企画力:不況時にヒットした雑誌


From:山田光彦

13年連続のマイナス。
これは紙ベースの出版業界の売上。

出版不況とか言われていますが、相当な落ち込みぶり。雑誌でいくと、前年比10.8%の2ケタ減になっています(全国出版協会より)。普通に仕事をしていたら、売上が10%以上減るわけですから、利益に対するインパクトは相当なものだなー、と想像するだけで恐ろしいですね。。。

僕が子供の頃なんかは、少年ジャンプをみんなが読んでいて、発行部数も最高653万部。ギネスブックに登録されていたみたいです。そういう時代から考えると、雑誌の売上がそうとう厳しくなっているのはわかりますよね。

とはいえ、そんな中でもしっかりと売上を伸ばしている雑誌はあります。

それが料理や節約術など女性向け雑誌のレタスクラブ。

出版不況の中、2017年下半期には前年比で140%に上昇。このジャンルで不動の首位だったオレンジページを抜いて、トップに躍り出た、とのこと。

業界全体が登り調子のときは、勢いに乗れば売上を上げることができます。が、全体が下がっている中で売上を上げてきているというのは地力がある証拠。それに、こういう出版業界は、僕らにとって間接的な競合になるので、少し調べてみることにしました、、、


不況の中、大躍進した理由


「読者の声を反映し、紙面を刷新していったから」

これは、数年前から編集長に抜擢された松田さんの言葉。大躍進した理由は読者の声を反映した、とのこと。

まあ、これだけ聞けば普通な感じがしますが、、、詳細を調べていくと、言葉で言うのは簡単ですがやるのが難しい、ということの典型的な話でした。というのも、、、

実際にやったことは、読者全体にアンケートを取るといった方法ではなく、8人の読者を選んでじっくり話を聞く。そして、少人数だからこそ聞ける深い意見や本音を引き出す。そして、そういった本音について、こちらが納得できるまで質問し続けた。

それを続けていくうちに読者が求めているのは「なるべく楽をして、毎日を楽しむこと」ということがわかってきた。そして、それをベースに紙面を変えていった結果、これだけの大躍進につながった、と。

(※このあたりは日経ビジネスの2018.11.19号に、書かれていた事実をベースにさせていただきました)

実際、マクド(マクドナルド)の話なんかが有名ですが、リサーチすると「ヘルシーなサラダをおいてほしい」といった話が出てくる。でも、いざ商品化すると全く売れない。ということが起こったりします。

なぜこんなことが起きるかというと、お客さんは自分がほしいものを自分でもよくわかっていないことが多いからです。

レタスクラブの方々がリサーチをした時も「私はなるべく楽をして、毎日を楽しむことを求めているんです」なんてことを直接言われたわけではないでしょう。それに、この言葉だけを知ったとしてもあんまり意味がありません。具体的に「なるべく楽をして」というのは読者にとってどういうことなのか。毎日を楽しむというのはどういうことなのか。

そういった細かいことを頭に入れた上で、この言葉を理解しないとこのリサーチ結果を使いこなすことができないからです。たとえば「子供が夏休みになったら家にずっといるし、給食もなくなる。だから、料理はなるべく楽にやらないと仕事に支障が出る。家事が終わらない」みたいな具体的な状況をイメージできるようにならないと、いい企画が作れないからです。

セールスレターでいうと、中心的なメッセージとかアイデアとか言われる部分ですね。


もっともっと顧客を知ろう!


恋人でも、、、友達でも、、、家族でも、、、喜んでもらうために何かをするなら、その第一歩は相手を知ること。

息子たちにおもちゃをあげるときには、嫁が選んだものよりも、僕が選んだものの方が子供たちが喜ぶことが多いんです。

理由は簡単。

僕が小さい時、どんなものが欲しかったのか?同じ男の立場でわかるからです。それに、子供たちが夢中になっているウルトラマンとかを少しだけですが、一緒に見て、話をしたりしているからです。そして、プレゼントを選ぶのを僕がよくやるようになると、あれはめちゃくちゃ喜んだとか、あれはイマイチだったといった経験から、さらにうまくなっていきます。

感覚的には、子供たちが確実にほしいものだけど、まだその存在を知らないこととか、少しだけ想像を超えるようなことが一番、グッとくるっぽいですね。長男はコレクションしたい派で、次男は自分が体験したい派です。

まあ、子供におもちゃなどをあげるときでも、マーケティングとかの視点で考えるなんてヤベーヤツだな、という声も聞こえてきそうですが、、、まあ事実なので仕方ありませんw

マーケティングが強いことで有名な世界的な企業でも、トップマネジメントが4ヶ月に1回は顧客の自宅に訪問したり、売り場でインタビューをしたり、お客さんの声を直接聞くことを義務づけられているほど。今でもやっているかはわかりませんが。

そして、ビジネスではお客さんのことを知って、やることは商品を作ったり、セールスレターを書いたり、実際に話をして合う商品を提案したり、、、ということ。なので、お客さんをもっともっと知ることでお客さんの喜びを増やすことができれば、ほぼ間違いなく売上という形であなたに返ってくるはずですよ。


ー山田光彦


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