富とお金 2018/11/07

経験を活かして投資する2つの方法




知っていることだけに投資する、という投資の大原則に従っている場合、新しいことに投資したいときはいったいどうすればよいのだろうか?

これは富を築く上での根本的な問題でもある。そして、私は次の2つの解決策を提案した。(1)投資する前に、そのビジネスに携わり中身をよく知ること(2)あなたがすでに関わったことのあるビジネスと、少なくとも似た性質が50%以上あること。

この2つの提案に限定してしまうと、ほとんどの株式銘柄に投資できないことは明らかだ。投資信託も無理だろうし、非公開取引(限定的なパートナーシップや新規企業の持ち分など)においても、適切なものはほとんど見つからないだろう。

友情から利益を得る


ここに3つめの方法がある。
完全に信頼の置けるとても親しい仲の友人から、彼が良く知る(そしてすでに成功している)ビジネスに誘ってもらい投資することだ。

私は何度もこの方法で投資をおこなってきた。いつももうけられたというわけではないが、騙されたという心配はしなくて済んだ。真の友人との共同投資なら、彼は公正な取引のために最大限の努力をするだろう。あなたが反対の立場でも、きっと同じようにするはずだ。

ちょうどいい事例がある。数年前、15年ほど親しくしている高校の旧友EPから、不動産開発ビジネス投資の誘いを受けた。当時、私は不動産ビジネスについてはほとんど何も知らなかったが、彼の人柄はよく知っていた。そのとき、私は彼と合理的な割合の資本金で投資することができれば、公正なリターンを受け取れると共に、不動産ビジネスについて学べるとてもいいチャンスになるのではないかと考えたのだ。

そして、そのとおりの利益を得ると同時に、ビジネスについて学ぶこともできた。ROI(投資利益率)はそれぞれの取引によってまちまちではあったが、それらがどのようになされ、不動産売買がどのようにされるのかという、かけがえのない知識を得ることができた。とても多くのことを学べたので、私自身でいくつかの不動産ビジネスを始めるまでになった。

EPとの投資で私に都合の良かった点は、

1. 彼と彼のパートナーは既に実績が確立されていたことだ。それは、単に数字上の実績だけでなく実体のあるものであった(EPとの付き合いが長かったので、彼がどんなビジネスをしているかは知っていた)。

2. EPとかつて仕事をしたことがあるパートナーを何人か知っていたが、誰一人としEPに腹を立てた人はいなかった。

3. 彼が私にくれた契約書には、取引により得られた収益が彼ではなく私に先に回るようになっていた(このような内容を頼めるパートナーは限られているだろう)。

4. 資金提供だけでなく、私がパートナーとして協力できることが他にもあった。それは、マーケティングのノウハウである。これにより、感じは良くても信頼のおける親しい友人というわけでなかったEPのパートナーに対しても、私は好印象を与えることができた。

しかし、EPのビジネスの誘いに乗る鍵となった理由は、彼が私のためなら最大限の努力をしてくれることを知っていたからだ。そして、彼は最終的な運用成果をコントロールすることはできなくても、取引自体をコントロールすることはできた。

個人投資では、簡単に損を出してしまう。外部の投資家は知らないことが多すぎるのである。自分のビジネスの分野でいくら経験があっても、たくさんの学位を持っていても、業界紙を読み込んでいても関係ないのだ。あなたが投資する特定の業界のことを知らなければ、起こり得る多くのトラブルに対処することはできないだろう。

ビジネスパートナーについて、こんな古いことわざがある。「お金を持っている人と知識を持っている人が一緒にビジネスをやる仲間になれば、最終的には知識を持つ者はお金をもうけ、お金を持つ者は知識を得ることになるだろう」

友人と投資をする際の最大のリスク


家族や友人とビジネスをすることは、とても大きな危険を伴う。彼らとの関係が壊れてしまうリスクである。彼らとパートナーとしてうまくやっていくためには、両者共にどんなにいいビジネスの話があっても、友情を優先するタイプであるべきだ。これはなかなか難しい。また、ビジネス関係において、どんな役回りになっても個人的な感情(特にネガティブなもの)を持ち込まないくらい、人間ができていなければならない。

お金で経験を手に入れる


あなたがいいビジネスチャンスを持ち掛けてくれるような友人に恵まれなくても、専門分野以外のビジネスに投資する方法がもう1つある。それは、
将来有望な起業家を見つけ、彼の会社の経営権を購入することだ。

これは難しいが、うまくいく可能性もある。つまり、あなたが知性や職業モラルを高く評価する人が経営するビジネスの51%以上の経営権を買うのである。

この方法をおこなうには、起業家があぐらをかかないレベルまで歩合給の設定を下げる必要がある。彼の収入は会社の利益次第で決められるので、本人の能力と(あなたがよく知らない)ビジネスの将来性に対して自信がある、本来の報酬以下でもやっていけるような起業家でなければならない。

彼の報酬上限は、あなたの出資金を確保した上で相当高く設定するべきだし、下限は相当低く設定するべきである。ビジネスを軌道に乗せるのはあなたではなく、彼自身なので、あなたは彼を従業員としてではなく、起業家として支援するべきなのだ。

他にできることは?


これらの方法以外で、よく知らないビジネスに個人投資(株式投資や直接融資)をするのはお勧めしない。

誰もが株式ポートフォリオを持つ今の時代に、こんなことを言うのも極端だが、あなたが投資に必要とするものを経験以外から読み取ることは単に難しすぎるのである。もしそれでも株式マーケットでの収益を考えているのなら、インデックスファンドや地方債に投資するのがいいだろう。

つまり、結論はこうである。よく理解していないことに投資するべきではない。そして、外部から研究するだけではビジネスを理解することはできない。ビジネスにおいては、経験から得られた知識だけがものを言うのだ。それが得られるまでは、私が勧めるガイドラインに沿って慎重に投資しよう。

マーク・M・フォード

                Presented by インベストメントカレッジ

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