ちょっとした2つのレッスン



From:ダン・ケネディ

レッスン1:

私はAmway(アムウェイ)のビジネスで経験を積みました。そして16歳で、月2000ドル(20万円)から4000ドル(40万円)を生む、かなり大規模な小売業を営みました。全て「ゼロから獲得した」顧客でした。けれど私はすぐに気付きましたよ。顧客を多く獲得するよりも、一人一人の幅を広げる方が効果的だということにね。

Amwayは、約150のホームケア商品とパーソナルケア商品を扱っていて、顧客は放っておいても平均的に2個から5個の商品を繰り返し購入していました。

調査したところ、他のディストリビューターの最大販売個数は5個かそれ未満で、それは私が売る最小個数と同じだったのです。私の顧客の平均販売個数は15個から25個でした。

なぜこうなったのでしょうか?

それは、私が顧客がまだ使ったことのない商品を宣伝し続けていたからです。無料のサンプルを配布し、デモンストレーションをし、買うための動機をどんどん与えていきました。彼らが購入した商品を送付する際に、その時購入しなかった商品の宣伝も添えました。

顧客に対してオファーを絶えずリマインドしていたのです。

長年かけて、全てのビジネスは同じだと気付きました。ビジネス顧客の多くは、会社や企業からのオファーを全て受けるのではなく、オファー内容の一部だけを利用します。また、実際はA社だけで用が足りるのに、そうとは知らず他社に振り分けていることもあります。そんなビジネス経営者は、顧客が商品を使用している理由や使用していない理由を全く探ろうとしません。購入しない商品について顧客と話をするのに必要なことなんですけどね。

かつて大手の印刷会社相手にコンサルティングの仕事をした際に、その会社の上位200件の会計簿で気になる点が1つありました。ある顧客が7年間ずっと、大量のレターヘッド(社用便箋)、10番サイズの封筒(10.5×24.1cm)それに9×12インチ(23x31cm)の封筒を購入し続けていました。封筒だけですよ。

私:「9×12インチの封筒で、一体何を送っているんだ?」

印刷会社:「わからないな」

私:「顧客に聞いてみたほうがいいな」

カタログを送っていることが判明。

顧客はこう言ったそうです。「カタログの見積もりなんて頼んだことないよ。カタログ印刷もしてるなんて知らなかったし」

それを聞いた印刷会社は私にこう言いましたよ。「バカ野郎。うちのカウンターの真後ろにある大きなポスターに商品やサービスのリストが載っているし、カタログもそっちにあるだろう」

5年の間に、9×12インチの封筒が50万枚、その顧客から購入されていました。そして50万冊分のカタログは、その印刷会社で印刷されていなかったのです。1枚につき正価30セント(約30円)で見積もると、15万ドル(1500万円)失ったことになります。

さて、バカ野郎は誰でしょう?わかりますね?あなたは自分のオファーを絶えず顧客に伝えなければいけません。何度も何度もね。誰が何を購入していないかに注意を払い、なぜ購入しないのかをチェックしないといけませんよ。巨大なダイヤはすぐ足元に埋まっているんですからね。

レッスン2:

何年も前に、私がよく足を運んでいた人気のあるナイトクラブが会員カードを売り始めました。会員カードがあれば、正面入り口で長い行列に並ばなくても、裏口から店に入ることができます。

会員カードは年間300ドル(3万円)です。しかし一旦店の中に入ってしまえば、VIPなのかただの変人なのか、区別がつけられませんでした。そこでVIP用のステキなピンバッチが600ドル(6万円)で売り出されました。ピンバッチ自体の価格は1ドル(100円)だというのに。

ポイント:人はステータスを求める生き物なんですよ。一般に「ステータスを与える」ためにかかるコストはほんの少し、「ステータスを売る」ことで得られる利益は、想像をはるかに超えるものですよ。

-ダン・ケネディ


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