習慣 2018/06/15

治療院にみるオオカミビジネスへの対処法


From:北岡秀紀

先日、ある治療家の方とお話をしました。
彼は最近、同業者向けに「保険診療をどのように活用するのか?」ということを教えています。

実は、これってかなり珍しい話で…
治療院向けコンサルタントなどの主流のメッセージは
「保険診療はつぶれてダメになる。だから、早く自費治療で患者さんに来てもらえるようにしましょう!」
だからです。

真逆をいったわけです。
結果、新興にも関わらず一気にお客さんを獲得しました。

だから、あなたも競合と真逆のメッセージを発信しましょう!…という話をしたいのではありません。
むしろみんなが言っているというメッセージについて考えてみたいんです。


振り返ってみると


実は、治療院の保険診療ですが…なくなると言われて10数年以上、経過しています。
人によっては20年以上とおっしゃる方もいます。
いろいろ調べてみましたが正確な時期はわかりません。
が、いずれにせよ長い期間、保険診療がなくなってはいません。

だから、今後も保険診療はなくなりません、と断言はできません。
また保険を含め何かに頼ったビジネスは危険である、ということは間違いありません。

が、一方で、だからといって「保険は使うべきでない。自費治療に移行すべき」ということになりません。
別に、「あるうちは使う」というのも考え方としてあっていいはずです。


オオカミビジネス


この手の話ってたくさんあります。
国の財政破綻の話とかなんかは代表例です。

「来るぞ来るぞ」と叫び続けて全く来ない。
オオカミ少年状態。

オオカミ少年と違うところは、叫ぶ人が一人でないこと。
たくさんの人が同じように「オオカミが来るぞ!」と叫んでいること。
一人の少年だけが叫ぶよりも本当のことのように思えてしまいます。

さらに、たまに本当に偶然にオオカミっぽいのが来ることがあって、ますますオオカミビジネスは盛り上がります。

もちろん仕掛ける側に立つなら「オオカミが来るぞ!」と叫ぶのもいいでしょう。


諦めてみたら?


しかし、仕掛けられる側にたったとき、私たちはどうしていますか?
「オオカミが来るぞ!」という声に右往左往しているだけ。

もちろん準備をしているつもりですが、それが本当に起こったときに十分なのかはハッキリ言ってわかりません。
だから、結局、不安は解消できない。
結果、また新たなオオカミビジネス業者から何かを買うというスパイラルにハマります。

よく考えてみてください。
オオカミビジネスに従事している人たちが叫ぶようなことが起こったら、ほとんどの場合、我々にはなすすべがないことが大半。

なら、はじめから腹をくくってオオカミがくるまでは頑張る。
で、実際に来てからどう対応するかを考える。
というのも手です。

人って追い詰められたほうが力を発揮できます。
来るかどうかわからないオオカミにすべて対応していたら時間がいくらあっても足りません。

仕掛けられたオオカミに右往左往して、いまやるべきことを忘れたら元も子もありません。

-北岡秀紀

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