3人を笑顔にする

私の経験からすると、基本的には３種類のセールスマンがいる。威圧的、カリスマ的、そして、印象に残らない人だ。

威圧的なセールスマンは必死に売り込む。人は彼を追い払うために買わざるをえない。こういうタイプは同じ人に二度と買ってもらえないだろう。

カリスマ性のあるセールスマンは人を魅了するのが上手だ。商品の知識や販売技術が足りなくても、持ち前の性格でなんとかなる。見込み客はこのセールスマンが好きだから買ってしまうのだ。

一番営業力が高いのは、印象に残らないセールスマンだろう。このタイプは商品やサービス、そして購入によって得られるメリットに見込み客の意識を集中させる。また、見込み客の興味や反応に合わせて売り込みができるので、彼らは購入する商品の魅力に夢中になってしまい、セールスマンのことはすっかり忘れてしまうのだ。

セールスマンも生身の人間なので、魅力的だったり、積極的だったり、控えめだったりと色々な性質を持ち合わせている。しかし、あなたが印象に残らないセールスマンになるためには、「その商品を買ったら、どんな良いことがあるのか」と、見込み客に興味を持たせる方法をまずは学ぶことである。「Early to Rise」で私が書いているのは、多くがそういった内容だ。

そして、個人的なスキルを磨くことも大切である。それは高圧的なところを抑え、カリスマ性を高めるということである。

もっとも効果的で簡単な「誰もが知っているテクニック」

では、あなたがもっと魅力的になる方法についてお話ししよう。私はこれを知人のASから学んだ。彼が私に何かをお願いするときに、いつも上手に使う方法である。彼が意識してやっているのか、彼自身気づいているのかはわからない。おそらく、トップセールスマンとしての20年のキャリアの中で身につけたものではないかと思う。

ASの得意技は、私を笑顔にすること

私は彼に会うたびに笑顔になってしまう。その理由を探るために、私は彼がオフィスに顔を出すたびに観察していた。そして気がついたことは、彼がいつ会ってもにこやかで、私が楽しくなるような話を色々持ちかけることだ。

私を笑顔にすることは簡単ではない。ご存知のように、私は気分屋のイヤな奴だからだ。しかし、私がイライラしているときでさえ、彼は必ず成功する。

その秘訣は何だろうか？彼が笑顔を引き出そうとしていることは間違いない。しかし考えてみれば、そうやって私に気を使ってくれる人がいることは、ありがたいものである。

ASの行動は、カリスマ性のあるセールスマンだから可能なのであって、誰にでもできるというものではない。顧客を笑顔にできたら、売るのに難しいことなど何もないだろう。

あなたは人を簡単に笑顔にできるタイプだろうか？そうであるなら、自分の才能に気がついたほうがいい。その才能をもっと使うべきだ。反対に、その才能に乏しい（私のように、カリスマ性に欠けている人間だ）と思うなら、セールステクニックの１つとして、習得することを考えてみてはどうだろう。

できるようになるまで、練習あるのみだ。今日からはじめてみよう。

課題は、これから会う３人を笑顔にすること。まず顔を合わせたら、どうにかして笑顔を引き出すのだ。ヒントをあげよう。あなた自身がしかめっつらだと、とても難しくなる。だから、まずはあなたが笑顔になること。苦手なら（私のようにね）、実際に人に会う前に鏡を見ながら練習することをおすすめする。

今日から3人を笑顔にして、その成果を実感してもらいたい。
そして、次のようなことに気がつくに違いない。

１．自分自身の気分も良くなる。

２．自分に自信がつく。

３．あなたのアイディアや関心ごとがより受け入れられやすくなる。

私が課題に挑戦した感想

1人目と2人目を笑顔にした後、3人目は電話での挑戦であった。その人の仕事は私に小言を言うことで、今回は私がクレジッドカードの支払いを忘れたので家から電話をかけてきたのだ。

私は横柄な態度を取るかわりに、彼女から電話があったことを喜んでいるかのように振る舞った。さらにジョークさえ言うと、彼女の反応は驚くべきものであった。彼女は愚痴を言うのをやめ、優しい口調になったのだ。電話の向こうで笑っているのが聞こえたぐらいだ。そして私たちは、「問題」（もしかしたら話がこじれて別居に発展していたかもしれない）も記録的短時間で解決したのであった。

思ったよりもずっといい気分で電話を切る事ができた。電話をしてきた彼女もいい気分だったに違いない。彼女を笑顔にしていなければ、まったく違った結果になっていたはずだ。

今日のあなたの課題は3人を笑顔にすることだ。検討を祈る。

マーク・M・フォード

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