歴史 2018/04/02

北東アジアのテロ国家


日韓ワールドカップの裏で

2000年6月、朝鮮半島で韓国が動きを見せた。1996年9月、1997年6月、1998年12月、1999年6月と、海上で北朝鮮が仕掛けた銃撃戦が起こり、死者が多数出たのにもかかわらず、余裕のある韓国が「太陽政策」(ノーベル平和賞)と名づけられた融和政策を持ち出し、食べ物に飢えている北朝鮮に近づいた。

ところが、軍事独裁で鎖国状態の北朝鮮は、隣国同胞の善意を素直に受け入れられる精神状態ではなく、また銃で応えた。2002年6月29日午前10時半ごろ、韓国の西海岸沖の黄海で、北朝鮮海軍の警備艇2隻が韓国海軍艇4隻を砲撃した。

韓国艇1隻が沈没、死者4名、行方不明1名、負傷19名。北朝鮮も同じ位の打撃を受けたと思われる。当日、日韓共催サッカー・ワールド・カップで劇的に準決勝まで勝ち進んだ韓国では、国を挙げてのお祭り騒ぎで、夜8時から始まる対トルコとの3位決定戦で頭がいっぱいだった。試合はトルコが3対2で勝った。



ユートピア憲法

一触即発で火を噴く南・北にもかかわらず、日本では対岸の火事だから火の粉は飛んで来ないと安心している。日本に数多く住み着いている護憲論者たちも、第9条があるから日本は平和を謳歌することができ、憲法(マッカーサー著)を今のままにしておけば、日本は永久に「東洋のスイス」でいられると信じている。

第9条の裏社会(平和のカラクリ)を操っている在日米軍については一言もない。第9条神社で真剣に祈っても、テポドンは飛んでくる。

テポドンは改良に改良が重ねられ、今やホノルルはもちろん、ロサンジェルスも標的にできるほどの長距離弾道ミサイルになっている。


ミサイルの脅威

北朝鮮はミサイルを撃ちたくてウズウズしている。事実、2003年2月24日、またミサイルを発射し、弾頭を意図的に日本海に落とした。米国務長官パウエルが日本、中国、韓国を訪問して北朝鮮の核保有と好戦的な姿勢について協議をしている最中の暴挙である。

「おれに注目しろ」と足太鼓をたたいているみたいだが、テロ国家北朝鮮は真剣に取り扱わねばならない。

すでに数百発のノドンとテポドンが東京や大阪を照準にして配置されている。北朝鮮から発射されたノドンは、10分以内に東京に着弾する。広島と長崎に落とされた原爆よりも数倍破壊力のある核爆弾を撃ち込まれたら、数百万人が即死である。

北朝鮮は東京に狙いを定めれば、米政府も動きが取れず、北朝鮮と直接交渉をするのではないかと読んでいる。北朝鮮が情勢を読み間違えて、核一発でも日本に向けて撃てば、在日米軍は北朝鮮を白い灰にしてしまうだろうが、日本の主要都市はすでに灰燼に帰している。

このような推測をすること自体が「平和的ではない」と非難されるが、日本の近隣諸国は日を追って凶暴になっており、核武装に全力を尽くしている。



西鋭夫著『日米魂力戦』

第4章「国の意識」の違い –11

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