戦略 2018/07/21

オムツとリピート購入の関係


From:藤岡将貴

子どもが生まれてもうすぐ2ヶ月半。体重も5kgを超えたし、身長も生まれたときよりも15cmも伸びてるし!ぱっと見、まだまだ全然赤ちゃんだけど、いつのまにか着々と成長しているなー、と、実感。オムツのサイズも新生児用を卒業して、少し大きいものになったらしい。そんなところでも成長を感じました。

オムツといえば、最近、奥さんがこんなものを見せてくれました。


どうも、あるメーカーのオムツを買うと、ポイントがたまって、それで、ここにあるような、いろんな商品とかサービスと交換できるらしい。以前はそんなことまったくなかったのに、母になって、急にセコ…いや、堅実になったのか、スーパーとか百貨店とか、いろいろポイントを貯めるようになった彼女。彼女は「何と交換しよっかなー♪」と楽しそうにスマホを見ていました。が、僕は、、、

ほほぉ…なるほど、"囲い込み"か…

と、まったく違うことを思ったわけです。このメーカーの商品を買うとポイントが貯まって、プレゼントと交換できる、てことなら、このメーカーの商品を買い続けるようになるわな…他の商品に移りにくくなるな…オムツは正直、他の商品と差なんてまったく感じないから、ブランドスイッチされやすいだろうし…スイッチを防ぐためにポイントを導入したんだろうな…と。

こんな「ポイントシステム」って、昔からたくさんありますよね?でも、これまでよく見かけたのは、美容室とか、クリーニング店とか、居酒屋とか。そんなリアル店舗の業種ばかりだったと思うんです。でも、このメーカーは普通にスーパーやドラッグストアで小売しているオムツにポイントを導入しました。それで、囲い込みに成功しているというわけです(少なくともうちの奥さんに対しては成功していますw。最初は他のメーカーのものも使っていたはずですが、今は、このメーカーの商品を繰り返し買っています。)


でも、どうやってポイント付与してんの?


だいたい、ポイントカードはどこも、はじめての来店時にポイントカードを渡して。そのあと、来店するごとにポイントカードにハンコを1つ押す、というオペレーション。でも、全国のいろんなスーパーやドラッグストアで売っているオムツを買った人に、どうやってポイント付与するの?全国共通のポイントカードを用意して、それを、全国どこのお店で買ってもハンコを押してもらう、というようなオペレーションは、さすがに無理なのではないでしょうか?では、、、


このメーカーがとった、その解決策とは、、、


QRコードとスマホアプリです。左の写真にあるように、商品パッケージを開封すると、中にこんなステッカーが貼ってあって、このステッカーに記載されているQRコードを読み取ると、右の専用のスマホアプリにポイントが貯まるようになっているんです。QRコードといえば、最近、スマホに最初から付いている普通のカメラ機能でもQRコードが読み取れるようになったみたいです。僕の何世代か前のiPhone5Sでも読み取れました。なので、今どきのたいていのスマホでは読み取れるんじゃないでしょうか?今まではQRコード読み取る専用のアプリをインストールしないと読み取れなかったと思うので、これでだいぶQRコードが使いやすくなりましたよね!


さて、この話のポイントは、、、


他業種で昔から使われているポイントシステムを導入したことではないでしょうか?(メーカーの人に確認したわけではないので、あくまで僕の推測ですが…)

オムツは完全にコモディティ商品と言えるでしょう。他社ブランドとの差別化がかなり難しいジャンルの商品だと思います。漏れにくいとか、吸収率が何%とか、技術を高めていったとしても、すぐにマネされそうですし。ポジショニングとか売り方とか販路で差別化をすることもできるかもしれませんが。。。だから、スーパーで、「今日はこっちのメーカーのオムツが安いから、今回はこっちを買おう」なんて購買行動が普通に起きていたんじゃないかと思うんです。

じゃあ、どうしたら、他の商品に浮気されずに、うちの商品だけを買い続けてもらえるか…と考えたときに、他の業種で囲い込みがうまくいっているポイントシステムを導入する、というのは、鉄板の方法だと思うんです。特に、オムツのターゲットとなる主婦層は、他の人たちよりも、ポイント付与が購入する理由になりやすい、という感覚がありますので。(実際、うちの奥さんも、最近そうなりましたしw)

で、重要なのは、「いやいや、スーパーでもドラッグストアでもアマゾンでもどこでも使えるオムツに、どうやってポイントつけるの?全国のスーパーにポイントカード配って押してもらうの?ムリでしょ?」で終わらずに、「どうやったらオムツにポイントをつけられるか?」というふうに考えたことだと思うんです。でも、そうやって考えたからこそ、「QRコードとスマホアプリ」という解決策を見つけられたと思うんです(繰り返しになりますが、これはあくまで僕の推測なので、正しくはないかもしれません)。


どうやったら、うちの業界で取り入れられるか?


というマインドと、QRコード、スマホアプリという技術が可能にした解決策と言えるのではないでしょうか?普通に考えたら、美容室で使われているポイントシステムをオムツに導入しよう、とはならないと思うんです。でも、このメーカーではそれを考えて、実現方法を見つけ出したわけです。こんな事例を見たら、僕たちも、もっと考えれば、他業種のうまくいっている方法を取り入れることができる気がしませんか?ぜひ、頭の体操と思って、この土日に考えてみてはどうでしょうか?さしあたり、、、

「どうやったらポイントシステムをうちのビジネスに導入できるか?」

と。。。


-藤岡将貴

関連記事