富を構築するレッスン:支出よりも多く稼ぐ
毎朝早起きをして富の構築に関する私のアドバイスを実践していけば、収入を増やすことができるだろう。どうしてそんなことが言えるかって?なぜなら、世の中は野望に満ち溢れ、働き者で、目的がしっかりとしている人を渇望しているからだ。早起きをして仕事に取り掛かれば、1日ごとに、月ごとに、そして年を経るごとに、人より一歩先を行くことができる。毎日の積み重ねがあなたの成果となるだろう。そして、高いモチベーションで充電されるあなたのエネルギーは常に満タンに保たれ、目標達成に向けて万全の力を発揮するのだ。
それに加えて、あなたはほんの少しの工夫をするだけで、将来裕福になるだけの追加収入を見込むことができる。ベストセラー『The Millionaire Next Door』(邦題『となりの億万長者 − 成功を生む7つの法則』)(トマス・J・スタンリー、ウィリアム・D・ダンコ著)には、そのための秘訣が書かれている。あなたが「富裕層の最底辺」レベル(下記「どのくらい裕福になりたいか?」を参照)で満足ならば、その秘訣は収入よりも支出を少なくし、節約した分を長期投資に回し、後は複利運用の奇跡に身を任せることだ。
ただ、資産がそのレベルになるまでに30〜40年は待たなければならないし、あなたは5000万〜1億円そこらの金額では満足できないかもしれない。それならば、次のことを試してみるべきだ。
・資産管理に有利なスキルを身につける(そして最終的には習得し使いこなす)。
・そのスキルを活用して、自分で利益を生み出せるようにする。
・あなたが関わる利益のすべてで公正な取り分を確保する。
こうすることで、ほとんどの場合は平均を上回る収入を得ることができるだろう。そして、あなたのスキルが上達すればするほど収入も増えていく。しかし、いくら増えても稼いだ分より多く使ってしまっては、富は手に入らない。富を築くのは稼いだお金ではなく、節約したお金なのだ。
私が今回お伝えしたいことは、収入が多くなるとどうしても使いたくなってしまうという、意外とやっかいな衝動をどう抑えるかについてだ。
あなたにも収入アップという嬉しい経験があれば、私の言っていることがよく分かるはずだ。多くのお金を稼げるようになれば、それに合わせて車や服、それに住まい(これが一番高くつく)もグレードアップされるだろう。自分で上限を設けているうちはいい。しかし、収入が増えた人の多くは(大部分ではないにしても)、お金を使いたいという欲望の方が、常に稼ぐ能力を上回ってしまうのだ。この罠にはまってしまったら高級品は手に入れたとしても、あなたは決して最も価値ある恩恵を受けることができなくなってしまう。その恩恵とは、お金の心配をしなくてもよい心の安らぎと、働くことをやめるという自由である。
太っている人は燃焼分よりも多くのカロリーを摂取してしまう。貧しい人は稼いだ分よりも多くのお金を使ってしまう。痩せることや富を築くことは、少なくとも理論上はとても簡単にできることで、難しいのは自制心を保つことだ。
ここではダイエットのコツについては割愛するが、富を構築するためのマインドセットを手に入れる最強の秘訣をお教えしよう。
これは何十年も前に私が偶然見つけたテクニックで、このおかげで私は経済的に大成功を収めることができた。運が良かろうが悪かろうが、私のアイディアがうまくいこうがいかなかろうが、景気が良かろうが悪かろうが、そんなことには関係なく裕福になることができたのだ。これは誰の力も借りずに、あなたが1人でできることだ。このテクニックを使えば見た目には分かりにくいが、あなたは大きく変わることができる。そして、もう二度とお金に困る心配をしなくて済むだろう。つまり、これはダイエットに成功した後に飲む、二度とリバウンドしない薬と同じ役割を持つのだ。とても素晴らしいと思わないか!
私がこのテクニックを思い付いたのは、約40年前に「金持ちになろう」と「決心」してから約半年後のことだった。副業がうまく軌道に乗ったところで、私はその収入を元手に250万円の資本金が必要な他のビジネス起業を考えていた。そして、そのビジネスの起業後は、毎日稼いだお金を数えていた。そして、損益分岐点に達した輝かしいその日に、私はあることを始めたのだ。私はそれをずっと続けてきた。
私は1枚の紙を取り出し、自分の資産と負債をすべて書き出した。そこには15万円くらいの価値がある8年乗ったマイカー、質に入れたら2万円ほどになる妻に贈った安い宝石類、フリーマーケットで売れば5000円くらいにはなるであろういくつかの安い油絵(実際はとても質の高いものだった)などが含まれていた。当時、私の資産はたったそれしかなかったのである。ただ、資産には含めなかったが、立ち上げたばかりのこの新ビジネスがこれから生み出すであろう何十万万、何百万円という収益への期待や借入金の減少は心の中にあった。
私がこの走り書きのリストを書き始めたときは、資産よりも負債(クレジットカードの未払い分、学生時代の借金、ガラクタ車のローンなど)が幅を利かせていた。収支はまったくの赤字だったのだ。しかし、ビジネスからの現金収入が増えてから、事態は徐々に好転していった。私はみずから招いた境地から徐々に抜け出していったのだ。ほんの数ヶ月もしないうちに私はそこから脱出し、これから先の見通しを立てることができるまでになった。そして、1年後には、最底辺ではあるが富裕層の仲間入りを果たしたのだ!
しかし、その後が決して順風満帆だったわけではない。翌年から私は十数件のビジネスでパートナーシップを結び、何ヶ月かはゾッとするような思いをした。しかし、あるとき気付いてみれば、私は1億円もの収入を得るまでになっていたのだ。もし、事がうまく運んでいなかったら、家族を養うこともままならなかっただろう。
手早く多額の収入を手に入れたと思ったら、それをすぐに失うという2つの経験をしてから、私は富を積み上げるための習慣に少し手を加えてみた。新しく工夫した点はこうである。私は何としてでも最新の収支プラスが、前月分を上回るようにすると自分自身に誓った。毎月の収支計算をする習慣はすでに付いていたが、必ず前の月よりも裕福になることを自分自身に誓ったのだ。
一見、これはとても単純な誓いのようだが、これによって私は自分自身について、仕事について、仕事上の関係について、また富の構築自体についての考え方が一変した。例えば、誓いを立てたのとほぼ同時に、私がおこなってきた習慣の多く(消費癖も含めて)は経済的に健全でないと思うようになった。また、新しいことを始めたり、うまくいっていないことから手を引いたりするときに、思い切った決断を下す原動力にもなった。それに、大原則である「毎日少しずつ豊かになる」という決意ができたのも、この誓いを立てたおかげだ。ロバート・フロストが言うように、この決意によってどれほど大きな違いができたかは計り知れない。
あなたも同じことを実践するといいだろう。つまりそれは、
・毎月、自分の純資産を再計算する習慣を付ける。
・常に何としてでも収支を前月分よりプラスにすると自分に誓う。
この誓いに対しては、とても慎重に忠実でなくてはならない。ある特定の資産を過大評価することによって、目標を達成したことにしてしまおうという誘惑に負けそうになるかもしれないが、それに注意して乗り切ることだ。
お金を数えるということは浅ましい行為だ。だから人前ではあまりやりたくないだろう。それに、きっと他人にも話したくないはずだ。しかし、計算することによって、あなたがどれだけ前進しているかを再認識することができるし、継続しようという力を与えてくれる。そして最終的には、自然と稼いだ分より少ない額しか使わなくなるのだ。つまり、それはあなたの将来の富が約束されることを意味する。
単純なテクニックだからといって見くびってはいけない。人生において最も偉大でゆるぎないものは、すべて単純なことなのだ。これですべてが変わってくるので、ぜひやってみよう。
あなたはどのくらい裕福になりたいか?
何かで読んだのだが、アメリカの富裕層は次のように分けられる。セルリー・アソシエイツによると、3つのレベルがあるのだ。
1. 5000万〜5億円の純資産を持つ、富裕層の最底辺にいる資産家。
2. 5億〜50億円の純資産を持つ真の資産家。セルリー・アソシエイツによると、2001年初の調査でこのレベルに達していたのは20万人だったが、2016年のデータでは約430万人以上になっている。
3. 50億円以上の純資産を持つ超富裕層。このレベルの資産を持つ資産家は2016年のデータでは約3万6000人である。私は個人的な知り合いはいないが、あなたにはいるだろうか?
アメリカ人は金持ちになっているか?
以前読んだ「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙の記事によると、アメリカの富裕層の資産合計は、1996年から2001年の間だけで440兆円から900兆円へ倍増したそうだ。もちろん、その後の数値は景気に左右されてきたが、インターネットバブルのおかげで、多くの人が以前よりもより懸命に仕事をするようになったし、中には有益な仕事をおこない、生き残った資産家も多くいる。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ