歴史 2018/03/01

100万円の幼稚園


ディズニー体操

神話が生まれるほど強かった日本が、今でもへりくだったままとは、アメリカ人には想像もできない。国と家族は命を懸けて守るもの、その義務とその誇りを捨てた日本を信じられない。

数年前、私の娘(麗蘭)が通っていた麗澤幼稚園(千葉県柏市)で「父の日」があり、私も朝8時30分から参加した。

この幼稚園は深緑とバラ園に囲まれた総木造の優美な建物である。60名ほどの父親が来ていた。母親たちも数多く見学していた。

幼稚園の先生が声高らかに「皆さん、ディズニー体操を始めましょう」と言い、私が聞いたこともない「ディズニー体操」の音楽が始まった。私と娘だけが踊っていない。踊れない。

ディズニーは卓越した才能を持った集団で、アメリカ文化製造業の代表的なお金持ちの会社。日本の天才的なアニメ作者を買収に来ているのもディズニーだ。

その会社名の体操を日本の幼稚園で教えるとは、私には理解できなかった。アメリカの幼稚園で父の日に、「ポケモン体操」「トヨタ体操」を実行したら、政治問題にまで発展する。


幼稚園ランキング

日本の幼稚園と米国の幼稚園を比べ得る稀な経験が、私の子供2人を通してあるので、記述したい。

私が研究教授として勤務しているスタンフォード大学のキャンパス内に、全米の「幼稚園ランキング」で毎年1、2番と評判が高い、保育所兼幼稚園の「ビング園」がある。

自然に恵まれ、巨木に囲まれた美しい幼稚園だ。スタンフォード大学児童心理学科の「実験室」である。

スタンフォード大学の様子


ここに入るのは、大学入試より大変で、私の妻は妊娠するやいなや、入園を申し込んだ。息子(武尊)が生まれたが、3ヵ年待たされ、三者面談があり、やっと入園許可。

子供が3歳になって願書を出すと、受付の大学院生のお嬢さんが笑みを浮かべ、「3ヵ年待っていただきますので、見込みありません」と願書を受け取ってくれない。妊娠する前に、願書を提出するお母さんがいると聞いた。


7ヶ月、100万円

ビング園の願書には、日本では想像もつかない「不平等」「非民主主義的」な優先順序が最も目につくところに箇条書きで書いてある。

(1)スタンフォード大学教授および研究教授の子供

(2)入園希望児の姉または兄がビング園の卒園児

(3)スタンフォード大学職員の子供

(4)その他(まず絶望的)

年間(週5日、8時15分から11時45分まで。7ヵ月間)の園費(外部の者)は8575ドル(約100万円)である。

大学関係者は、入園費も20万円安くして貰える。



西鋭夫著『日米魂力戦』

第4章「国の意識」の違い –2


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