コヴィー博士がインドで人気だった理由
From:ロイス・クルーガー
何年もの間、私はインドに魅了されてきました。インドは多文化の国であり、歴史も素晴らしく、世界でも人口の多い国です。上流階級と中流階級を合わせると、アメリカの人口と同じ人口になるんです。素晴らしい国です。素晴らしい文化もありますし、異文化ですし、インドに行って見てみることは、素晴らしいと思います。
また、インドにおいて生み出されているイノベーション。これを見るのも素晴らしいです。とにかく本当に魅力的な国なんです。
ある時、コヴィー博士は非常に有名な国際会議から招待を受けました。ムンバイで開催されるその会議に出席してほしい、という招待です。それは素晴らしい機会でした。私は、インターナショナル部門の責任者として一緒に行ったんです。まだインドで事業は行っていませんでしたが、検討していたので、ぜひ見てみたい、ということになったんです。
そしてインドで文化の違いを目にしました。人々は最小限の暮らしをしていました。しかし、夜になると路上に本当にたくさんの人がいたんです。なんで道にたくさん人がいるんですか?とタクシーのドライバーに尋ねると、寝る場所がないからなんですよ…と言うんです。
私にとってショッキングでした。大きな排水用の施設があり、見てみると、ひとつの家族がその中で寝ていたんです。私はホテルに着いてトイレに行って、そして10ワットの電球を使って部屋を照らしました。薄暗いですよね。水道水は飲みたくなかったですし、疲れてました。
しかし、インドに中華料理店があると知ったので、下に降りて行きました。すると、私がどこで食べたよりも素晴らしい中華だったんです。それはそれでショッキングでした。なんでこんなに二極化しているんだろう…と。
さて、コヴィー博士は、この国際会議に出席しました。
博士の話を聞きに、世界中からいろいろな人がやってきました。なぜコヴィー博士はそんなに人気者だったのでしょう。私は聞きました。なんでそんなに、コヴィー博士の話を聞きたいんですか?と。
すると、「博士はすごく実践的で、現実に即したことを話してくれる。そして人生に対して気付きをくれるんだ。博士が教える原則は、人生のどの部分でも応用できる。また、それは証明されていて、文化を越えたものだから」と。
スティーブン博士は非常に頭が良い人だったので、このような話ができたんですね。また、若い経営者の人々も聞きに来ました。若い人たちも、偉大なる教師から話を聞きたい、学びたいと思ったんでしょう。
あるとき、シニア・アドバイザーの人が私にこう言いました。「ロイス、学校を選ぶんじゃなくて、先生を選べ」と。これは本質を得ていると思います。私は、コヴィー博士をメンターとして選んだことで、自分自身が成長する助けになりました。
さて、コヴィー博士は、インドのとある場所に行くのを楽しみにしていました。そう、世界七不思議の1つ、タージ・マハルを見に行きたかったんですね。私たちは、スケジュールが詰め詰めだったので、プライベートジェットでタージ・マハルに行きました。そしてタージ・マハルの美しさに声を失いました。
コヴィー博士はこう言いました。「ロイス、これを造った人は、何で造ったか知ってる? 誰が造ったか、なんのために造ったか。」
知りません、と言うと、博士はこう答えました。とある、権力と富を持った男がいて、その男にはすごく愛している妻がいた。タージ・マハルは、その奥さんへの愛を示すために、そして夫婦が一緒に過ごす時間のために造ったんだ。世界七不思議の1つが、男性が愛する女性のために造ったなんて…本当に素晴らしいストーリーだ、信じられないよ、と言ったんです。博士はそのストーリーを気に入っていて、何度も何度も話していました。
また、カルカッタに住んでいるインドの女性の話といえば…
はい、そうです。マザー・テレサです。マザー・テレサは私の人生の英雄の1人でもあります。それからガンジーもですね。インドのガンジーも私の英雄です。私の英雄の2人がインド人なんです。
さて、マザー・テレサの話ですが、彼女は貧乏な人と一緒に住んで、彼らに毎日尽くして、彼女自身も一文無し。彼女の知名度により、何億円も得ることができたでしょう。でも、彼女はほかの人に尽くす人生を選んだんです。本当に偉大な人ですよね。コヴィー博士は、このことも講演で話しました。自分が今、そんなインドにいて、ガンジーやマザー・テレサがいた環境にいて、タージ・マハルがあるこのインドにいることが光栄だ…と。
そんなコヴィー博士を、私がよく見ていると、彼の探究心が働いているのがすごく感じられたんです。私が思うに、コヴィー博士のコア、つまり、なぜ彼がこんなに素晴らしい偉大な教師だったかというと、彼には探究心があって、常に質問をしていたから。問い掛けていたからだと思うんです。
私にも質問をしますし、私が説明すると、「ああ、そうだったね。そういう視点を教えてくれてありがとう」と言ってくれるんです。もしくは、「ああ、あれについて調べてくれる?」と言っては、私がリサーチしたりしていました。とにかく一貫して常に探求していたんです。
また博士は、新しいアイデア、新しい考え方、過去に学んだこと…それを常に拡げ、ずっと探究心を持っていたんです。
私は自分に問いかけました。私は、そのような探究心を持っているだろうか。世界について、どれぐらい知っているだろうか。私は何を学びたいのだろうか、と。そして、私は探求を自分の人生の1つの道として持とうと思ったんです。
新しい人に会ったり、新しい国に行ったり、新しい機会を得たいと。
ちなみに、私はすごく機械モノが好きなんです。新しい車、新しい機械、新しいマシンとかが大好きなんですね。新しいカメラも。でもそれだけじゃない。これはどのような仕組みで動くんだろうか?なんでこのように機能するんだろうかと?と常に問いかける。コヴィー博士はそんな人だったんですね。
さて、インドでのコヴィー博士は、本当にスポンジのように全てを吸収しました。
帰りの飛行場に戻ったのですが、飛行機は夜の1時か2時とかまで離陸しなかったんです。すると、コヴィー博士はベンチで体を伸ばして寝ているじゃないですか 。みんなが見てるのに寝ちゃうんです、ころんって。私は博士のところに行って「ああ、すごく疲れたんですね」言ったんです。すると、「疲れたよ。でもインドで行きたいところは全て行ったんだ。本当に素晴らしい時間だったよ」と博士は言いました。
私たちも、このように生きるべきだと思うんです。探求しながら、学びながら、教えながら、訓練しながら、ほかの人から学びながら、そしてほかの人を勇気付けながら、尊敬しながら、自分の人生を構築し、人生を続けていく。
そして人々を幸せにして素晴らしいレガシーを残していくべきだと思うんです。コヴィー博士はそのようにしてくれました。あなたもそのようにしてくれることを私は祈っています。