見せかけの成功

FROM ノーマン・ヴィンセント・ピール
(ケン・シェルトンのレターより)


夫のノーマン・ヴィンセント・ピールが亡くなってから、私は新しいキャリアを踏み出しました。９０歳にして、私はピール・センターのマネージャーをしており、講演も沢山しています。私のメッセージはシンプルです。

もしあなたに何か悪いことが起こった時には、打ちのめされてしまうのではなく、ポジティブなマインドと信念を持てば、あなたはかけがえのないレッスンを学び、その経験からさらに成長できるでしょう。多くの人が、手早く簡単に結果がほしいと願い、簡単に打ちのめされてしまい、ネガティブ思考をしています。

でも、人生はそういうものではありません。

夫のノーマンと私は大恐慌時代にニューヨークに教会を建てようと、６年間奮闘し、苦しみました。夫はとても打ちのめされていました。1938年、私たちは夏季休暇でイギリスに行きました。夫は落ち込んでいて、ポジティブな言葉は何一つ発することが出来ませんでした。よく覚えているのは、ホテルの庭のベンチに夫と座っていた時のことです。私は彼の愚痴に、我慢できなくなり、こう言いました。

「あのね、ノーマン。　あなたはポジティブなことばっかり教えてる割には、　ネガティブにしか考えていないじゃない。　あなたは、信念やポジティブ思考について、他人様に教えてるんだから、自分の教えていることを
　自分でも実践する必要があるんじゃないの」

私はきっと強引だったんでしょう。ついに彼がこう言いました。
「また火がついてきたよ。すぐ家に帰ろう」

でも、私はこう続けました。
「いいえ、まずは休暇を楽しむのよ」

夫はポジティブ思考に戻ってから、仕事に対して新しい考え方を始めました。例えば、こんなことを言いました。

「もし私の話を聞きに人々が来てくれるなら、　私はどこへでも行く。」

夫は、講演依頼は全て引き受けました。すると、物事は変わり始めました。ラジオに出演し、それによって教会に人が集まり始めました。最終的に、教会は人で一杯になり、それは私たちが1984年に引退するまで続きました。最高の人生を経験し、人生の精神的な側面をも楽しむには、あなたはポジティブ思考を持つ必要があります。

ポジティブ思考は、信念でもあります。神様は常にそこにいて、あなたを導いてくれる。あなたが仕事や人間関係、結婚や家族において、幸せや充足感を感じるのを助けてくれる。こういう信念なのです。今日、ポジティブ思考は、ますます重要になっています。なぜなら多くの人が、鬱とまではいかなくても、落ち込んでいるからです。

彼らは孤独や疎外感を感じています。ストレスにさらされています。感情のコントロール方法を学んだことがないからです。私たちの頭が恐怖や猜疑心、ゴミでいっぱいの状態だと、良いアイディアは浮かんでません。最高のアイディアが浮かび、最高の決断ができるのは、リラックスし、感性にオープンで、それに答えられる時なのです。もしあなたが良い人生を送りたいと願うなら、あなたは良い人間になる必要があります。

しかし、良いとは言えない人間が、良い暮らしをしたり、便利に生きたりして、良い人生を送っているのを目にする機会も多いですよね。それ故、混乱してしまっている人も多くいます。

しかし、私にとっては、そんなものは見せかけの良い人生にすぎません。良い人生とは、あなたの心の中の魂が平和に満ちている人生なのです。もしあなたが、あなた自身と他人に対して平和を感じ、ポジティブ思考という良い習慣を持てば、あなたは毎日を、より良い１日にできるでしょう。あなたは自ら創造性、判断、主体性、機知を発揮しなければいけません。また、あなたは自分自身が何者であるのか、どんなことができるのか、明確な考えを持たなければいけません。

あなた周りに人がいなかったら….
あなた自身が人生の精神的な次元を経験していなかったら…

たとえ成功があなたの元にやってきたとしても、奇妙な虚無感を感じるかもしれませんよ。


by Ruth Stafford Peale
Norman Vincent Peale の妻