社長の仕事術 2018/05/18

意識されないムダ時間


From:北岡秀紀

「ビジネスは突き詰めれば人と人との関係である。」
こう信じている社長は多いです。

確かにこの言葉は正しい、と私と思います。
が、ここに落とし穴もあります。

ある社長は商談のために、そして、提携相手を見つけるためにひたすら人と会っていました。
1日のスケジュールを見ると、ビッシリ人と会う予定。
ランチも晩御飯も。

これだけ精力的に人と会っていれば、すごく仕事をしているように感じます。

が、そのうちに本当に身を結ぶのは?
成約などビジネスにつながっているアポは、キッチリ計測すると彼の場合10%以下でした。
つまり90%のアポはムダだということ。

もちろんこの10%の人と会うためにムダな90%の人とも会っているという考え方もありますが…
人と会うには移動時間が必要です。
この移動時間がクセもの。金を産まないからです。

もちろんそれは重々承知。
だから、メールチェック、部下との電話、ニュースチェック…隙間時間の活用法みたいなことを唱える人がいるわけで。

が、同じメールチェックでもスマホとPCでは断然効率が違いますよね。
つまり、そもそも移動時間というのはムダな時間だということ。

90%のムダな人と会うと、その移動時間もムダになっているということです。


移動時間を減らした2つの事例


それを理解したクライアントが実施した施策をご紹介しましょう。

A社では営業エリアを絞ることにしました。
片道30分以内に行けるところ以外は全てお断りしたのです。

結果、商談の数がこれまでの1.6倍になり、売上もそれに比例して伸びました。

もっと極端なB社は、すべての商談を自社で行うことにしました。
そして、毎時10分にお客さんに来てもらうようにすることで昼休みと日報以外の時間を「全て」商談にあてられるようになりました。

結果、平均2、3件だった商談回数を6回にすることができました。
当然、売上は倍以上になりました。

なお「この後にも次の人が来る」という無言のプレッシャーも働き1人あたりの商談時間が短くなるという付随効果もありました。
ちなみに成約率は変わりません。

むしろ相談件数が増えて習熟度があがり最後は成約率がアップしてくらいでした。

もちろんこれら2つのやり方だけが答えではありません。

が、少なくとも移動時間をどうやって効率的に使うかではなく「移動時間をどうやってなくすか」を考える方が大切だ、ということです。

人との関係がビジネスになります。
しかし、ビジネスを作るためには他にもやるべきことはたくさんありますから。

-北岡秀紀

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