登るハシゴはそれでいいのか?
From:中谷佳正
先日、子供も習い事で家にない休日に少しゆっくり休もうと思っていたんですが例によって、家でもやることはいっぱい(笑)家庭は役割を果たす場所だと心得ている僕は素直に我が家の代表である妻の言う事を受け入れています、、、
この日は、子供のクローゼット用の棚を作れという指令。正直、これが仕事だったら完全に組み立て代行のサービスを使ってくれの一言で済むのですが、我が家の代表の価値観においては、組立をアウトソースするつもりはないようでした(笑)
と、そこで事件が・・・
衝撃のひとこと
今回僕に与えられた指令は、子供用のクローゼット用の棚を、嫁が用事で出ている3時間ほどの間に完成させておくこと。正直に言って、細かい作業が超絶苦手な僕としては、一番避けたい作業ではあるのですが、かわいい娘達のためでもあるので・・・頑張りました、、、
僕はとにかく細かい作業が苦手で、組立図を見ながらやるのですが、何度も間違ってしまう。天板の方向を逆に差し込んでしまってやり直したり、留めるはずのネジを締め忘れたりするなど、悪戦苦闘が続く。完全に自分の強みではないことなので、半ばイライラしながらやっていたのですが、どうにかこうにか完成にこぎつけることができました。
かわいらしいピンク色の棚のできあがりです。きっと、工作が得意な人が作るのであれば、こんなDIYは余裕なんだと思いますが、僕としてはかなり頑張ったほう(笑)時間もきっかり嫁が用事に出ていた3時間かかりました。
と、そこに嫁が帰ってきました。僕は作り上げた棚を見て、「ありがとう」の一言でも言ってもらおうと思っていたのですが、、、嫁の口から出たのは衝撃的なものでした。。。
「あ、色違うわ、返品せな。」
・・・・え?
一瞬、自分の耳を疑いました。
色違うわ?返品せな?
最初に色の確認をしておけば良かった
僕は内心震えましたが、
「なんやねん!色の確認ぐらいしとけや!」
と、声を荒げて言うなんてことは一切せず、ひたすら心が静まるのを待ちました(笑)細く息を吐き、武道の達人のように目を閉じて深く息を整えました。
心を鎮めた僕は冷静になりながら、嫁に対して思うことはあるものの、1つの結論にたどり着きます。
「最初に色の確認をしておけば良かった・・・。」
そう。
これは、僕が色の確認を嫁に取らなかったという、僕の問題です。僕が色のチェックをしなかったことが悪かったのです。我が家で僕が平穏無事に暮らすには、この思考が1番・・・しょうがないこと。。。合掌(笑)
登るハシゴはチェックしよう
ビジネスの現場でも、似たようなことは起きている。できあがったものを見て、「いやいや、言ってたのと違うやん」みたいなことが結構あるんじゃないかと。それもこれもポイントになるのは、登るハシゴをチェックしていないのが問題だということ。。。ハシゴを登りきった後で、「登るのはそっちのハシゴじゃなくて、こっちのハシゴね」と言われても、後の祭りです。ハシゴの上の方で隣のハシゴに飛び移ることができれば良いですが、現実にはそうもいかず、実際は間違ったハシゴを降りて、正しいハシゴを再度登り直すなんてことが普通じゃないかと。結果として、お金もかかるし時間もかかるし、何よりスタッフの士気は下がるしと踏んだり蹴ったりです。
そうなりたくないのであれば、大事なのはやはり最初の段階で登るハシゴをチェックすることが大切。それができれば、後から「違った」なんて言うこともないはずです。。。今回の僕の失態のように。
確認の仕方に問題がある
海外でよく揶揄される話に、日本人は「Yes」しか言わないみたいなものがありますが。これは事実多くみられていることかなと。日本人に「わかりますか?」と聞くと、大抵は「はい」としか返事が返ってこない様子。逆に外国人に「わかりますか?」と聞くとどうなるかというと、彼らが納得するまで質問攻めに合うそうです。
僕たちの仕事環境の中には、上司にあたる人に対して「はい」以外を許さないという暗黙の了解のようなものがあり、極端なもので言えば、連日ニュースを賑わしている監督とそれ以外の人たちの関係性のようなもの、、、「わかりますか?」に対して「はい」と答えざるを得ない空気を作ってしまってるってこと。。。
というわけで、登るハシゴを間違えないようにするにしても、その確認の仕方に問題があります。
「わかりますか?」をやめる
どこで聞いた話だったか忘れましたが、この「わかりますか?」のアプローチに対して改善策が提示されていました。
それは・・・
「できますか?」
と聞くことだそうです。
これは言ってる話がわかるという視点と、言われたことができるという視点とでは、捉え方が異なるということだったかと。つまり、できるかどうかと聞かれて初めて人は自分事になるってこと。そうすると、実際にできるかどうかシミュレーションをしてみて、質問をする必要性に気づくんだとか。。。
極端な話を言えば、「お金の稼ぎ方はわかりますか?」と聞けば多くの人が「はい」と答えるでしょうが、「お金を稼ぐことができますか?」と聞けば違った答えが返ってくるはずってこと。
本来、経営者の「わかるか?」は「できるか?」と言ってるのと同義なんですが、聞かれている相手は「話がわかるか」と聞かれていると受け取っています。その為、「話はわかる。でも、できるかどうかは別」という論理が成り立ってしまう。。。だから、最初に確認する際にはできるだけ、「できますか?」と聞くことをオススメします。そうすれば、ハシゴを間違えることなく、よい成果を出すことができる確率が上がると思いますよ。
ぜひ一度試してみてください。
できそうですか?(笑)
-中谷佳正
P.S.ハシゴを登り始めてもその都度確認することをお勧めします、、、完成物ができるまで2度3度と(笑)