大英図書館
From:岡崎 匡史
世界の図書館③
大英図書館は、もともと「大英博物館」にあった。
大英博物館は18世紀中頃、医師サー・ハンス・スローン(1660〜1753)による多様なコレクションの寄贈を礎にして建設された。
1759年のオープンにあわせて、ジョージ2世やジョージ3世の「キングスライブリー」と呼ばれる蔵書なども寄贈された。
大英図書館の建設
世界を牛耳る大英帝国の時代を迎えると、世界中の英国植民地から現地の蒐集品が大英博物館に集まりだす。
しかし、貪欲に駆られた英国は、世界の財産を収集しすぎてしまう。
展示する場所の確保が追いつかない。
20世紀後半になり、図書コレクションは分離独立して近代的な大英図書館が作られた。
大英図書館に入って圧倒されることは、王立コレクションの革張りの書籍がガラス張りで書庫に展示されていることである。
1500万点を超える資料を保全する地域別の書庫が設置されており、調査研究を行う人々に門戸を開いている。
イギリスとアイルランドで出版されたすべての書籍が納入され、さらに世界の書籍を購入している。年間で約300万冊の資料が、毎年増加している。
イギリスの至宝
さらに、手続きをすることなしに、社会科の教科書でしか見たことのないようなイギリスの歴史的な至宝を閲覧することができる。
たとえば、1215年に発布された大憲章(マグナ・カルタ)、1453年に活版印刷術によって初めて印刷された聖書、シェイクスピアの原本、ベートーベンの楽譜からビートルズの自筆の歌詞なども展示されている。
大英博物館から分離独立した大英図書館は、世界各国の専門的な資料を集めつつも、英国の歴史を肌で感じる工夫がなされている。
ー岡崎 匡史
PS. 以下の文献を参考にしました。
・Michael Leapman. 2012. The Book of the British Library. London: Library British,