社長の仕事術 2017/09/27

北岡、激怒する



From:北岡秀紀

先日、コンサルティングに入っている会社の営業ミーティングに出席したときのこと。
社員のAさんがある商品のコンセプトについてプレゼンテーションをしました。

このプレゼンを見た他のメンバーから「いいんじゃないでしょうか」という声が次々とあがりました。
しかし、少し間を置きBさんがこのコンセプトについて「他の商品群のメッセージとの整合性に問題があるのでは?」という意見があがりました。
その途端、他のメンバーから「私もそう思う」という声があがり始めました。

その瞬間、私は激怒しました。

さっきまで表面上、賛同していた。
しかし、流れを変える意見が現れた瞬間に言っていることを変えたからです。

Bさんの意見が誰もが気づかない盲点で、みんながその盲点に気づいたために意見を変えたのなら私も怒りません。

明らかにAさんのコンセプトには問題があった。
それに気づいていた。
でも、Aさんが先輩だということで気遣って自分たちが意見を言わなかったのです。

もしこのBさんがいなければ、Aさんのアイデアはそのまま採用されていたでしょう。
そして、おそらくコケていた。

そのとき「あの会議の時からコケると思っていた!」と他のメンバーがホザくのは目に見えています。

意見≠人格

相手に配慮するというのは非常に素晴らしい日本人のあり方だと思います。
しかし、それは「意見を言わない」のとは全く違います。

なぜ意見をいわないのか、突き詰めていくと意見とその人の人格を結びつけているから。
意見を否定することは、その人自身を否定すると勘違いしているわけです。

それは間違い。

むしろ全く同じ意見の人間しかいないのであれば、1人以外全員いなくても何も支障はありません。
意見が違う、視点が違うからこそ新しいアイデアが生まれるわけですから。

さらに、長い目で見て信頼されるのは自分の意見をハッキリと伝える人です。

意見を言わない人は短期的には優しい人に見えますが、長期的にみて「何を考えているかわからない人」か「自分の意見・考えがない役立たず」ですから。
一方でハッキリ伝える人は、腹に溜め込まない、嘘をつかない人間です。

どちらが信頼されるかは言うまでもなく後者でしょう。

意見が違うことを奨励する

中には違う意見を言った瞬間、人格を否定されたと勘違いして激怒する人もいます。
そんな人にはまず意見と人格が違うことを丁寧に説明する。
それでも無理なら、付き合うのをやめます。

JVの相手でも、お客さんでも、そして、従業員でもです。

・お客さんに率直に意見を言うこと
・社内でも部下から上司に意見を言うこと
を積極的に奨励してみてください。

はじめはギクシャクするかもしれません。
しかし、中長期的に見れば顧客との関係、スタッフ同士の関係が必ずよくなります。

-北岡秀紀

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