富とお金 2018/07/06

好きなことで利益を得る




先日、大好きな飛行機の操縦をビジネスにした知人と話した。OPは以前壁紙を販売しもうけていたが、彼にとって退屈な仕事だったそうだ。彼は「もっと楽しくて、刺激的な仕事があるはずだ」と考え、決心した。貨物用の飛行機を所有している仲間のアイディアで、新しい航空会社を設立したのだ。

OPの長い苦労話をここで伝えるつもりはない。彼はすべての時間とエネルギーとお金をそのビジネスに注ぎ込んでから、飛行機の操縦を楽しめなくなってしまったといえば十分だろう。さらに悪いことに、そのビジネスは行き詰まり、手放すべきか悩んでいるところだ。

しかし最大の問題は、この失敗の経験により飛行機への情熱を失ってしまったことだ。

ここで質問がある。あなたは自分の好きなことを、成功をもたらすもうかるビジネスに変えることはできるか?

もしかしたらできるかもしれない。

たとえば、飛行機の操縦、詩を書くこと、ダンス、外国語など、あなたが好きなことをビジネスにすれば、もっと楽しんでお金を稼げるようになると思わないだろうか。もちろんそれは可能だが、思っているよりも楽しくないだろうし、たとえ好きなことでもビジネスになれば大変なものだ。

そのことについて一歩下がって考えてみよう。なぜならこのルールにはいくつかの例外があるからだ。

たとえば、演技が好きならプロの俳優になればいいし、飛行機の操縦が好きならパイロットになるのもいい。しかし、趣味や特技を職業にすることと、その分野のビジネスを所有したり経営したりすることは、まったく異なると理解しなければならない。

自分のビジネスをスタートし、成長させるには、あなたが持つすべてを費やす努力が必要だ。そして、成功するためには財務や顧客サービスを最優先にしなければならない。

顧客を喜ばせたり、売上を達成することが主要な目標であり、それを達成するためにはあなたが好きであろうとなかろうと、あるいは望む方法とは別の方法だとしても、そのためのスキルを磨かなければならない。

あなたの個人的なモチベーションは後回しになる。さもなければ、ビジネスは成功しないだろう。

そして、あなたの趣味を職業に変え、人の下で働くことにもリスクはある。たとえば、振付師があなたにセンスの悪いダンスを踊らせたり、編集者が使い物にならない原稿をあなたに何とかさせようとする場合だ。

私自身にも経験がある。以前第一線を退いたとき、私は画廊の株式の50%を買った。趣味も兼ねた完璧な職業を想像していたのだ。美しいアートに囲まれながら興味深い本を読み、ギャラリーに訪れる聡明で面白い人たちと画家のカレル・アペルやジュール・パスキンについておしゃべりをする。

しかし、その代わりに私が経験したのは、売らなければいけないというプレッシャーだった。私の友人や昔一緒に働いていた同僚にアートを買わせるよう、ビジネスパートナーからも求められた。結局、私はその夢のビジネスから手を引き、そのためにかなりのお金もかかった。しかし、抜け出せて良かったと思っている。私のアート収集への熱意までもがなくなってしまったかもしれないからだ。

この経験の傷はまだ癒えていないが、自分の画廊を持つことはまだ夢見ている。しかし次回は、すべての時間を販売に費やす必要がない方法を見つけようとしている。

「販売」は重要な問題かもしれない。ビジネスをするのにまず必要なのは、製品やサービスを販売することだからだ。だから、あなたが好きで夢見ていることが売れないものだとしたら、おそらく収入源にしようとしない方がいいだろう。

先週、JTとKRと会話した。彼らはこのように捉えているそうだ。時間とお金を注ぎ込むビジネスを選ぶときは、得意であるが愛着がないものを選ぶべきだと。

それは私にとっても、とてもいいアドバイスのようだ。

マーク・フォード

                Presented by インベストメントカレッジ

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