社長の仕事術 2018/09/14

今年いちばんのオススメ書籍から学ぶこと


From:北岡秀紀

最近、めちゃくちゃ面白い本と出会いました。
『破天荒フェニックス』

放漫経営で倒産寸前のメガネ店を30歳の小さな会社の経営者が買い取るところから物語がはじまります。
資金ショート、取引先とのトラブル、部下の裏切り…考えうる限りの会社経営のトラブルが全部降りかかっていきます。
で、それを全部乗り越えていくというストーリー。
まァ、ありがちといえば、ありがち。

けれど、一等地に新店オープンしては資金ショート寸前、別会社を購入して資金ショート寸前…チャンレジするたびに資金ショート寸前で全部ギリギリのところで踏みとどまる。
このハラハラドキドキの回数と落差は半端ないです。
寝る前にちょっとだけ読んで寝ようと思っていたら…結局、深夜まで全部読んでしまったくらい。

いちおう、パラレルワールドの話ということにはなっています。
が、実話が下敷きだそう。
これ実話だとしたらタイトル通り本当に破天荒過ぎます。


チャレンジが大切?


けれど、経営コンサルタントの目線から見たら、この社長は頭がおかしい(笑
経営コンサルタントは保守的であるということを差し引いても、あのタイミングで新規出店はないし、本業とは関連しない会社を買収したり、やってはいけないことのオンパレード。

結果、案の定それが資金ショートを招きます。
そして、全部、寸前でかわすという映画『ダイ・ハード』ばりの芸当。

野生の勘、危機を乗り越える力、パートナー、天運、全部揃った結果、たまたまうまくいったに過ぎません。

勝てば官軍。
それはそうかもしれません。
ビジネスにはその側面があることは否定しません。

が、この社長が勝てたからといって私たちが同じようにやって勝てるかというと…成功率は天文学的数字でしょう。

通常は「どうやったら負けないか」で行動を決めていくのがセオリー。
もちろん勝負のかけどきはありますが、失敗しても致命傷にならないようにする、というのが中小企業経営のやり方です。
ビジネスにワクワクドキドキや面白さなんて必要ありません。

ある方に「経営者の教科書だ」と勧められて読んだのですが…
「こういうのはやってはいけない」という反面教師的な意味で読むならめちゃくちゃ勉強になります。
(この方は別の意味で勧めてきましたが。)

エンタメとしてもめちゃくちゃ上質なのでぜひ読んでみてください。
私もとりあえずオンデーズにメガネ買いに行ってきます!


-北岡秀紀


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