投資によるリスクを軽減する2つの方法
私の知人で経済学の博士号を持つスティーブ・シュガラッド博士によると、あらゆる種類の投資でリスクを軽減する最適な方法は出口戦略にある。つまり、株価が下落したときなどに、経済的損失を最小限にする戦略を立てておくことだ。
彼が勧める一番効果的で簡単な出口戦略は、相場の動きに合わせて決済と損切りのポイントを設定し、損失を抑えながら利益を確保するトレーリングストップだ。
今日は投資専門家のヴァン・K・サープ博士による、簡単に利益の最大化とリスク軽減を図る2つの方法に関するエッセーを紹介しよう。
私はサープ博士の投資に対する意見に賛成している。彼は投資に興味を持ちながら、行動心理学の分野でキャリアをスタートさせた。そして、長年かけて成功している一般投資家や証券投資家、ビジネスマンなど5000人以上の心理的特性に関するデータを収集したのだ。彼はそれらを分析することで、投資を成功させる秘訣を見いだした。
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投資によるリスクを軽減する2つの方法
ヴァン・K・サープ
このエッセーの狙いは、投資で大きな利益を上げつつ、リスクを軽減させる方法を2つあなたに紹介することだ。
人にはそれぞれ生まれながらの性質や性格がある。多くの人は自分の性格が投資に向いているとか、「リスクの避け方を知っている」と感じている。しかし、その思い込みは多大な損失に繋がることが少なくない。
リスクを軽減するために最も重要なのは、一定価格以下に株価が下落した場合に備えて、損失を限定するためにおこなう「損切り注文」である。
そこで今日は、投資によるリスクを減らすための2つのテクニックを紹介していこう。
テクニック1:投資対象を徐々に分散していく
リスクを軽減する最善の方法の1つは、徐々に投資対象を広げて分散させることだ。そして、特別な投資機会や保有銘柄の急激な株価変動に備えて、あなたは常に十分な資金を取って置く必要がある。変動リスクに対するエクスポージャー(損失を被る可能性のある対象)を軽減する、ということである。
このように考えてみるといい。あなたが毎回90%の確率で利益を出していても、株の取引をするたびにほとんどの手持ち資金を注ぎ込んでいれば、ゆくゆくはすべてを失ってしまうだろう。小口トレーダーや初心者がよくする間違いだ。
テクニック2:投資資金を分散する
いくつかのポジションを同時に持っている場合、連動性が低い銘柄のみを選ぶことが低リスクにつながる。そして、それらのポジションが3種類のセクター(業種)に適切に分かれていれば、分散投資としては十分だろう。1つのポジションの株価が下落しても、別のポジションでは上昇するかもしれない。それによってあなたの資産は守られるのだ。
多くの投資家は分散投資をちゃんと理解していない。例えば、異なる国際的な石油会社2社のポジションを保有していても、株価は同じ動きをする傾向があるため連動性が高いのだ。同様に、金や銀などの貴金属関連銘柄も、お互いの価格変動に連動しやすい。
適切な分散投資をするために欠かせないのは、個別銘柄、コモディティ(先物市場で取引されている商品)、債権を投資対象にすることだ。そして、その理由は連動性が比較的低いからに他ならない。例えば、大豆やユーロ、鉄鋼会社の株はどれも連動していないので、良い組み合わせだと言えるだろう。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ