マインドセットを超えるハートセット
From:リー・ミルティア
心底達成したい願望に気づくと、達成までに通らなければならないドアがすべて大きく開かれます。それこそが成功の鍵です。願望を使ってドアを開けるかどうかは、自分の選択にかかっています。
それは自分の力で完全にコントロールできることです。ドアを開けるかどうかの選択は、ひとえに自分のハートセット次第です。マインドセットの問題ではありません。
マインドセットとは、経験や教育や伝統によって形成された自分の核となる精神的な信条です。マインドセットで成功することはできません。実際、マインドセットは失敗の原因になることがよくあります。
マインドセットは、しばしば急場しのぎや緊急事態あるいは単なる空想に基づいて形成されているからです。なので、自分の中で支配的なマインドセットには、生涯をかけた真の自己実現の達成に必要な努力を長年にわたって持続させる力がありません。
マインドセットには情熱や感情の力が十分備わっていないため、習慣的な「重力」から逃れて願望達成の軌道に乗ることができません。
「本気の願望」はハート(心)から発生する感情を作り出します。これは内発的動機づけの感情で、自分の内側から来る力です。私はこれを「ハートセット」と呼んでいます。
「ハートセット」は、それが欲しい、そうなりたい、見たい、感じたい、達成したい、経験したいと心が欲する事柄です。マインドセットと比べて、ハートセットはより正確に成功に導いてくれるガイドであり、成功の源です。ハートに従ってください。
おそらく「何かが欲しくてたまらなくなったら気を付けろ!」とか「何かが頭から離れなくなったらそれを頭から追い出せ」といった言葉を聞いたことがあるでしょう。自分がそうしたくてたまらないこと――「絶対に大学に行きたい」とか「絶対に派手な結婚式をあげたい」といったような言葉を実際に言ったことがあるかもしれません。
何かを心から切望していると、一般的にそれが実現するということに気がついていましたか?それはなぜでしょうか?なぜなら心から欲する願望を追い求めている時には、自分が持っている自発性や能力や創造力や忍耐力をフルに発揮して、願望を実現する方法を見つけることができるからです。欲しいものを得るためなら何でもするからです。
偉大な文学作品には、なぜそんなにも感情や願望や知恵や心の真実についての記述がたくさんあるのでしょうか?それは、心が感情的知性の中心であり、自分が真実だと思っていることが本当に真実であるかを判断する究極の仲裁人だからです。
ハートに目を向ければ、自分が本当はどう感じているのか、自分の「本気の願望」は何かが分かって、どう行動すべきかを決められます。ハートに目を向ければ自分にとって何がベストなのかを評価できます。
「私達は道具のようなものだ。道具を建設的に使うか、無益に使うかは私達次第だ。私達には優れた頭と心がある。この2つ――頭が持っている教育と心が持っている思いやり――を融合すれば、建設的な貢献ができるだろう。……強い意志、楽天主義、忍耐、勇気、信念があれば、あらゆる障害も克服できるだろう」―ダライ・ラマ
ハートのスイッチを入れる
「ハートだけが正しい答えを知っている。ハートはすべてを知っている」
―ディーパック・チョプラ
自分は神から授かった驚異的な力を持って生まれたので、望むことを何でもしたり手に入れたり、望みどおりの人になったりできるということが分かっている人は大勢います。でも、それが何であり、そのスイッチを入れるにはどうしたらよいかを説明した人はいません。私達は「隠されたエネルギーのスイッチはどこにあるのだろう?」と不思議に思っています。
自分の「本気の願望」がスイッチです。「本気の願望」にハートの焦点が定まれば、潜在能力や才能が解き放たれます。本物の「本気の願望」を明確に正確に定義できれば、それを達成するために、たとえどんなに長くかかろうと必要なあらゆる努力を払ってすべての障害を乗り越えることができるでしょう。
それが1番の願望でなくなれば、力の源を失うことになります。「本気の願望」は願い事や思いつきや、故意に立てた偽物の目標ではありません。達成するのにあまり努力のいらない新年の誓いでもありません。
素晴らしい夢でもなければ、そうだったらいいなというような事柄でもありません。そんな程度だったら結果はでません。「本気の願望」は本気でワクワクするような事柄です。「本気の願望」に向かって突き進む時、途中に立ちはだかるものがあるでしょう。でも、どんなものもあなたを止めることはできません。
障壁や障害に打ち勝つ
今いる場所から望む場所に着く途中には、必ず障壁や障害があります。願望がものすごく強ければ、すぐにそこに向かって出発し、そこに着くために多額のお金や膨大な時間を費やすことでしょう。
そうなれば、ほとんどそこに着いたも同然です。でもある日願望よりも大きな障壁や障害が立ちはだかって、立ち止まざるを得なくなります。それは悪い知らせです。でもラッキーなことに、「本気の願望」を追い求めている時にあなたを止めることができる障壁や障害はありません。
障害があると、ひるんで進むペースは落ちるかもしれません。障害を乗り越えるのが大変でひどく傷つくかもしれません。でも「本気の願望」に焦点を合わせていれば、どんな障害もあなたを止めることはできません。
それほど強い願望ではない時には、簡単に脇道に逸れてしまいます。全身全霊を傾けていれば、失敗は選択肢にはありません。中途半端な気持ちのアスリートやチームは、絶対にチャンピオンにはなれません。
中途半端な人間関係は続きません。中途半端な気持ちのセールスパーソンは平凡で経済的に苦しい人生を送ります。中途半端に何かをしても道半ばまでしか行けません。何をするにも全身全霊を傾けなければ、平凡で終わるか失敗してしまいます。
どんな障害も必死の解決策にはかないません。「本気の願望」があるから解決策が浮かびます。障害を打ち負かす能力は「本気の願望」と「征服力」からもたらされます。
-リー・ミルティア