歴史 2019/02/18

調教された7年間


敗戦国日本の屈辱

アメリカは武力で日本を壊滅状態にまで打ち破り、力で日本をねじ伏せた。日本は何をされても文句も言えず、言う気力も残っていなかった。アメリカによる敗戦国日本の占領は、日本の近代化および国際社会への進出を促進した明治維新よりも大改革であった。その占領について、日本の小・中・高・大学では、あたかも臭いものにフタをするかのように全く何も教えない。

日本を大変身させた歴史上の大事件について、将来の日本を背負っていく世代をいつまで無知のままにしておくのか。

明治維新については詳しく教育する文部省だが、アメリカの占領政策、すなわち、アメリカによる日本帝国解体と「民主主義日本」については、勝者アメリカに強制された改革なので、経済大国日本が今さら過去の「恥部」をさらけ出すことはないとでも思っているのか。

降伏文書調印に向かう日本政府全権

7年間の占領

戦後50年間、盲目的にアメリカに追随している日本の「根性なし」の原因は、アメリカの日本占領政策が、世界歴史上まれに見る輝かしい大成功であったゆえである。占領はアメリカにとって大成功だった。アメリカの成功は日本の屈辱となった。

アメリカによる敗戦日本の占領は、広島・長崎に原子爆弾が落とされ、日本帝国が無条件降伏した1945年(昭和20年)から1952年(昭和27年)までの7年間であった。

終わりなき支配

最近の「ジャパン・バッシング」に象徴されるように、アメリカの日本支配はいまだに終結していない。

それどころか、昭和から平成へと時代は変わっていったが、日本は今でさえ、アメリカからの外圧で自国の外交政策を作り、1兆3000億円ものODAを海外にばらまき、さらに土下座し、わけのわからない理由で謝罪セリフを吐き、なんとか国際社会の中で、アジア諸国の中で日本の存在を認めてもらいたいと涙ぐましい努力をしている。

日本の何を評価してもらいたいのか。「カネ」のほかに、戦後日本は世界に貢献するものを持っているのか。日本は持っていないと思っているのだろう。その自信のなさ、その自己懐疑が表面にあからさまに出ているので、弱みにつけ込まれるのだ。


西鋭夫著『富国弱民ニッポン』

第1章 富国日本の現状−13




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