ナンバー2を狙った方が良いとき
私はいつも、ナンバー1になったり、独立したり、自分のビジネスを持ちなさいと言っているように思われているようだ。私もそれは否定しない。現に、私は常に起業家になって資産を持つことの利益を伝えている。しかし、中にはナンバー2に収まっている方が良い人たちもいるのだ。責任を負う人が別にいることでより成功し、多くのお金を稼ぎ、人生の仕事を楽しむことができる人のことである。
私もそういうタイプの人間なのではないかと思うときがある。1人で交渉しているときは甘くなってしまうのだが、シニアパートナーと組んだりグループの一員として交渉するときはより積極的になりやすい。
自分の利益のためだけに仕事をしているときは、リラックスして取り組むことができる。最高の取引はまた次にやってくるかもしれないし、それよりも早く決めてしまいたいと思うのである。しかし、誰かの代わりに取引をしているときは、その人たちが満足するような結果を出さなければと、余計な責任を感じてしまう。
実際、それは素直には認めたくないことだ。私は自分のことを独立した人間、ナンバー1の荒くれもの、お山の大将というふうに思いたい。しかし、私がここ一番の成功を収めるときは、決まって私がナンバー2のときなのだ。
勘違いしないでほしいのは、私が時給労働者だったのはほんの短期間だ。私は常に、会社に貢献するにはなにをすべきかをすぐ理解することができた。この衝動が、私のキャリアアップの推進力となっていたに違いない。
あなたにもそれがあるだろうし、直感でトップに上り詰めなければと感じているかもしれないし、それはそれで結構だ。なぜなら、私がこのブログで書き続けていることは、そのために役立つからである。しかし、もしあなたが私のようなタイプの人間であるなら、違うやり方もあるのだ。
自分にはどのような役が合っているかを見極めよう。
違いを理解することは重要だ。なぜなら、もしあなたがナンバー1になるべき人間であれば、わき役に満足できず最終的には失敗してしまう。もしあなたがナンバー2タイプの人間なのに独立しようとすれば、失敗に終わる可能性が高い。
このことは、最近「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌で紹介されたパット・ファーラのストーリーでも説明できる。
1962年、ファーラはカリフォルニアの建築材店に勤め始めた。やりがいのある急成長中の会社でファーラは成功し、ゼネラルマネージャーにまで上り詰めた。そして1978年、彼は自分のビジネスを立ち上げたのだ。彼は大きな倉庫を借り、商品で埋め尽くした。「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌に話した彼のアイディアは、「商品を高く積み上げ、それが飛ぶように売れていくのを眺めるのさ」というものだった。
マーケティング戦略としては、そのアイディアは効果的だった。お店は顧客でいっぱいになったのだ。しかし、財務管理がされておらず、結局店はつぶれてしまった。その2年後、ベテランの小売業者であるバーナード・マーカスはファーラの失敗を見て、彼をホーム・デポのチーフ・マーチャンダイジング・オフィサーとして雇用した。同じようなビジネスでナンバー2だったファーラは、以前成功した戦略を再び使うことができた。ただし今回は、彼が苦手だったほかの業務に気を取られる必要はなかったのだ(例えば帳簿をつけるなど)。
結果?それはホーム・デポの成功の歴史を見れば分かることだろう。
「自分は主役なのか、わき役なのか」ということをよく考えることだ。自分が以前何をして、どんなときに成功したのかを思い出してほしい。「独立か、誰かのために働くか、どちらが自分に合っているのか」を自分自身に率直に尋ねてみる。
すぐに答えは出ないかもしれないが、それで良いのだ。あなたの夢を叶えるための戦略を実践し続ければ、2つのうちどちらかの地位を得ることができるだろう。そうなったときに、自分はどんな人間なのかが分かり、ファーラがしたような失敗を繰り返さずに済むのである。
ところで、ファーラは最終的にホーム・デポを退社し、再び自分のビジネスを立ち上げた。結果はどうだろうか?彼はまた失敗したのである。そして、彼の後任になった男性のアシスタントとしてホーム・デポに再雇用され、すぐに彼は再びナンバー2に舞い戻った。現在、彼は裕福だし幸せだ。そして、彼の復帰はホーム・デポの売上にも多大な貢献をもたらした。
ナンバー2でいることを恥じることはない。自分自身を知り、トップになり、ビジネスの株を獲得する。そして仕事を楽しむのだ。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ