戦略 2018/03/24

チャンスが多いと潰れる?



From 高木 仁也

大阪のスタバより、、、


”チャンスが多いと潰れる”これって、普通に聞くと「ホントかよ?」って思われるかもしれません。チャンスがないからうまくいかないとか、チャンスさえあればなんとでもなる。と思われている方がいらっしゃるかもしれません。

でも、こないだのセミナー後の懇親会でお客さんと話をしていたんですが、「チャンス多いとこりゃ、潰れるな」って思ったんですね。

セミナーが終わって、乾杯をしてからセミナーの内容だったり、なんで来たんですか?とか当たり障りのない話から始まり、ビジネスの話。今後の展開などを話していました。


その後結構盛り上がって、過去の失敗談とか、上手くいかなかった話などを結構ぶっちゃけて話をしてたんです。


すると、どの社長も経験している事が「色んな儲け話」を持ってこられる。ってことだったんです。

あんまり詳しいことは言えないんですけど、ちょっと話を聞くだけだと、どれも儲かるんじゃないか?って思ってしまうものばかり。人間の本能に訴えかけるような「楽して得する」の典型的なパターンだったんですけど、本質を見ていくとダメなものばかりです。

お客さんは引っかからなかったんですが、お客さんの周りでそういう儲け話につられて投資をしたら、話を持ってきた奴がそのままお金を持って逃げていった。みたいな話も聞きました。


新しく取り組もうと思っていた事が、既存事業を圧迫してしまっていて、既存事業であがった利益を新規の事業が食い尽くす。けど、新規事業の黒字転換はいつになるのか、見えない。。。


「新しく始めた事業が既存事業を圧迫する」


あなたも一度は聞いたことがありませんか?


新しい事を始めると、うまくいかない。今までは上手く行ってた事も新しく始めたものと一緒にダメになっていくという話を。

これは、書籍「利益を出し続ける会社にする究極の方法ーフォーカス!ー」で取り上げられているんですけど、中小企業が1番失敗する原因として挙げています。


失敗の1番の原因は、一度にたくさんのことに手を出しすぎることにある。


新規事業を始めよう。新商品を作ろう。新しい店舗を出そう。新しいメニューに変えよう。新しく従業員を雇おう。新しくホームページを作ろう、新しく、、、などなど一気にたくさんのことに手を出すと、失敗につながってしまいます。


IBM、GMも同じ

過去にIBMが630億ドルの売上があったのにも関わらず80億ドルの赤字を出したのも、GMが1330億ドルの収益で23億ドルの赤字になったのも、拡大や成長を求めて一気に様々なことに取り組んだからというのです。


フォーカスする

新しいことにチャレンジするのって凄く楽しいですよね。アイデアが出てきて、それを実行している時、その結果を得られる瞬間はめちゃくちゃ嬉しいんですけど、それを続けてしまうと、多くのことに手を出している。

多くのことに手を出している。というのは、企業にとって、人間にとって自然な事なんです。というのも、エントロピーの法則というのがあって、何かをほおって置くと、ドンドンひろがってしまうという法則があります。


一度机の上を整理したとしても、1週間後、1ヶ月後には散らかっているみたいな。部屋の片付けを一度綺麗にしても、数週間後にはソファに荷物が置いてあったり、食卓に雑誌が溜まっていったりと何かを整理しても、人は自然と散らかしてしまう。これは、自然原則なので、意識しない限りはどんどん広がっていってしまうんです。


これは事業でも同じことで、意識をしないと、どんどん新しいことや新しい商品、新しい店舗など色んなことに手を出してしまうことになるんです。ただ、それは失敗への道を辿っているわけで、企業が何かを成し遂げる為にはフォーカスしなければいけません。自社の強みや競合が出来ないことなどにフォーカスして、ビジネスに取り組んでいくことが事業が成長するために必須になってきます。


会社の利益の80%は20%の事業から生まれている。

というパレートの法則でもあるように、企業が成長する為には、新しいことではなく、今あるもの、今上手くいっているものに、フォーカスしなければいけないのかもしれません。


この話を聞いて、あなたはどんなことにフォーカスしますか?

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