歴史
2017/09/27
蹂躙された帝国の聖地
占領の足枷
凶暴かつ激動の20世紀を疾風のごとく駆け抜けた日本帝国は、魂の情念が燃え上がったかのように、息が止まるほど美しく悲劇的であった。
その日本帝国の盛衰を「諸行無常の響きあり」と受け止めるだけの悟りも、精神的な鷹揚さも、成熟さも、私は持っていない。
戦後日本を作った「アメリカ日本占領」の枷から自由になれない日本で生活している私の心は、「無」になれない。
帝国の聖地
1945年の真夏、50万人の敵軍が焦土日本に上陸した。
力尽きた日本人は、雄々しい敵兵を見て、痛烈な自信喪失に陥った。
日本帝国の聖地が、夢の跡が、次々と敵兵の軍靴に踏み荒らされたが、我々日本人は抵抗する力も意志も残っていなかった。
夢を失った民
夢を追い、ロマンの炎に身を焦がし、追えば追うほど遠くへ行ってしまう夢。
それでも、その夢を見失うことなく追い求めた、貧しかったが勇敢であったあの国民は、もはや死に絶えてしまったのだろうか。
戦後の日本国民は、夢を失った民なのだろうか。