歴史 2018/05/28

日本の常任理事国入りはあり得るのか


分担金から見た日本

日本の分担額20%に比べ、他の主要諸国がどれほど出しているか(2003年度)を%で羅列すれば、日本だけが食い物にされている現状が歴然としてくる(読者の方々が気分を悪くされるのではないかと心配している)。

永久常任理事国(拒否権・有)

中国 1.50%(核保有)

ロシア 1.20%(核保有)

英国 5.53%(核保有)

フランス 6.46%(核保有)

米国 22.00%(核保有)

臨時メンバー国(10ヵ国・2ヵ年の期限つき。次の選出選挙は2004年)

ドイツ     9.76%

スペイン    2.51%

メキシコ    1.08%

チリ      0.21%

パキスタン   0.06%(核保有)

シリア     0.08%

ブルガリア   0.01%

アンゴラ    0.002%

ギニア     0.003%(安保理の現議長国)

その他、日本人が良く知っている国々

カナダ     2.55%

ブラジル    2.39%

韓国      1.85%

北朝鮮     0.009%(核保有)

スウェーデン  1.02%

オーストラリア 1.62%

インドネシア  0.20%

インド     0.3%(核保有)

イラン     0.27%(核保有)

イスラエル   0.41%(核保有)

イラク     0.13%

サウジアラビア 0.55%

トルコ     0.44%


日本の20%は、アメリカを除いた常任理事国4ヵ国の合計14.69%よりも遥かに多い。計算の間違いではないかとまで思わせるほど、多額の金を出している。日本の桁違いの出費は、徳川幕府が外様に大金を使わせ、弱くしておこうと企んだ「参勤交代」と同じようなものではないのか。

ちなみに、私たち戦後教育を受けた日本人は、日本が「東洋のスイス」になれば「純粋平和」と「完全中立」が達成できると教えられてきたが、その憧れのスイスは、国連設立から57年も経った2002年9月10日に、初めて国連に加盟した。


献金大国ニッポン

日本軽視は、まだある。

その1つ。日本の国連分担額が計算間違いかのような20%(1000億円)と記述したが、本当はもっと絞り上げられている。国連難民高等弁務官事務所への献金、国連開発計画への献金、世界保健機関への献金と、底なしの方程式で、毎年、日本は1000億円の上に、さらに1400億円を出している。

毎年、2400億円である。国連に、「公平さ」という考えは存在しない。日本の国連信仰は日本人が必死に金を注ぎ込んで、国連に「平和の幻想」(憲法第9条)を維持してもらいたいという空しい願望のあがきである。国連が1度でも日本のために何かしてくれたのか。


敵国条項

日本軽視、その2。

これほど国連に貢いでいる日本が、普段目につかない所で侮辱されている。国連憲章文(第53条と第107条)の中で日本はかつての「敵国」と明記してある。日本政府はこの言葉を削除して欲しいと頼んでいるが、無視され、「敵国」のままの状態が戦後60年間も続いている。


この差別が真剣な問題なのは、未だに日本やドイツが「国連の敵」であると見なされているので、安保理の審議なしに米国か中国かロシアが日本に対して軍事制裁をしても良いということになっているからだ。

ちなみに、第一次世界大戦の後、ベルサイユ条約の発効と日を同じくして、1920年1月10日にスイス・ジュネーブで設立された国際連盟では、日本は常任理事国として絶大な影響力を発揮していた。卓越した日本人・新渡戸稲造博士(5000円紙幣の顔)が連盟事務局次長として、世界から集まった大使たちを圧倒していたのだ。


西鋭夫著『日米魂力戦』

第4章「国の意識」の違い –27

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