うまくいくオファーの例
From:ダン・ケネディ
前回の記事では、うまくいくオファーを企画するための本当の秘訣をお伝えしました。
それは・・・オファーを受け取る人たちについてできるだけ多くのことがわかるまで、オファーは企画しないということでした。
では、小さな会社のマーケティングにおいて、シンプルな例をいくつか考えてみましょう。
実際どのようにこの秘訣を用いるのか説明します。
ドライクリーニングの店を数店舗経営しているとしましょう。
週刊の地方紙2紙に広告を出そうとしています。1紙は高所得世帯へ、もう1紙は中間層世帯へ配達されます。この場合、2紙とも同じ広告にしますか?
ほとんどの経営者は同じ広告を掲載するでしょうが、それは間違っています。
この2タイプの世帯の人たちのニーズや関心は、それぞれ異なるからです。つまり、異なるオファーを売り込むべきだということです。
高所得世帯に対しては、出世するためには一張羅を手入れすることが大切であると強調し、クリーニング店の便利さと品質に重点を置いた広告にします。
そして、スーツ1着を定価でクリーニングするともう1着のクリーニングとアイロンプレスが無料、または、ジャケットかスーツ1着につきネクタイ1本無料でクリーニング、という内容をオファーします。中間層の世帯に対しては、手頃な値段で高品質なクリーニングが利用できることを強調する広告にします。
ドライクリーニングに出すことによって長持ちする衣服があることを伝え、全世帯に対して初回割引をオファーします。
もう一つの例を挙げましょう。レストラン兼バーを2店舗経営しているとします。
ひとつの店舗は、ダウンタウンのオフィスから郊外の自宅までの帰路ルートとして多くの人が利用する道路沿いにあり、ダウンタウンのすぐ北側に位置しています。もう1店舗は、ダウンタウンで働く中間層が住んでいる地域にあります。
ダイレクトメールを送ろうと思ったとき、2つの店舗で同じオファーを使うでしょうか?
レストラン経営者の多くは、最初にオファーを決めてから郵送先を決め、同じオファーを上記2地域の人たち全員に郵送するという順で行い、失敗してしまいます。
私なら、次のように進めます。
ダウンタウンにある店舗については、ダウンタウンのオフィスビルで働く会社幹部と管理職のリストを入手します。
そして、簡潔なカバーレターとパンフレットをパッケージにして郵送します。
パンフレットの内容は、仕事帰りのハッピーアワーの時間帯に立ち寄るには最適な店であり、誰かと会ったり、軽く会話をしたり、ネットワーキングをしたりする、あるいはくつろぐこともできる店であることに重点を置いたものにします。
また、オードブル1皿(1~4人前)の無料クーポンと、エグゼクティブ・ランチ1人前の値段で2人前注文できるクーポンを封入します。
さらに、秘書宛ての封筒も入れます。これはピンク色で印刷してもよいかもしれません。秘書宛ての封筒には、趣が異なるカバーレターとパンフレット、そしてランチ半額クーポンを入れておきます。
中間層が住んでいる地域にある店舗については、持ち家に家族と住んでいる人のリストを入手します。そして、オフィス向けとはまったく異なるレター、パンフレット、そしてクーポン冊子をパッケージにして郵送します。
クーポンの内容は、早い時間帯のディナー2人分半額、または金曜日のフィッシュフライ食べ放題が半額になるクーポン、土曜午後の野球パーティー用としてホットドッグが無料になりビールがついてくるクーポン、レディースデーの特別ランチクーポンなどにするでしょう。
このように、それぞれの市場に対してオファーを変えることによって、画一的なオファーよりもずっと良い結果が得られることをお約束します。