若い女性のカツラが眼前で落ちた…


From:西埜巧祐
@心斎橋のスタバより・・・

ぱさ。。。

ん?なんだ?

僕の足にふわっとしたものが当たった気がしました。違和感をかろうじて感じる程度です。場所はホテルのような場所のラウンジです。ちょっと座高が高い椅子に座っていました。目の前には、20台前後の女性。足に触れたナニカ。私はパッと視線を足元に移すと、そこにあったのは、髪の毛でした。そう。目の前にいた若い女性のカツラだったのです・・・


言葉を失う2人



「ん?」

パッと手に取ってみると、やはりカツラです。どっからどう見てもカツラなんです。そして目の前にいる女性は、申し訳なさそうに、そのカツラをとりました。

女性
「なんで梳かしていたのに、、、やり直しじゃん!すみません」


「いえ、、、大丈夫ですよ」

と言って、カツラを渡しました。女性はカツラを手に取り、再び梳かし始めました。何があったか?カツラというよりは、ウィッグと言ったほうがいいかもしれません。20代前後の若い子なのに、ウィッグをつけていたのです。別に髪の毛は、見た感じ困っていないのに・・・です。

ウィッグは、ロングヘアーの茶髪です。彼女は、どうやらおしゃれのために、つけていたようです。突然の出来事だったので、平静を保つのが精一杯でした。が、少し、面白いなとも思ったわけです。


若い子がおしゃれのために、ウィッグをつける時代


昔のCMを思い出してみましょう。こういうウィッグというもの。カツラというもの。これらは、薄毛やハゲを隠すために使われていたと思います。僕が見てきたCMでは、まさにこのアピールで売られていたと記憶しています。

水に濡れても、なかなか落ちないとか。つけてもとても自然に見えるとか。そういうアピールをあなたも見たことがあるのではないでしょうか?

てっきり、僕もそういうものだと思っていました。でも、時代は移っていて、おしゃれのためにも使われるようになったのです。ショートカットの子が、一時的にロングヘアーをしたい。だから、ウィッグをつける。髪の毛は染めたくないけど、ウィッグで染めたように見せる。など・・・。

ウィッグ1つの使い方が変わるだけで、使う人の層が大きく変わっているのです。偶然も偶然ですが、僕が2017年の最後に書いた記事で話していることです。これはポジショニングの話なのです。


おさらい:ポジショニング


『商品を売る時に、最も重要な意思決定は、その商品のポジショニングを決めることだ』

これは広告の神様と言われるデイヴィッドオグルヴィの言葉です。ポジショニングを簡単に定義すると、「その商品が何をするのか?(ベネフィット)誰のためのものか?(ペルソナ)」というものです。

昔、デイヴィッドオグルヴィは、ダブの石鹸の販売を手掛けたことがあります。考えてみてほしいのですが、石鹸のアピールって色々な人に、色々なベネフィットを売ることができますよね。

例えば、「男性に対して、汚れた手を洗うもの」として売ることができます。でも、彼が採用したのは、乾燥肌の女性に潤いを与える石鹸というポジショニングです。今も使われているものではないでしょうか?


カツラ、ウィッグの場合は?


では、カツラ、ウィッグという商品でポジショニングを考えてみましょう。僕が知っていた少し昔のアピールは、、、(厳密には今も使われています)

ポジショニング①
薄毛、ハゲが気になっている人に対して、カツラ、ウィッグによって髪の毛をフサフサに見せる。(コンプレックスを隠すもの)として売られていました。

ここで、対象が変わったわけです。対象は、おしゃれをしたい人です。このターゲットは、特定の世代ではなく、おしゃれをしたいというウォンツを持っている人に対してです。

その対象に、「髪型や髪色を気軽に変えてオシャレができる」というベネフィットを売ったわけです。

ポジショニング②
おしゃれをしたい人に対して、カツラ、ウィッグによって髪型や髪色を気軽に変えてオシャレができる


全く違うアピール。でも当たると、、、


全く違うアピールです。でも、これが当たると全く違う層へ商品を売ることができます。もし当たれば、、、また違う事業ができるわけです。ふとした出来事ではありましたが、大きな学びがあった出来事でした。

まさか、年末の記事の教訓が、こんなに早く体感することがあるとは、思いませんでした。自戒も込めて、マーケティング、セールスライティングにおいて、最も重要な意思決定を最後の言葉としたいと思います。

『商品を売る時に、最も重要な意思決定は、その商品のポジショニングを決めることだ』
-デイヴィッドオグルヴィ


ー【ザ・レスポンス】西埜巧祐

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