戦略 2018/06/26

↓この2m超の巨人兵士をどう倒す?


From:山田光彦

この絵は、2mを超える兵士・ゴリアテに小さな羊飼いの少年・ダビデが一騎打ちを挑むという結構、有名な話なんですが、、、

もし、あなたがこの青い服を着た少年・ダビデの立場だったとしたら、、、どうやって巨人のような兵士・ゴリアテと戦いますか?

仕事の息抜きがてら、ちょっと考えてみてください。
(もし、この話を知っていたら、、、サクッと読み進めてください)

もう少し詳しく状況を説明すると、、、


巨人・ゴリアテ「俺が勝てばお前たちは奴隷」


ペリシテとイスラエルが戦争をしているとき。ペリシテ軍のゴリアテが、40日間もの間、イスラエルをバカにし、挑発しながら、一騎打ちを申し込んできたんです。

ゴリアテ
「お前たちの中から1人選んで出せ。そいつが俺を殺して勝てば、俺たちはお前たちの奴隷になる。ただし、、、俺がそいつを殺して勝てば、お前たちは俺たちの奴隷になれ」

と。

ですが、ペリアテ軍は、ゴリアテの迫力にビビってしまい、誰一人前に出る人がいなかったんです。そんなとき、羊飼いのダビデ(上の絵の青い服の少年)がたまたま通りかかり、ゴリアテの話を聞き怒りを覚え、対戦を申し込んだんです。

イスラエル軍は「こんな子供が、百戦錬磨のゴリアテに勝てるはずがない」と考え、こんな少年に任せられないと思ったのですが、、、他に候補者がいないので、仕方なくダビデが戦うことにOKを出したんです。


鎧も剣もいらない


しかも、そのとき、イスラエル軍はダビデに鎧と剣を与えたのですが、ダビデは、、、

「鎧も剣も慣れていないので」

という理由で、身に付けることを断り、羊飼いの武器である杖とスリング(羊飼いが肉食獣を追い払うために使う、石を紐などで包んで、ぐるぐる回して、遠心力を使って石を飛ばすもの)、5個の石という軽装でゴリアテに挑んだんです。

それを見たゴリアテは「かかってこい!お前の肉を鳥や獣にくれてやろう!」と威圧していたのですが、ダビデは1つの石をスリングに入れ、ぐるぐると回し始めました。

そして、次の瞬間。

その石はゴリアテの額に命中。気を失ってしまったゴリアテに向かって、ダビデは走り出し、首をはねたんです。


弱者が強者を打ちのめすとき…


これは旧約聖書の中に出てくる話で、弱者が強者を打ちのめす象徴的な話として語られているとのこと。これを聞いたとき、、、

「よくできた話だなー」と思ったんです。

というのも、この羊飼いの少年ダビデは、ゴリアテと普通に戦えばおそらく勝ち目はありません。ゴリアテは百戦錬磨の兵士で、かなりの腕力があるでしょうから。なので、ダビデはゴリアテとはまったく違うやり方、ある意味常識外れな方法で勝負し、完全にゴリアテを打ちのめしてしまいます。

それに、ダビデは羊飼いですからスリングの使い方にはかなり慣れていました。つまり、スリングでの戦いはダビデはかなり得意だった、ということなんです。


強者のルールで戦ってはいけない
(強者のルール=業界の常識)


ビジネスでも業界の常識を守って戦うと、ほとんどの場合、強者に勝つことはできなくなってしまいます。なぜなら、その業界の常識で戦った結果、勝っているからこそ、強者になっています。

なので、業界のルールを守って戦うということは、相手の得意な方法で戦うことになるからです。上の話でいうと、ダビデがゴリアテと同じように剣と鎧を着て、勝負するようなものです。まあ、勝ち目はありません。


ビジネスで弱者が強者を打ちのめすとき…


ビジネスでも弱者が強者を打ちのめすときには、業界の常識とは違うやり方を取るのが普通です。たとえば、Apple。Windowsが圧倒的なシェアを持っているときに、Windowsを敵にして、WindowsにはなかったCoolさ、カッコよさをアピールし、世界屈指のモンスター企業に成長しました。

他にも、子供がたちが食べるものというのが常識だったアイスクリーム市場で、高級な大人のご褒美といったポジションで成長した「ハーゲンダッツ」。いろんな機能が付いているノートPCに対して、あえてテキストを入力するというワープロ機能だけに絞って、小型化、軽量、2秒で立ち上がるなどを打ち出してヒット商品になった「ポメラ」などなど、、、

強者を打ちのめしたり、強者の牙城を崩しているのは、強者とはまったく違う戦い方をしているところです。

特に、僕らのような中小企業は、大企業のように資金や人材を潤沢に持っていません。なので、大企業が得意とする土俵で真正面から戦ってしまうと、勝ち目はありません。

なので、もし、自分よりも大きな企業と競合しそうなとき、競合しているときは、、、

・大企業よりも自分たちが得意な顧客はどんな人たちだろう?
・大企業の商品と自分の商品のどこが違うでしょうか?
・大企業が不得意で、自分たちが得意なことはなんでしょうか?

ということをぜひ、考えてみてください。

競合するところがなくなれば、価格競争いになる心配がなくなるので、かなり利益を出しやすくなると思いますので。

ー山田光彦

関連記事