長時間労働の罠
From 高木 仁也
朝、大阪のスタバより、、、
最近、お客さんのアンケートに目を通す機会が多いのですが、よく目にすることがあります。それが
メチャクチャ働いてる。
ということです。
朝から晩まで働いて、休みなくずっと働いているんです。という話をよく目にします。
ウチのお客さんは社長や経営者、自営業の方が多いので、働く時間が直接収入に繋がっている方ばかりです。
なので、働く時間が減らない。という悩みを抱えている方は多いんじゃないかなと思います。今日は、その原因というか、なぜそんな事が起こるのか?について、面白いデータがあったのでシェアさせていただきますね。
働けば働くほど、働く時間が増える理由
少し考えていただきたいのですが、そもそもなんで働けば働くほど、働く時間が増えるのでしょうか?
仕事をすればするほど、長時間働けば働くほど、より長い時間働かないといけなくなってしまうのでしょうか?
なぜでしょう?
普通に「仕事が増える」ってだけなら純粋に売上があがって、利益も残るので嬉しいことだと思うんですが、ここでの仕事が増えるというのは、売上が発生しない仕事。収入に直結しない仕事です。
時間を費やしてもお金にならない仕事のことです。
やらなければいけない仕事ではあるものの、そもそもなんで、そのような仕事がドンドン増えてしまうのか。雑用みたいな仕事が増えてしまう理由は何でしょうか?
その理由の1つとして、人間は長時間働くと集中力が減ります。あなたも経験されていると思いますが、12時間働いた後は、最初に仕事をする時よりも集中力は無いに等しいですよね。
そうなると、人間はミスをするようになってしまいます。
これは、その人がダメな人間だとか、だらしないとかではなく、人は長時間仕事をし続けるとミスをするようになるんです。
そしてやっかいなのは、このミスを修復することに1番時間がかかってしまうということなんです。1から何かをやるよりも、ミスを修復する方が労力も時間もかかってしまうんです。
日本車と外車の違い
ミスを修復するのに労力がかかると言われても、あんまりピンと来ない方もいらっしゃると思います。実際に、僕もこの話を聞いた時は「ほんとかよ?」って思ったんですけど、面白い事例がありました。
それが日本で製造する高級車と、海外で製造する高級車の製造での違いです。
日本で製造する車の場合、1台製造するのに平均で17時間かかるそうです。工場の最初のラインに部品が投入されてから17時間後には1台の車が出来上がるんですね。で、100台製造したら、34件欠陥品が出てくるそうです。
一方で、海外で製造する車の場合、1台製造するのに平均で57時間かかるそうなんです。
日本で17時間なのに、海外では57時間。1台製造するのに約3倍もの時間がかかってしまっているんです。セールスライティングで書くとしたら、「それだけ時間をかけて車を製造しています」的なコピーになるのかもしれませんけど、違います。w
さらに、海外では100台製造したら、78件は欠陥が出ていたんですね。
これらの違いは何でしょうか?
なぜ、これほど時間と欠陥に差が出てくるのでしょうか?
それは、製造過程に違いがありました。
日本の場合は、ミスした瞬間にそのミスを修復して、原因を追求し、二度とミスが起こらないように改善をします。車が完成する間近でそのような欠陥があるのを防ぐ為です。
問題点は1回で修復して、その後に同じ問題は二度と起こらない。最初に直さないと、同じ欠陥がそのあと何百台もの車に出てしまうから、その場で二度と同じ問題が起こらないように管理しています。
一方で海外の場合は、途中で修復はなく、最後に白衣を着た人が大勢いて、あらゆる問題をチェックして直していくそうなんです。ドアを閉めた時に重い音がするか?きちんと閉まるのか?エンジン音は正しい音を出しているか?全てのパーツが調和しているか。
などなど、最後に全てをチェックしているんです。ミスが出たら、最後に修復するという形で車を製造していたんです。
その結果として、海外の自動車工場は車を製造するのに時間を使っているのではなく、欠陥を直す為に時間を費やしていたというわけです。
働く時間を減らすには?
多くの人が働く時間を減らすためには、自分の生産性を上げるために効率を重視するとか、強みにフォーカスするって事を行います。
もちろん、それらも非常に重要なことなんですがまずやらなければいけないのは、「無駄な仕事を生み出しているミスは何か?」「仕事を増やしているミスは何か?」を特定して、それらをなくすことです。
それらをなくす事が出来れば、無駄な仕事をやる必要はなくなり、本来集中して取り組むべき仕事に取り組むことが出来ますし、働く時間も減るので、家族との時間も増やしたりできますよね。
今、あなたの働く時間が一向に減らないのなら、それは気付かない所で起こっている、ミスが引き起こしているのかもしれません。
そのミスが起こらないようにするだけで、あなたの仕事は一気に減るかもしれません。