習慣 2018/04/13

自社でクレームを作っていませんか?


From:北岡秀紀

先日、ある飲食店でものすごい剣幕で怒っている人がいました。
クレームってやつです。

野次馬根性…ではなく、職業病でトイレに行くフリをして、何に対してのクレームなのかを聞き耳を立ててみると…
「同じチェーン店でいつもやってくれる常連向けのサービスをしてくれない!」
と怒っているわけです。

あとで調べた結果、常連向けサービスをしているのはチェーンのうち、ある1店舗だけ。
しかも、この店舗のある若い女子社員が気を利かせてやっていた本当の特別サービスでした。


このクレームの原因


さて、あなたはこのクレームの最大の原因はなんだと思いますか?

特別扱いされたくて仕方ないクレームを言うおっさん、と結論づけるのはカンタンです。
まァ、気持ちもわからなくはありません。

が、私なら特別サービスを実施した女子社員、もしくはそれを許した店長を叱ります。

なぜなら…人は一度でも特別扱いをされたら、それ以降も特別扱いを求めるに決まっているからです。
実際、この女子社員が特別サービスをしなければ、このクレームは発生しなかった、ですよね?

いわばこのクレームはこの会社自身が(厳密に言うと、この女子社員が)作ったクレーム、と言えます。


持続可能なサービス


素敵なサービス。思い出に残るサービス。SNS映えするサービス。
いわゆる「いいサービス」が以前にも増して求められるようになってきています。

でも、これらサービスは単発で終わってはいけません。
一度体験した人は「もっともっと」と求めるものだから。

でも、多くのお店や会社は一度「いいサービス」をしてそれでよし、と考えてしまいがちです。
これを継続できてナンボです。

下手に一度だけ「いいサービス」をしてしまったら、お客さんのハードルをあげているだけになります。
10点満点サービスを単発で提供するより、1点のサービスを10回積み重ねる方がボディーブローのように効きます。

「そのサービスは持続可能なのか?」

派手なサービスがもてはやされる時代だからこそ、立ち止まって考えた方がいい質問です。

-北岡秀紀


追伸1

なぜ冒頭に出てきたチェーン店の内情をこれだけ詳しく知ることができたか?
すごい調査力が私にある…わけではなく、単に友人の経営するお店だったからです。
念のため。

追伸2

女子社員を叱るときも頭ごなしは禁止。
良いサービスをしたこと自体は褒められるべきことだから。
ただ、「持続可能か」という視点が欲しかったね、という指摘をすればいいだけです。
こういうサービスができる人は、話せばキッチリ理解できますから。

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