読書をもっと効率化しよう
成人のアメリカ人は1分あたり平均150語を読む。このペースだと250ページの本を読むのに12時間かかるが、速読を学べば簡単にスピードを3倍にできる。速読術を身につければ、最終的には私の母のような読み方ができるようになるのだ。彼女は250ページの小説を90分で読み終えていた。
キャリア構築や目標達成に向けては、ノンフィクションの本を多数読むことが必須になる。そこで速読のテクニックを使えば、あなたが読む本の80%はより早く読め、より多くのことを記憶できるだろう。
では、速読のテクニックを説明しよう。
まずは目次を読み、本から具体的に何を学びたいのか自問する。あまり欲張ってはいけない。読もうとしているのが本やレポート、または記事であっても、そこからたった1つのアイディアを学ぶ方がより効率的で、長い間多くのことを覚えておくことができるのだ。
ここでいうアイディアとは、ビッグ・アイディアを指している。あなたにとって目新しい原則や視点、成功の手助けとなる重要な見解のことだ。
あなたが本を読む主な目的は、このビッグ・アイディアを見つけることなのだ。それを理解して、あなたの生活に取り入れる方法を考える。そして、学んだことを忘れずに、いつでも活用できるようにしておくのだ。
アイディアを1つだけ得るという目的に絞れば、それ以外の関係ないことはすべて無視して、本を読み飛ばすことが可能だ。
ビッグ・アイディアの原則を頭に入れ、速読による読解能力を高めるために、以下の方法を試してほしい。
1. 序章や導入部に目を通す。本によっては内容が簡潔にまとめられている。
もしそうであれば、序章はすべて読み通そう。
2. 各章の始めと終わりの段落をすべて読む。
3. 各段落の始めの文章を読む。
この方法で流し読みをするだけで、多くのことを「読み取れる」ことに驚くはずだ。重要な箇所に差し掛かったらスピードを落として読んでもいい。しかし、必要な情報を得たらすぐに速読のペースに戻そう。
この方法なら1分間に1500語は読める。これは通常の10倍のスピードだ。この読み方を練習してあなたの専門分野に適用すれば、さらに速く読めるようになる。
しかし、速く読むだけではいけない。しっかり記憶することが重要だ。
本を読み終わったらすぐに誰かを捕まえて、あなたが読書から学んだことを話そう。その本のビッグ・アイディアを明確に説明し、あなたが重要だと思う補足情報も伝える。話し相手がいないなら、それらを書き出してもいい。
その後、24時間以内に同じことをおこなう。すべてではなくても、必要な箇所はできるだけ声に出して記憶するようにしよう。
さらに、その24時間以内にこれを繰り返す。
人は24時間以内に学んだことの80%を忘れてしまう。残りの20%の大部分も、1週間以内に忘れることが研究で示されているのだ。しかし、ビッグ・アイディアに焦点を絞り、72時間以内にそのアイディアと補足情報を3回語ることで、内容の80%を永久に記憶することが可能になる。
この方法は有効だ。私は1年以上実践しているが、以前よりも読んだ本を活用できるようになった。例えば、あるフレーズや専門用語、題名、著者などがすぐ頭に浮かぶのだ。
また、思考がより「つながる」ようにもなった。人気のビジネスや財政にまつわるアイディアが、アートや文学などに関連しているのを理解し始めたのだ。そして、自信を持って話せるようになり(作り話もせずにすむ)、議論の説得力が増したと思う。
この速読のテクニックを雑誌の記事には使わないが、本を読むときには毎回活用しており、その数は年50冊にもなる。
あなたももっと多くの本を効率的に読もう。そして、速読の活用法を見つけたら教えてほしい。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ