日本にとって真の友好国とは
自殺大国
(4)日本は「転落」したのではない。日本が毎年1兆3000億円を出資するのは多すぎる。日本国内で年間3万人強の働きたい人たちが仕事もなく家族を支えきれず、「俺の生命保険で生活してくれ」と自殺をしてゆく(3年間で、9万3419名)。
30万人が自殺未遂である(『実業界』2002年7月号)。自殺者が年間3万人を超えたのは平成10(1998)年で、3万2863人だ。統計の出ている平成13年までの、4年間の自殺者総数は12万8910人。40代、50代、60代の男性が圧倒的に多く自殺している。
失業者も戦後60年間で最悪と言われるほど多い。10%が正確な失業率であろう。まず、税金を納めていたその人たちを救済するための「国内ODA」を実行するべきである。
援助外交の行方
この悲惨な国内の実情は、もはや「経済的な問題」ではない。国民の幸せを忘れ、勇気という精神力もなく、信念に支えられた誇りもなく、使命感もなく、責任感さえもない派閥政治家たちと、政治の貧困ともいうべき官僚行政のおごりが引き起こした日本の悲劇なのだ。
日本の実情に照らし合わせて見た時、日本の海外援助金が異常に多額であるのは「世界の貧困を救済するため」と美しい看板が付いているため、国民は反対もできずに出資をしているからだ。
国民の好意を乱用して、その甘い大金に政治家と企業と官僚が群がっているから、総額が少なくならない。ODAも美味しい利権の皿なのだろう。それ故か、毎年、日本政府は海外援助金(税金1兆3000億円)を「金」ではないかのように海外へばらまいている。これでも友達・同盟国を買えない。世界中で、日本の真の友達はどの国なのだろうか。
国連分担金
国家予算の半分が赤字国債である日本で、湯水のごとく浪費を重ね、国民の生活を苦しめているのはODAだけではない。毎年、別の管を通って日本のお金(莫大な税金)が国外へ流れ出している。ニューヨークの名所の1つ、長方形の高層ガラス張りの国際連合(国連)へ納める巨額な「会費」だ。
国連は、第二次世界大戦が日本帝国の降伏で終結する1ヵ月半前の1945年6月26日、戦勝諸国が日本とドイツを押さえつけておくため、アメリカが主導者となってサンフランシスコ会議で設立された機関である。
敗戦日本は、国連に加盟を申請しても、ソ連に「拒否権」を発動され加盟させて貰えなかった。アジアの悪い国としてさらし者になっていた。
西鋭夫著『日米魂力戦』
第4章「国の意識」の違い –24