戦略 2018/02/03

プロのように上手く書けずともライターという人生を楽しむ方法(前編)


From:マイケル・マスターソン

ハリーポッターシリーズのJ・K・ローリングに次いで、世界で最もリッチで多作な作家といえばジェイムズ・パタースンですよ。

ご存知ない方のために説明すると、彼は『Don’t Blink』(仮邦題『瞬きするな』)や、『The Postcard Killers』(仮邦題『ポストカード・キラーズ』)をはじめ、過去10年間で48作品がベストセラー入りしている作家です。

パタースンはどこから見ても非常に成功している作家ですよ。しかし、彼には輝かしい思考や仕事に対する情熱など、通常のベストセラー作家が備えているであろう才能はありません。

その代わりに、ある種のスキルを持っているのです。そして、執筆を手伝うアシスタントを雇うことによって、そのスキルを大いに活用しています。

彼らはパタースンの指示に従い作業の80パーセントをこなします。そして、パタースン自らがフィクション作品の重要な要素であるテンポと緊張感を出すために原稿を編集します。

アシスタントに小説の概要を与え、最後に自分で編集をすることで、彼のテイストはしっかり残されるのだと断言していますよ。そして、これは、、、


成功しているセールスライターやインターネットの権威にも言えることです。


私も実際、若手のライターに記事を代筆させている有名な権威を多数知っていますからね。しかし、ゴーストライターにも質の良し悪しがあり、良いライターでなければその権威者の評判を落とすことにもなります。

しかしながら、パタースンは賢い方法を使っていますよ。彼は執筆に協力したアシスタントの名前も作品に記載しているのです。こうすることによって、両者の関係をより偽りの無いものにし、またアシスタントは金銭よりももっと素晴らしい報酬を得ることになります。

私のクライアントの中には金融や健康に関する著名な作家も数人います。もし、彼らがより多くの作品を創作できればビジネスも拡大するのですが、今のところ私のその提案は拒まれていますね。彼らは自分たちほど上手く書けるライターはほかにいないと思っているので、アシスタントを使いたくないのです。そして、もうひとつの理由は、自分の名誉をほかの誰とも分け合いたくないからですよ。どちらもエゴの問題ですよね。何度もお伝えしているように、、、


エゴと怠慢はライターにとっては最大の欠点ですよ。


パターソンの例は、アシスタントを使うことによって商品の品質を(今までと同程度に)維持し、あなたの名前をより広く宣伝し、成果を倍にできることを証明しています。

彼のために働く意思のある有能なリサーチャーやライターを巧みに利用することで、パタースンは年間8冊以上の本を出版していますよ。2010年の彼の年収は7000万ドル(70億円)と推定されていました。

ただ、この記事はジェイムズ・パタースンの紹介ではなく、作家のアシスタントやリサーチャーとして大金を稼いだ3人、ピーター・デ・ヨン、アンドリュー・グロス、マイクル・レドウィッジのような人たちに関するものです。巨匠のアシスタントとして働くことで、ベストセラー作家になったケースもありますよ。

私がここで話しているのは、どんなに頑張って執筆し出版しても100冊以下しか売れない作家が9割以上だということです。パタースンのアシスタントになるチャンスは限られていますが、あなたがプロのライターの仕事を手伝うことで数千万円という魅力的な収入を得られるチャンスは何百、何千とあるのですよ。


インターネットが普及する前には存在しなかった、新しく急速に成長している職業とは?


つまり、私が言いたいのはインターネットが普及する前には存在しなかった新しい職業、すなわちダイレクト・レスポンス・コンテンツ・ビジネスのアシスタントライター、またはリサーチャーになることですよ。これは、かなり刺激的なチャンスですよ。なぜかというと、それはまだ新しく急速に成長している最中だからです。仕事を得る機会がより多くあり、素晴らしい報酬が手に入るのです。

では、例を挙げてみましょう。

数年前、ジュディス・シュトラウスと私は『Words that Work』(仮邦題『効果的な言葉』)という本を執筆し出版しました。約10年間毎日続いている「Early to Rise」(アーリー・トゥ・ライズ、ウェブサイト)の「傾聴すべき一言コラム」に登場した言い回しを厳選し、まとめた本です。今年の初めに重版を出したかったのですが、諸事情によりジュディスが私と共に仕事をすることができませんでした。そこで、アシスタントを探すためにAWAIに働きかけました。

通常、私がケイティ・イークル(AWAI CEO)に電話をかけるのはセールスライターを探しているときですが、このとき必要としていたのは基本的なリサーチと簡単な文章を構成できる人です。あなたの隣でケイティが助けてくれても、スキルのあるセールスライターを探すのは容易なことではありません。しかし、リサーチや簡潔な文に要約できる人を見つけるのははるかに簡単な仕事でした。

私が見つけたのは、助成金の申請書を書く仕事をすでに退職したアーティストの女性です。先月から一緒に仕事を始めましたが、彼女の担当はかなり分かりやすいものでしたよ。まず、私が本で取り上げたい言葉のリストを彼女に送ります。彼女は数冊の辞書からその言葉の定義を調べ、重複している意味の中から最もシンプルな表現を選ぶのです。


リサーチャーの報酬額は?


この作業の報酬は3000ドル(30万円)で、完成させるのに45~60時間程かかったと思います。私が十数個の単語を編集している間に、彼女は私が求める言葉の定義や文体も理解してくれました。おかげで、この仕事はお互いにとってもスムーズに進むだろうと期待しましたよ。作業は手早く進み、最終的に彼女の報酬は時給50ドル(5000円)~75ドル(7500円)にも及んでいました。

さらに、私たちはこの過程を通じて「言葉遊びの仲間」にもなりましたよ。言葉に関して興味のある記事(ボブ・ブライが書いているものも含む)をお互いに送り、用法を話し合って楽しんでいます。この良い経験からも、私はその本を「効果的な言い回し集」だけには留めず、『One Thousand Words to Know Before You Die』(仮邦題『死ぬまでに知っておくべき1000の名言』)に発展させようと決めました。

この本のアイディアはホメロスの時代から現代までの西洋文学において、重要な思考様式から生まれた1000個の言葉や言い回しを紹介することです。言葉遣いや文法の使用法についてコメントするだけではなく、これらの言葉が古代ギリシャ時代から現在に至るまで、歴史の中でどのように追加され差し引かれていったのかも説明するつもりです。

意欲作であるのは確かですし執筆していて楽しい本でもありますね。リサーチャーとしての仕事内容はほぼ同じですが、彼女は私が言葉を選別したり抜粋するのを手伝い、現代の利口な人たちの思考を形成する芸術的、文化的、政治的で文学的なアイディアを楽しんで学んでいますよ。

さらに、今回は彼女にとってより大きな仕事になっています。私は彼女の報酬を3000ドル(30万円)から1万ドル(100万円)に引き上げ、さらに売上利益の何パーセントかも渡すつもりですよ。彼女の報酬は現段階で時給100ドル(1万円)程度まで上がっていますし、本が売れれば最終的にその2、3倍にもなるでしょうね。


プロのライターになる新しい1つの道


この話のポイントは、このような新しい業界をあなたにも紹介することです。2000年頃にインターネットが爆発的に普及して以来、情報発信が急増して発展し続けているのですよ。この新しいタイプの職業は洗練されたフィクションや説得力のある文章の書き方をマスターする必要もなく、楽しんで仕事をすることができます。プロのライターになる道を開くことも可能ですよ(収入の増加も期待できます)。

数ヶ月前、ドン・マホニーと私が共同執筆する本のアシスタントを探していたときも、私はケイティとレベッカに助けてもらいました。これはバーネット・グリーンベルグという無名の画家に関する研究論文で、彼の作品なども私とドンで彼の家族から買い取ったんですよ。

この本のアシスタントとして選んだ人物もリサーチと文章を書くことになるでしょうね。ただし、文書の構成や修正などは担当しません。ジェイムズ・パタースンのアシスタントとやることは同じですよ。テーマは小説ではなく伝記ですけどね。

もし、ドンと私がこの無名の画家を、ユダヤ文化やアートコレクター、アーチファクト(非常に儲かるニッチマーケット)の間で名の知れた集客力のあるアーティストにすることができれば、このアシスタントも高額の報酬やラジオ・テレビ番組への出演(彼が望むならですが)など、たくさんの特典に喜ぶことになるでしょうね。


インターネットの急激な広がりで、このネットリサーチャーの市場規模は1000倍に!?


2000年より前の時代、リサーチャーは終わりのない仕事をし続けるだけの労働者で、報酬もほとんど得られず、熱心な仕事ぶりが認められることもありませんでした。しかし、今の情報発信の世の中では何万というライターや出版社が、インターネットで激増している多数の出版物の製作を手助けしてくれる人を探しているのですよ。

需要を考えてみて下さい。書籍、レポート、エッセイ、ブログ、ウェブコンテンツ、Eレター、Webマガジン、調査、研究論文、科学的調査、マーケティング調査、宗教に関する著作物、非営利のパンフレット、年次評価、評論文、自動配信ものなど、このリストは無限に続きますよ。

それに、インターネットのおかげで市場は成長し続けています。Googleによると、ウェブページの数はすでに1兆を超えているそうですよ(検索ページの索引には約150億のウェブページが載せられていると推定されます)。毎日作り出されているウェブページは100万以上にもなるのです。

プロのライターのための市場が2000年以来10倍に増えているとすれば、ネットリサーチのスペシャリストの市場はおそらく1000倍に増えていますよ。

どういうことかわかりますか?

プロのライターになろうと考えているが、希望の報酬額を手にするレベルに達していないあなた。これは、欲しいだけのお金を稼げる絶好のチャンスですよ。

フリーランスライターとして人生を歩みたいが、根気や才能がないあなた。これは、執筆術を学ぶことなくライターになれる素晴らしい道ですよ。

ネットリサーチのスペシャリストにとって、この先最大級のチャンスがあるのは、セールスと通信販売を基盤にしたダイレクト・マーケティング業界です。ご存知かと思いますが、市場規模は2兆ドル(200兆円)にもなりますよ。新聞広告等も含めた従来の広告業界よりも大規模なのです。2000年以来、5~7パーセントの割合で成長を続け、今の世界では最も急成長を遂げている市場のひとつです。

(後編へ続く)


-マイケル・マスターソン


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