リーの親友に起きた悲劇



From:リーミルティア


私の親友に起きた話をします。何年か前に私は、カナダのあるテレビ番組で彼女と一緒に働く機会がありました。彼女が司会を務めるその番組は、カナダで15年間も続いた人気の長寿番組で、私は5年間、トロントで、彼女と一緒にそのテレビ番組の仕事をしていました。


彼女は私の親友で、私は彼女のことを心から尊敬していました。それは有名人が多数出演する番組で、ゲストは、セレブやロックスターや美しいモデルといったそうそうたるメンバーでした。「そんなセレブと一緒の国民的なテレビ番組をやっていて、退屈するなんてことがあるだろうか?」と誰もが思うでしょう。


ですが、15年たった頃、彼女が番組をただ何となくやっているようだと、感じ始めました。彼女の目には、昔のキラキラした輝きがありませんでした。気づかないうちに、彼女にとってこのゴージャスな番組は、普通の番組と何ら変わらないものになっていたのです。


この番組の司会の仕事ができて、魅力的で凄い人達や、時には人生の真のカリスマに出会えることがどんなに幸せなことか。そういったことに対する感謝の気持ちを失くしていました。


彼女は退屈していたんです。退屈なんかしていないと、自分で自分を騙すことはできるでしょうが、悲しいことに、聴衆やクライアントや顧客や患者、それに内輪(うちわ)のスタッフを欺(あざむ)くことはできません。


皆さんは、スタッフのリーダーなのです。朝オフィスのドアを開けた瞬間から、皆さんの発するエネルギーはスタッフに見破られています。彼女の場合には、番組の視聴率が急激に落ちました。


視聴率が悪くなると、たとえその番組が15年間にわたって1番の人気番組だったとしても、広告収入が減ります。そしてそれが、番組打ち切りへのプロローグでした。視聴者は気づいていたんです。


もちろん、本当の意味での司会者がいなくなっていることに気づいたのは意識下のことで、はっきりと認識したわけではないかもしれません。視聴者の方も、番組に興味を失っていたんです。


番組は打ち切りになり、かわいそうに、彼女と番組のスタッフ全員が職を失いました。その番組にはスタッフが大勢いて、長年働いていました。番組の最終回は悲しい日でした。


そして、番組が打ち切られて1年くらいたった頃、私は彼女と再会しました。夕食を一緒に食べながら、彼女は涙ながらにこう認めました。「興味がなくなって、退屈だったのよ。


朝起きてスタジオに行って、メイクをしてもらって、番組の打ち合わせ。控室はクレージーな有名人でいっぱい、っていう生活にね」。彼女はその言葉どおりに、既にゲストをセレブではなく、クレージーな人達とみなしていたのです。

彼女は続けました。「退屈して疲れちゃって、もううんざりだったわ。それが私の仕事に表れて、視聴者にも分かってしまったのね。それが首になった原因よ、、、」

続きは来週の火曜日お話します。

-リーミルティア


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