を売ったら…どうなるでしょうね。
ビジネスには、発想力が必要です。発想力が、マーケティング思考からアイディアを生み出すのです。
次回をお楽しみに。
−ダン・ケネディ