ノウハウコレクターはダメか?
From:山田光彦
13年ほど前。
起業した当初。
僕は、マーケティングやセールスライティングのノウハウを買っているけど、成果を出せない。いわゆる典型的な”ノウハウコレクター”でした。
司法書士という法律関係の仕事で事業をスタートした僕が最初につまずいたこと。それは、どうやって、お客さんを集めたらいいかわからない、ということでした。
そんな悩みを抱えている時なので、集客ノウハウを売っていたセールスレターを見ると、めちゃくちゃ欲しくなって、次々に買っていたんです。特にセールスライティングの商品は学んでいて、かなり楽しかったので、ある程度信用できそうなところの講座は全部買っているような状態でした。
集客があまりできていなかったので、自分の預金通帳のお金がどんどん減っているにもかかわらず、、、講座を買い続けていました。当時の気持ちを正直にいうと、、、
「働いているのに、お金が減っていく。。。こんなことをやっていていいのかな…」
「お金を使うばかりで、勉強なんてしても意味ないんじゃないか…」
「今まで費やした時間や労力。お金も全部無駄になるだけなんじゃないか…」
といった複雑な気持ちを抱えながらも、楽しいのでいろいろと学んでいる状態でした。
最近、ふと、この当時のことを振り返ってみて、思ったことがあるんです。
こういう風にノウハウコレクターをやっていたのは、無駄だったのか?
あなたはどう思いますか?
HERMES(エルメス)ブランドの土台を作ったもの
車が買えるような値段で高級バックを販売しているブランド・HERMES。今でこそ、世界に名前を知られている高級ブランドですが、創業時にHERMESが販売していたものはまったく別のもの。有名なので、知っている人も多いと思うのですが、創業時に売っていたのは馬具です。
自動車がまだなかった時代。馬車で移動していた時に大きな需要があった馬具を作っていたメーカーのひとつがHERMESでした。
ですが、自動車が普及することで、馬車が衰退していることを予見。馬具を作っていた技術を活かして、カバンや財布といった革製品の事業に注力。その結果、今のような一流ブランドが生まれた、とのこと。
HERMESは馬具を作ることで培った技術や強みをカバンや財布といった革製品に活かすことで、成功しました。
一見、カバンや財布を作ることに役に立つとは思えない、馬具作りの技術・強みを持っていたことが、今のブランドを築く土台になりました。
Appleのジョブスが大学で学んだこと
ジョブスが大学に行っていた時、カリグラフィ・タイポグラフィといった美しい字の書き方みたいな授業を受けていました。色々な書体や文字と文字の隙間など、そういったことに魅力を感じ、学んでいました。
「私の人生の役に立つとは思っていませんでした」
と、当時のことをジョブス本人が話しています。
ですが、これを学んでから10年後。
最初のMacを作る時。そこで学んだことが蘇り、Macは世界ではじめて、美しい活字を扱えるパソコンになりました。
点と点のつながりは予測できない。
あとで振り返って、点のつながりに気づく
By スティーブ・ジョブス
このことをジョブスはこんな風に表現しています。そして、「今やっていることがどこかに繋がると、信じてください」とも付け加えています。「どこかにつながると信じていれば、他の人と違う道を歩いていても、自信を持って歩き通せる」と。
チャンスは準備をしている人しか掴めない
HERMESがまだなかった当時。品質の高いバックを作り、高級ブランドを立ち上げれば、素晴らしいビジネスが立ち上がる。もし、そんなことに気づいたとしても、品質の高いバックを作る技術がなければ、このチャンスを掴むことはできません。
パソコンに美しいデザインの要素を入れれば、大ヒットするとわかっていても、美しいデザインを実現できなければ、チャンスを掴むことはできません。30年前にFacebookを作れば、すごいことになるとわかっていても、それを実際に実現できる人はほとんどいないでしょう。
チャンスを掴むためには、ある程度準備が必要です。
その一方で、チャンスが来た時には一気に掴み取らないと、チャンスは誰かに奪われてしまうでしょう。
僕もマーケティングやセールスライティングの本を読みまくって、講座を受けまくっているのに、なにも実践できない時期がありました。でも、あるとき急に思い立ったんです。
「ここにこんな広告を出せば、ヒットするかもしれない。やってみたい」
で、実際にやってみたら、大成功。たくさんのお客さん(依頼者)を僕の事務所に連れて来てくれるようになりました。たったひとつのことをやっただけで、一気に世界が変わりました。お金に対する不安はなくなり、自分の力で収入を作り出した自信もついて、お客さんからの感謝の言葉をもらったり、、、今までとはまったく違う気持ちで仕事ができるようになりました。
それに今でも僕は、ある程度、ノウハウコレクターだと思います。
「これよさそうだな」と思ったノウハウや知識を買って、結局使わないなんてことはザラです。
買ったノウハウを全部使うなんてことできませんから。でも、自分がなにかアイデアを考えたりする時に、無意識で使ったりはしているとは思います。
「チャンスを見つけたときには、即実行しないといけない」
これは、僕もそう思います。
それに、何の役に立つかわからないものに、100%の力を注ぐのも危険だと思います。
でも、将来くるかもしれないチャンスや、自分が情熱を持ってできることを仕事にするために、技術を磨き、小さいことからでも実践をしていれば、いつか道がひらけるんじゃないか。ジョブスの言葉を借りるといつか「点と点がつながるんじゃないか」と思うんですが、、、
あなたはどう思いますか?
ー山田光彦