歴史 2019/01/03

「日の丸」を大切にする国へ


成金大国

最近、ある統計で、東京はニューヨークより物価が1.65倍高いと出ているのを見た。私の経験では、日本での生活はアメリカで生活するよりも三倍は高くつくと思う。日本国内で円に購買力がないからだ。

毎年、一兆円以上ものODA(日本の発展途上国への政府開発援助金)を、今様サンタクロースのように海外へばらまいているのも日本だ(1995年度は1兆3000億円)。これで「同盟国」を買うつもりか。日本の真の友達は、世界中で一国でもあるのか。どこの国が日本の友達なのか。日本は、金持ちになりすぎて嫌われているのか。それとも、「日本人」の「人徳」がないゆえ、誰からも慕われないのか。

アメリカと日本の関係は、戦後50年の間に下剋上になったのだろうか。敗戦国日本は世界ナンバー・ワンのアメリカを打ち破り、太平洋の覇者になった。そう思うのは、「成金日本」の刹那的な妄想か。「ジャパン・バッシング」にうろたえ、「外圧」で国の政治・政策を行う日本は、ひいき目に見ても太平洋のチャンピオンとはいえない。


米追従型外交

それどころか、日本はアメリカに異常なまでに追随し、まるでアメリカの忠実な植民地のようである。日本人はまじめで、頭が良く、文句も言わず、黙々と働くロボットの群衆のように見えるのである。だが、それだけではない。

アメリカは、「日本人のまじめ」の裏には世界経済支配への野望を持っているに違いないと思っている。1970年から1990年の20年間、日本はアメリカの富の象徴を買いあさったのだ。アメリカの恨みは骨髄にまで達している。


在米生活30年の想い

私は、アメリカから30年間、母国日本に深い憂国の思いを持ち、観察していたことを率直に述べるつもりだ。アメリカが日本をどう思っているか、私のアメリカ人の友人たちが日本をどう見ているのかを、はっきりと述べてみようと思う。

愛国心に燃えているアメリカ人が、国旗「日の丸」を大切にしない日本人をどう思っているか。国歌など歌わなくてもよいと教育する日本をどう見ているか。時折、辛辣な言葉が飛び出してくると思うが、それは母国日本を軽蔑して言うのではなく、日本がすばらしい伝統文化を持っている独立国として、誇りを持って二十一世紀に向かってほしいと思うからである。



西鋭夫著『富国弱民ニッポン』

はじめに−4



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