マネジメント 2017/04/05

ほしいものを手に入れる方法

FROM Dr. Joyce Brothers
(ケン・シェルトンのレターより)


私が小学校4年生の時、人生でほしいものは3つしかなかった。クラスで一番の成績。誕生日パーティー用の白いレースの襟がついたブルーのベルベット・ドレス。そして、地域で一番のローラースケーターになること。

高校生になるころには、ほしいものが増えた。弁護士だった両親は「望みは高く持て」と教えてくれた。あるとき私は、大きくなったら看護士になりたいと決めた。
「看護士!」
母は信じられないというふうに叫んだ。

「なぜドクター(医者)じゃないの?」
実際なぜだったのだろうか?

そして私はドクターになった。心理学・哲学のドクター。いわゆる “医者” ではない。(医者と結婚はしたが。)当時の多くの女性と同じように、私は幸せな結婚と家族をもつことを何よりも望んでいた。私は幸運にも素晴らしい男性と結婚した。結婚して四半世紀以上がたっても、私の成功を自分のことのように喜んでくれる夫だ。娘のリサは尊敬に値する女性に育った。私のよき友人でもある。そして私は、私が世界一楽しめる仕事をしている。人々が自分自身をより理解することを助ける仕事だ。

中には、私のことを運がよかったという人もいる。しかし、私は首を振る。私は「運」を信じていない。私たちは自分で幸運を切り開くのだ。私の人生に新しい方向を与えてくれた「The $64,000 Questions(*)」で勝ったのは、運ではなかった。(*1955-1958放送されていた、アメリカのクイズ番組。)

当時、私は世界のなによりもキャデラックがほしかった。夫と私は毎週火曜日、テレビの前に座って「The $64,000 Questions」 を見ていた。当時一番人気のあった番組だ。「$64,000もあったら何をするかしら」私たちはこう話していたものだ。信じられないほどお金持ちになったら、どんな気分だろう?

そして、私は最初に設定した目標を達成することができた。そう、キャデラックだ。ある晩、私は勝ちとったのだ。$64,000 を!

これは、流れを変える経験だった。私は人生の全てを諦めて、ほしいものを手に入れたのだ。それが私の人生の方向を完全に変えた。頑張って仕事をしたことはあったが、これほど仕事に没頭したことはそれまでなかった。それほどコミットしたことはなかったのだ。自分のエネルギーと脳と気持ちを極限まで全て注ぎ込んだ。もうこれ以上は無理というところまで...それは報われた。私はラジオやテレビ番組への出演依頼を受け、講演や執筆も行った。そのうち、自然にできるようになった。

6ヶ月前は、世界一ほしいものはキャデラックだと思っていた。でも、より理解が深まってわかったのは、本当は私はマスコミの世界において、富と名誉と楽しみがほしかった、ということだ。今はもっと理解できる。

私は人の反応や動機、ニーズに関する心理学の知識を使い、自分がほしいものを手に入れることができるのだ、と。私にできたのだから、あなたにもできる。私は自分の成功の模範とするつもりはない。他の人と同じように、私は失敗も経験している。だが、そこから学ぼうと試みてきた。この経験は、人はどのように人生でほしいものを手に入れるか。なぜそれをほしいと思うのか。そのようなことに対する興味の源になった。

長年にわたり、私は幸せな結婚生活を送っている人を見てきたし、巨大企業を経営する人最先端の外科手術をする人、大金持ちになった人、世界的に有名な人、そして、静かに幸せな人生を送る人を見てきた。私はモチベーションやコントロール、エネルギーレベル、コミットメントの深さについて研究してきた。大企業に対して、ほしい結果を得る方法をアドバイスしたこともある。学校の生徒たちに対して、ほしい結果を得る方法をアドバイスしたこともある。

そして私が達した結論はこれだ。自分が人生で本当にほしいものをしっかりわかっていて、それに向かって努力する意思のある人は、その目標を達成することができる。そのための、最初で最重要な一歩は、あなたが本当にほしいものを突き止めることだ。「ほしいと思っているもの」ではない。他の人の意見でもない。あなたが心から本当にほしいと思うものを突き止めるのだ。

Dr. Joyce Brothers
著名な心理学者。
ベストセラー作家。

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